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シーン0:宇宙空間


 字幕テロップ:「時は
2045年。

          人類は巨大宇宙船を建造し、恒常的な宇宙航海を可能にしていた。」










































































シーン1:艦橋(ブリッジ)(その1)

副長:「艦長」

艦長:
「うむ」

副長:「あと5日ですね」

艦長:「そうだな」


ナレーション(以下NA) 「現在、この“戦艦”の乗員は数百人を数え、全員がコンピューターによる管理化に置かれている。

 全員に個室が与えられ、食事や排泄などのデータが管理されている。

 これはこの隔離密閉下での伝染病等の発生を未然に防ぐためである。


 この機械を「トランスポーテーション(転送)・システム」或いは「トランスフォーメーション(変形)・システム」を省略して「TSマシン」と呼んでいた。

















シーン2:ミカ・リクドウの部屋



ミカ・リクドウ:「…あと少しね」

ハヤト・タカハシ:「ああ」

NA「この二人もまた、地球への帰還を楽しみにする者だった」

ミカ・リクドウ:「帰ったら結婚式ね」

ハヤト・タカハシ:「そうだな」


















シーン3:データ室


リュウスケ・アサダ主任:「どうだ?」

ケン・コヤマ副主任:「はい。異常ありません」

リュウスケ・アサダ主任:「そうか。では定期チェックに入る」

ケン・コヤマ副主任:「はっ」

NA:「
この宇宙船には、「全ての各個室」及び「全ての連絡通路」に衣服を交換できる装置である「トランスフォーメーション・システム」通称「TS」が設置してある。

 この環境下では数百人全員の衣服を洗濯し続けるのは不可能に近い。

 よって衣類を洗濯することはせず、一日着た衣類は電子分解し、その都度再構成する手続きを取っていた。

 勿論、乗組員全員の身体データに基づきコンピューターが計算してくれるのは言うまでも無い」


ケン・コヤマ副主任:「それにしても今回も何も起こりませんでしたね」

リュウスケ・アサダ主任:「“何か”起こって欲しかったのかね?」

ケン・コヤマ副主任:「いえ、そういう訳じゃありませんが…それこそ宇宙人か何か出てくれば、少なくとも退屈はしないでしょう?」

リュウスケ・アサダ主任:「…俺は退屈な方がいいね」

ケン・コヤマ副主任:「そうですね…すいません。そういえばそろそろ到着しますよ」

リュウスケ・アサダ主任:「ん?」

ケン・コヤマ副主任:「お忘れですか?調査班が先日の惑星の調査結果を艦橋に直接持ってくるんですよ」












シーン4:ミカ・リクドウの部屋(その2)

ミカ・リクドウ:「ねえ、もう我慢出来ない。予行演習しない?」

ハヤト・タカハシ:「何を?」

ミカ・リクドウ:「披露宴よ」

ハヤト・タカハシ:「…何言ってるんだよ。子供じゃあるまいし…」

ミカ・リクドウ:「そんなに嫌がらなくてもいいじゃない」

ハヤト・タカハシ:「しかし、いい年こいておままごとでも無いだろう?」

ミカ・リクドウ:「違うの。これを使うのよ」

 と、ぽんぽん、と衣類の転送装置を叩くミカ。

ハヤト・タカハシ:「?」
















シーン5:データ室(その2)

ケン・コヤマ副主任:「…?何だ?これは…」

リュウスケ・アサダ主任:「どうした?」

ケン・コヤマ副主任:「何者かが侵入してきます」

リュウスケ・アサダ主任:「馬鹿な。一体誰が?」

サヤカ・ハミルトン:「こちらでも確認しました。外部のはずはありません。このデータ量からすると内部のはずです」

リュウスケ・アサダ主任:「止めろ!早く!」

ケン・コヤマ副主任:「あ、はいっ!」

リュウスケ・アサダ主任:「…ばか者が…何をやってるんだ」













シーン6:ミカ・リクドウの部屋(その3)

ハヤト・タカハシ:「おい…よせよ。事故があってからじゃ遅いぞ。軍法会議もんだ」

ミカ・リクドウ:「な〜にが軍法会議よ。精々軽犯罪ってところだってば」

ハヤト・タカハシ:「しかし…一度はマスターのデータをいじるんだろ?危険だって」

ミカ・リクドウ:「終わったらすぐに戻すから平気よ。よーし!じゃ、ちょっと待っててね」














シーン7:データ室(その3)

ケン・コヤマ副主任:「マスターの中心部が掌握されます!」

リュウスケ・アサダ主任:「何てこった…内部からのハッキングは想定してなかったのか?」

ケン・コヤマ副主任:「いえ…そんなことは無いですが…何せ乗員もその道のエキスパートが揃っておりまして…」

リュウスケ・アサダ主任:「いいから早く優先権を取り戻せ!敵は何を狙ってるんだ?データの破壊か?改ざんか?」

チャン・イシヅカ:「現在調査中です!」

 脂汗を流すアサダ主任。

リュウスケ・アサダ主任:「仕方が無い…ブリッジに報告!」

サヤカ・ハミルトン:「はい!すぐに繋ぎます!」

リュウスケ・アサダ主任:「まだ外部から侵入されている可能性も捨てきれんからな…」

マーク・シュナイダー:「主任…」

 マークはこのデータ室の中でも異彩を放つ存在である。

 若干14歳の少年だが、およそ地球上のあらゆる学歴を制覇した天才児である。

リュウスケ・アサダ主任:「何だ?」

マーク・シュナイダー:「どうなるんでしょう?」

リュウスケ・アサダ主任:「分からんが…もしもデータを破壊されていると…乗員全員の生命維持に支障が起こる危険性がある」
















シーン8:ミカ・リクドウの部屋(その4)

ミカ・リクドウ:「どう?綺麗でしょ?」



ハヤト・タカハシ:「ああ。そうだね…」

ミカ・リクドウ:「何よ…あんまり嬉しそうじゃないのね」

ハヤト・タカハシ:「素直に楽しめんよ…早く戻ってくれ」

ミカ・リクドウ:
「何言ってんのよ。あなたもよ」

ハヤト・タカハシ:「はぁ?」

ミカ・リクドウ:「新郎のデータも入れたんだから」

ハヤト・タカハシ:「おいおい勘弁してくれよ!急いで復旧してくれ!」

ミカ・リクドウ:「あなたも着替えたらね」

ハヤト・タカハシ:「それで記念写真でも撮るのか?」

ミカ・リクドウ:「記念写真はアシがつくわ」

ハヤト・タカハシ:「マスターへの侵入だってアシがつくだろうが!」

ミカ・リクドウ:「あたし国軍に入る前はA級ハッカーだったのよ。抜かりは無いって」

 やれやれ、とばかりに首を振るハヤト乗務員

ミカ・リクドウ:「早くしないと本当に逆探知されちゃうよ。ほーら!入った入った!」



 仕方なく機械…「TSマシン」に入るハヤト乗務員。


















シーン9:データ室(その4)

ケン・コヤマ副主任「判明しました。データの改ざんです」

リュウスケ・アサダ主任:「どの部門だ!酸素か?食料か?」

ケン・コヤマ副主任「…それがその…衣類…です」

リュウスケ・アサダ主任:「何だ?着物?」

マーク・シュナイダー:「どうなったんですか?」

ケン・コヤマ
副主任:「それがその…こんな風に…」


 映像データが出てくる。余りに突飛な映像に全員が声を失う。


リュウスケ・アサダ主任:
「何だこれは?」

サヤカ・ハミルトン:「見ての…通りです」

 データ室の紅一点、サヤカ乗務員が追い討ちをくれる。彼女は名前こそ日系だが純粋なアングロサクソンである。

リュウスケ・アサダ主任:「一刻も早く復旧しろ!」

ケン・コヤマ副主任「その前に使用停止だ!“犠牲者”が出るぞ」

チャン・イシヅカ:「…駄目です!停止信号を受け付けません!」

リュウスケ・アサダ主任:「だったら艦内放送だ!急げ!」



 データ室は戦場と化した。
















シーン10:艦橋(ブリッジ)(その2)


副長:「艦長…データ管理室から入電です」

艦長:「つなげ」

副長:「はっ」

艦長:「宇宙人の襲来ですかな?」

副長:「ふむ…」

 苦笑する艦長。

 その時、艦橋背後の入り口付近で悲鳴が上がった。
















シーン11:データ室(その5)

リュウスケ・アサダ主任:「艦内の様子をモニターしろ!」

ケン・コヤマ副主任:「駄目です!信号が跳ね返されて…」

リュウスケ・アサダ主任:「何てこった…」

サヤカ・ハミルトン:「同時刻、TSマシン起動を確認しました」

 その報告の意味するところを知るデータ室内が凍りついた。

リュウスケ・アサダ主任:「それは…最初の“犠牲者”が出たってことか?」

サヤカ・ハミルトン「…はい」

ケン・コヤマ副主任:「一応聞くが、犠牲者は男か…女か?」

サヤカ・ハミルトン「…悪いニュースの方です」

マーク・シュナイダー:「ということは…」

サヤカ・ハミルトン:「はい。男性です」

 リュウスケ・アサダ主任が天を仰いだ。















シーン12:ミカ・リクドウの部屋(その5)

ハヤト・タカハシ:「お、おい!何だよこれ!?どういうことなんだ!?」


ミカ・リクドウ:「あら!可愛いじゃない!…って何よそれ」

ハヤト・タカハシ:「こっちの台詞だ!」



ハヤト・タカハシ:「どうなってんだよ!何でおれまで花嫁衣裳になってんだ!女装の趣味はねえぞ!!」

ミカ・リクドウ:「ごめん、ちょっといい?」

 器用に長いスカートを操って端末の前に飛んでいくミカ乗務員。

 サテンの手袋の上からキーボードをぱちぱちと叩いている。

ミカ・リクドウ:「…あっちゃー…やっちゃったかな。こりゃ」





















シーン13:ブリッジ直通・動く歩道式TSマシン内

ジェフ・ギブソン探査員:「今回の任務は楽勝だったな」

デンゼル・イシイ探査員:「まあね。生存環境も地球に近かったし。地表近くにサンプルが集中してたのも助かったよ」

ジェフ・ギブソン探査員:「へっ!俺のサバイバル術も使う場面無しだ。楽なのは歓迎だが張り合いが無さ過ぎるのも勘弁だぜ」

アンソニー・ギネス探査員:「ま、無事に終わって何よりだ」

デンゼル・イシイ探査員:「そういえばギネスさんって今回で引退なんですよね」

アンソニー・ギネス探査員:「うん。最後まで奉公できて満足だよ」

ジェフ・ギブソン探査員:「油断は禁物だぜ。地球に着くまでは何があるか分からねえぞ…なんつってな!はっはっは!」

   ギブソンが豪快に笑う。

   「動く歩道」がTSマシンを内蔵した部分にさしかかる。




ジェフ・ギブソン探査員:「…ん?何かおかしいぞ」

デンゼル・イシイ探査員:「胸が…苦しい?」

アンソニー・ギネス探査員:「ナンじゃこれは…」




ジェフ・ギブソン探査員:「な、なんじゃこりゃあーっ!!!!」

デンゼル・イシイ探査員:「こ、これは…ウェディング…ドレス!?」

アンソニー・ギネス探査員:「…!?!?!?!」

ジェフ・ギブソン探査員:「どうなってんだよこれは!!」

デンゼル・イシイ探査員:「TSマシンの誤作動ですよ!きっと」

ジェフ・ギブソン探査員:「どんな誤作動だよ!ふざけんな!すぐにもう一度回せ!」

デンゼル・イシイ探査員:「無理です!内側から操作出来ませんよ!」

ジェフ・ギブソン探査員:「やべえぞ!このままだとブリッジに押し出されちまう!」












シーン14:艦橋(ブリッジ)(その3)

   その時、艦橋背後の入り口付近で悲鳴が上がった。

   押し出されてくる花嫁姿の探査員たち。

艦長:「よく帰ったな…!?」

副長:
「これは…一体!?」



   ブリッジに入ってきた調査班の面々を、ブリッジのクルーは唖然として見つめている。

艦長:「それは…一体何の冗談かね?」

ジェフ・ギブソン探査員:「い、いえ!違うんです!」















シーン16:データ室(その6)

リュウスケ・アサダ主任:「そう…ですか」

   主任は肩を落とした。

ケン・コヤマ副主任:「駄目でしたか?」

   黙って頷く主任。

リュウスケ・アサダ主任:「現在復旧作業中です。はい。まだコントロールも取り戻していない有様で…はい。艦長から艦内に呼びかけてください」

   受話器を置くリュウスケ主任。

リュウスケ・アサダ主任:「何てこった…」

マーク・シュナイダー:「ブリッジにも犠牲者は出たんですか?」

リュウスケ・アサダ主任:「惑星探査から戻ったクルーが集団結婚式になったらしい」

   思わず噴出してしまうサヤカ・ハミルトン。

チャン・イシヅカ:「…しばらく着替えを控えてもらう訳には…」

リュウスケ・アサダ主任:「復旧の見通しは?…どれ位なのか確実に言えるのか?」

チャン・イシヅカ:「それは…」

マーク・シュナイダー:「クルーは6時間に1度TSマシンに掛かることが義務付けられています。多分皆さんもう2〜3時間は経ってますよね?」

ケン・コヤマ副主任:「…そうなるな」

リュウスケ・アサダ主任:「現在犠牲者は?」

サヤカ・ハミルトン:「100人を越えたところです」

   データ室に軽いどよめきが起こる。



ケン・コヤマ副主任:「しかしよくサイズが合うもんだな」

マーク・シュナイダー:「TSマシンはどんな衣装でもちゃんとサイズ補正しますよ」

リュウスケ・アサダ主任:「しかし、女の服を男が着ようとすると警告が鳴るはずだ」

マーク・シュナイダー:「基本的にはそうです。TSマシン導入当初に最もポピュラーな事故がこれでした。それ以来全ての衣装に男女データタグが入っています。TSマシンに入った人間のDNAデータで性別が一致しなかった場合は警告が鳴ることになってます」

サヤカ・ハミルトン:「すぐに緩和されましたけどね」

チャン・イシヅカ:「色んな人がいますからねえ」

ケン・コヤマ副主任「我々も覚悟を決めておくべきだろう」

   静まり返るデータ室内。

   サヤカ・ハミルトンが手を挙げる。

サヤカ・ハミルトン「あ…じゃああたしが」


リュウスケ・アサダ主任「…いいのか?」

サヤカ・ハミルトン:「ええまあ…。皆さんに比べればダメージも少ないと思います。二度目ですし」

リュウスケ・アサダ主任:「任せる」

















シーン17:データ室(その7)

サヤカ・ハミルトン:「お待たせしました」


マーク・シュナイダー:「わあ、サーヤ綺麗…」


サヤカ・ハミルトン:「ありがと」

ケン・コヤマ副主任「主任、犠牲者が200人に到達しました」

リュウスケ・アサダ主任:「事故は起こってないか?」

ケン・コヤマ副主任「事故…とは?」

リュウスケ・アサダ主任:「その…怪我をしたりとかだ」

ケン・コヤマ副主任:「TSマシンでは人体に重なる様に服を出現させることは出来ません。事故の可能性は皆無です」

リュウスケ・アサダ主任:「しかし…体型矯正までやってるよな?」

マーク・シュナイダー:「そういうのは一旦出現させてから締めるんです」

リュウスケ・アサダ主任:「男でもか?」

マーク・シュナイダー:「勿論です」

ケン・コヤマ副主任:「では、次は私が…」

リュウスケ・アサダ主任:「…いいのか?」

ケン・コヤマ副主任:「私は前回TSマシンに入ってから5時間経ちます。上の者が率先して犠牲にならないとマズイでしょう。それに…」

リュウスケ・アサダ主任:「…それに?」

ケン・コヤマ副主任:「この中では私が最も長身です。それにも対応出来るのかの実験となるでしょう」

   そう言って歩いて行ってしまうケン・コヤマ副主任。

リュウスケ・アサダ主任:「ふむ…じゃあ二人とも作業に戻ってくれ」

サヤカ・ハミルトン&マーク・シュナイダー「はい」

リュウスケ・アサダ主任:「あー、ハミルトンくん」

サヤカ・ハミルトン:「はい?」

リュウスケ・アサダ主任:「一言聞いていいかね?」

   ドレスを撫で付けながら席に座るサヤカ・ハミルトン。

サヤカ・ハミルトン:「はい?」

リュウスケ・アサダ主任:「立ち入ったことではあるが…必要なことだ」

サヤカ・ハミルトン:「何でしょう?」


リュウスケ・アサダ主任:「その…ドレスの中身だがね…」

サヤカ・ハミルトン:「中身…」

リュウスケ・アサダ主任:「その…下着も女物なのかね…」

   質問の真意を図りかねたのか、しばらく黙っていたサヤカ・ハミルトンだが、すぐに微笑んで答える。

サヤカ・ハミルトン:「はい、そうなります」

リュウスケ・アサダ主任:「やはりそうか…。まあ、そうだよな…」

サヤカ・ハミルトン:「主任、お似合いになると思いますよ」

リュウスケ・アサダ主任:「君には適わんよ」

ケン・コヤマ副主任:「お待たせしました」

 そこには純白のウェディングドレスに身を包んだ長身の花嫁がいた。

 何故かめがねをしている。



 笑いをこらえているサヤカ・ハミルトン。

リュウスケ・アサダ主任:「お前…そのメガネは…?」

 こういうメイクになる際のメガネはコンタクトなどに換装されるか或いは無視されるはずである。


ケン・コヤマ副主任:「あらかじめ外しておいてまたつけました」

マーク・シュナイダー:「わー、副主任きれー」

 無邪気にスカートの後ろを掴んで持ち上げているマーク。

リュウスケ・アサダ主任:「どうやら予想通り身長にも対応するみたいですね

 何かしゃべっていないと気がすまない様子のケン。

ケン・コヤマ副主任:「では、私は仕事に戻りますので」

リュウスケ・アサダ主任:「うむ…何かと動きづらいと思うが頼むぞ」

マーク・シュナイダー:「じゃあ、次は僕ですね」

 そう言うが早いがTSマシンに向かっていた。

リュウスケ・アサダ主任:「やれやれ、遊びじゃないってのに…」

ケン・コヤマ副主任:「主任」

リュウスケ・アサダ主任:「どうした?」

ケン・コヤマ副主任:「見てください。ひどいもんです」

リュウスケ・アサダ主任:「何事だ」

ケン・コヤマ副主任:「完全にデータが上書きされてますよ。これじゃあ今の制服に復旧するのは難しいでしょう」

リュウスケ・アサダ主任:「地球ももうすぐなんだがな…せめて当たり障りの無い服装にはならんのか?」

ケン・コヤマ副主任:「作業の大変さと言う意味では「現状と違うものにする」作業と余り差はないですね。無論、バックアップの取ってある制服に復旧することに全力を尽くしますが」


リュウスケ・アサダ主任:「頼むぞ」

マーク・シュナイダー:「来ましたよーっ!」


マーク・シュナイダー:「ふーん、中身はこうなってるんだぁ…。あんまりすーすーしませんね」

サヤカ・ハミルトン:「こーらっ!駄目よそんなこと!はしたない!」

リュウスケ・アサダ主任:「…」

ケン・コヤマ副主任:「…とりあえずTSマシンが個人の身体に合わせてくれることは分かりました」

 アサダ主任が肩をすくめる。

ケン・コヤマ副主任:「この衣装には「子供用」サイズなどありませんから、これは機械の中で完全対応していると考えていいでしょう。最も身長の高い私にもきちんと合うようにしてくれましたからね」

リュウスケ・アサダ主任:「ありがたい考察だ。六時間以内に復旧する見込みは?」

ケン・コヤマ副主任:「正直申し上げて絶望的です。…お覚悟を」


















シーン18:ミカ・リクドウの部屋(その6)

ハヤト・タカハシ:「あーあ…どうすんだよこの有様…」

ミカ・リクドウ:だーから!あやまってんじゃんよ!」

ハヤト・タカハシ:「俺一人ならともかく…艦全体だろ…?今頃艦内は仮装パーティ状態だぜ」

ミカ・リクドウ:「そうねぇ…アシはついてないと思うんだけど…。」




















シーン19:艦内廊下


乗務員A「あ、すいません」

乗務員B「はい」

 すれ違おうにもスカート同士がぶつかってなかなか難しい。

乗務員C「おい!踏むなよ!」


















シーン20:艦橋(ブリッジ)(その4)

艦長:「…」



副艦長:「か、艦長…よくお似合いで」

艦長:「君もな」




























シーン20:データ室(その8)



ケン・コヤマ副主任:「主任」

リュウスケ・アサダ主任:「ん?」

ケン・コヤマ副主任:「大体出来ました」

リュウスケ・アサダ主任:「そうか」

ケン・コヤマ副主任:「えーとですね」




ケン・コヤマ副主任:「花嫁の立ち振る舞いの方法がライブラリーの中にありました。スカートの扱い方などが。他にもありますよ」

リュウスケ・アサダ主任:「よし、それじゃ配信しよう」

   ウェディングヴェールを掻き揚げ、イヤリングをちりり、と鳴らしてキーボードに向かう主任。

リュウスケ・アサダ主任:「結局…」

   紅い口紅の施された口を開いて言う主任。

リュウスケ・アサダ主任:「俺たちが出来たのはウェディングドレスでの動き方のコツを配信することだけか…」

ケン・コヤマ副主任:「…そうなりますね」

リュウスケ・アサダ主任:「このまま地球に付けば困ったことになるな」

   はっとする花嫁姿の一同。

リュウスケ・アサダ主任:「なーに」

   主任が得意気に言う。

「第一弾には同じ思いをしてもらうまでさ」


 字幕テロップ:「その後数日に渡って、艦内はウェディングドレスの花嫁で埋め尽くされたままだったのだった。

           尚、原因は今もって不明である。」





















シーン21:宇宙空間
















































































「バグ」END


































































「バグ」製作スタッフ



企画・監督・演出・脚本

真城 悠



真城の城:http://kayochan.com



キャラクターデザイン・メカデザイン・美術・背景・
その他作画全般

岩澄



B.D.O:http://www.geocities.co.jp/poteto1213/