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バグはまだあった

作・真城 悠
























シーン0:宇宙空間


 字幕テロップ:「時は
2045年。

          人類は巨大宇宙船を建造し、恒常的な宇宙航海を可能にしていた。」


















































































シーン1:艦橋(ブリッジ)(その1)

艦長:「…」


シーン2:艦内廊下(その1)

乗務員A「わあっ!…びっくりしたぁ」

乗務員B
「何だよ…」



乗務員A:「あ…すまねえ。どうも慣れなくて」

乗務員B:
「何言ってんだ。いい加減に慣れろよ」



シーン3:大広間


   ウェディングドレス姿のクルーの多くが集まっている。

乗務員C:
「おう」

乗務員D:
「お、おう」


乗務員C:「お前もか」

乗務員D:
「そういうお前もな」

   
口紅の引かれた口元を歪めて苦笑しあう新婦たち。

乗務員C:
「変なことになったな」

乗務員D:
「全くだ」

乗務員C:
「しかしまあ、殆ど仕事が終わってたのが不幸中の幸いだな」

乗務員D:「そりゃそうだ」

乗務員C:「それに…着なれてみるとこれもこれでいいもんだ」

乗務員D:「そうか?重いし、動きにくいし、いいこと何も無いぜ。大体下着まで女物じゃねえか…窮屈でかなわん」

乗務員C:「変な話、少しじっとしてるとこんな非常識な格好をしてることなんか忘れちまうからな。それで他人をみると「ドキッ!」とするって言う…(苦笑)」

乗務員D:「ああ。そうそう。それはあるな。俺もしばらくぶりに鏡見て心臓止まりそうになったぜ」

乗務員C:「まあ、こうして話してる限り、相手の姿格好が嫌でも目に入ってくるから」

   と、しゅるっ!とスカートをつっついてくる。

乗務員C:「忘れることは無いがね」



乗務員E:「(OFF)きゃー!可愛いーっ!」

乗務員F:
「うわっ!見、みるなっ!」

   乗務員Fが顔を隠すそぶりをする。




事務員G:「だーめ」

   と言ってその手にむしゃぶりついてくる“本物”(?)の花嫁たち。


シーン4:ミカ・リクドウの部屋(その1)

ハヤト・タカハシ:「何とかなりそうか?」

ミカ・リクドウ:「そうねえ…一応きっかけくらいは掴めそうになってきたんだけど…」

ハヤト・タカハシ:「ホントか!?」

ミカ・リクドウ:「でも…」

ハヤト・タカハシ:「何だ?」

ミカ・リクドウ:「可愛いわね。あんた」

 にっこり笑う女。純白のウェディングドレスがよく似合っている。

ハヤト・タカハシ:「な、何を言ってんだ!早くしろよ!」

 恥ずかしそうに慌てる男。こちらには純白のウェディングドレスは…そこそこ似合っていた。

ミカ・リクドウ:「それにしてもまあ…」

ハヤト・タカハシ:「何だ?」

 真剣な表情に戻る男。花嫁姿ではそのクールさも滑稽でしか無いのだが。

ミカ・リクドウ:「あたしの持ってきたしゃれのデータが全部マスターに食われてんのよねー」

ハヤト・タカハシ:「ん?それはつまり?」

ミカ・リクドウ:「このデータの全てを避けて復旧するのは手間だってこと」


シーン5:データ室(その1)

リュウスケ・アサダ主任:「結局、元のデータは破壊されているのか?」

ケン・コヤマ副主任:「良く分からないんですよ」

サヤカ・ハミルトン:「楽観は出来ないと思います。きっと元の制服、作業服の復旧は絶望的だと思います」

リュウスケ・アサダ主任:「ふむ…」

ケン・コヤマ副主任:「下手にいじくりまわせばそれこそ全システムがダウンしかねないですからね。あと数日我慢しますか」

チャン・イシヅカ:
「こんなアイデアはどうでしょう?」

リュウスケ・アサダ主任:「何だ」

チャン・イシヅカ:
「クルーにはその道の専門家も多いですから、いっそ復旧できる自信のある人間を募集するってのは」

リュウスケ・アサダ主任:「「中でも一番優秀なのがお前らじゃないのか」

チャン・イシヅカ:「しかし…今マスターは殆ど裸なんですよ」

リュウスケ・アサダ主任:「何だと?」

チャン・イシヅカ:「アクセス自体はし放題です。もっともそれで何がどうなるって訳でもないんですけど…」

ケン・コヤマ副主任:
「それは全端末の使用禁止を言い渡さないと危険なのでは?」

リュウスケ・アサダ主任「いや、それこそ不可能だ。生活そのものが出来んそれにしてもマスターが裸ってのはどういうことだ?」

チャン・イシヅカ:「個々の端末からは一方通行だったんですよ。間接的に繋がってはいたんですが、簡単なリクエスト(注文)程度は受け付けても本質的な「操作」なんかは不可能…だったんです」

リュウスケ・アサダ主任:「「“だった”とは?」

ケン・コヤマ副主任:「最初の“これ”」

 自らのドレスを指すケン。

ケン・コヤマ副主任:「も、結局は個々の端末から侵入してますからね。…無責任な言い方ですが、構造・設計上の欠陥があったんでしょう」

 イヤリングを震わせて首をふる主任。

リュウスケ・アサダ主任:「話しにならんな…」



シーン6:ミカ・リクドウの部屋(その2)

ミカ・リクドウ:「や〜っぱりあったわ」

ハヤト・タカハシ:「何が?」

ミカ・リクドウ:「だから言ったでしょ?あたしの趣味のデータ」

ハヤト・タカハシ:「…これがか?」

ミカ・リクドウ:「うん」

ハヤト・タカハシ:「男みてえな趣味だな」

ミカ・リクドウ:「そう?あたしって可愛い女の子好きなの」

ハヤト・タカハシ:「自分で着るのもか?」

ミカ・リクドウ:「うん」

ハヤト・タカハシ:「それはいいから早く復旧しなよ」

ミカ・リクドウ:「そう?…もっと見てたいんだけど…」

 とハヤトのドレスを見つめてくる。

ハヤト・タカハシ:「冗談じゃない!早くしろよ!」

ミカ・リクドウ:「あー、はいはい」



シーン7:データ室(その2)


チャン・イシヅカ:「…ん?」

 異常に気付くスタッフ。

サヤカ・ハミルトン:「来ました!ハッカーです!」

ケン・コヤマ副主任:
「来たか!」

チャン・イシヅカ:
「畜生…追い詰めてやる」

ケン・コヤマ副主任:「主任は?」

チャン・イシヅカ:
「トイレに行ってる」

 …全員が顔を見合わせた。



シーン8:男子トイレ

 溢れるようなスカートをめくりあげ、パンティを下ろして小用を足している主任。

リュウスケ・アサダ主任:「ふう」

 すっかり用を足し終えると、パンティを引き上げ、ドレスのスカートを持ち上げていた手を離す。

 ふぁさ…と重力に従って落下するスカート。

マーク・シュナイダー:「主任!大変です!」

 びくっ!とそちらの方を向く主任。

リュウスケ・アサダ主任:「どうした!?」

マーク・シュナイダー:「ハッカーが再び侵入!」

リュウスケ・アサダ主任:「何!?」

マーク・シュナイダー:
「今、出所を探っています!早く来て下さい!」

 主任は走り始めた。ドレスのスカートを両手で抱え込む様にした“お嫁さん走り”で…。


シーン9:ミカ・リクドウの部屋(その3)

ハヤト・タカハシ:「これで確かに戻るんだろうな?」

ミカ・リクドウ:「元のデータがどっか行っちゃってるから、あたしのうろ覚えで復元するけどね」

ハヤト・タカハシ:「大丈夫なんだろうな?」

ミカ・リクドウ:「あたしIQ190の秀才だよ。記憶力だってそれなりのもんなんだから。うろ覚えったってかなりのところまで再現できるってば」

ハヤト・タカハシ:「おい…この表示何だ?」

ミカ・リクドウ:「…やっば…つけられてる」



シーン10:データ室(その3)

リュウスケ・アサダ主任:「どうだ!」

 “遅れてきた花嫁”が駆け込んで来る。

チャン・イシヅカ:
「しっかり追尾しています。やはり内部でした」

リュウスケ・アサダ主任:「出所は?」

サヤカ・ハミルトン:「もうすぐ分かります」

 主任が不審そうに言う。

リュウスケ・アサダ主任:「…こいつは何をしようとしてるんだ?」

ケン・コヤマ副主任:「新たなデータの改ざんでは?」

リュウスケ・アサダ主任:「さっき“内部”って言ったな」

チャン・イシヅカ:
「はい。確かに」

リュウスケ・アサダ主任:「じゃあ、こいつも“被害”は受けてるってことか」

 顔を見合わせる花嫁たち。

チャン・イシヅカ:
「そう…ですね」

リュウスケ・アサダ主任:「もしかして復旧しようとしてるんじゃないのか?」

ケン・コヤマ副主任:「何故?」

リュウスケ・アサダ主任:「要は事故なんじゃねえのかって言ってるんだ」

 戸惑う一同。


チャン・イシヅカ:「つまりどういうことなんです?」

リュウスケ・アサダ主任:「追尾打ち切れ」

ケン・コヤマ副主任:
「どうして!?」

リュウスケ・アサダ主任:「復旧してくれるかも知れんのだ!邪魔をするな!」

チャン・イシヅカ:「出来ません!」

リュウスケ・アサダ主任:「やれ!命令だ!」

チャン・イシヅカ:「もっと最悪な書き換えをやられるかもしれません」

リュウスケ・アサダ主任:「内部からなら生命に乗員の生命に危険が及ぶ様な操作はせん!どうせ命に別状が無いんなら可能性に掛けろ!」



シーン11:ミカ・リクドウの部屋(その4)

ミカ・リクドウ:「やばいってやばいって!アシをつかまれるよぉ!」

ハヤト・タカハシ:
「早く逃げろ!」

ミカ・リクドウ:「でも今逃げたら…もう!ほっといてよぉ!」



シーン12:データ室(その4)

チャン・イシヅカ:「出来ません!どうせ内部にいるんならこの機会にとッ捕まえて直接復旧させればいいんです!」

リュウスケ・アサダ主任:「いいから切れ!命令だ!」

チャン・イシヅカ:
「補足します!」


シーン13:ミカ・リクドウの部屋(その5)

 キーボードに突っ伏している女。

ハヤト・タカハシ:「…で?どうだったんだ?」

 ウェディングドレス姿で心配そうに聞くハヤト。

 ばっ!と身体を起こすミカ。

ミカ・リクドウ:「逃げられたよ。どうにか…でも」

ハヤト・タカハシ:「でも…何だ?」

ミカ・リクドウ:「作業中…だったんだよね…」

ハヤト・タカハシ:「作業って復旧のだよな?」

ミカ・リクドウ:「うん」

ハヤト・タカハシ:「じゃあ…またこの格好のまま…?」

 小さく首を振るミカ。

ミカ・リクドウ:「…その方がマシかも」


シーン14:データ室(その5)

チャン・イシヅカ:「逃げられました」

リュウスケ・アサダ主任:「くそっ!」

 花嫁にあるまじき暴言と共にハイヒールでドレス越しにものを蹴り上げる主任。

リュウスケ・アサダ主任:「じゃあ、どうなったんだよ?データは?」

 花嫁の集団は画面に映し出された映像にまさに釘付けになっていた。

リュウスケ・アサダ主任:「これは…確かか?」

サヤカ・ハミルトン:
「は…はい…」

 どすん、とその場に座り込む主任。完全に放心していた。



シーン15:艦橋(ブリッジ)(その2)

副長:「艦長」

艦長:
「何かね?」

副長:
「データ室からです」

艦長:
「良い知らせかな?」

副長
「いや…それが…」


シーン16:データ室(その6)

サヤカ・ハミルトン「あ…じゃああたしが」

 サヤカが挙手をする。

サヤカ・ハミルトン:「一応女なので…」

リュウスケ・アサダ主任:「…頼むわ」


 1分後。

 カツ、コツと固い床を鳴らす音が響いた。



サヤカ・ハミルトン「あ…あの…お待たせしました…」

 バニーガールの妖艶な衣装に身を包んだサヤカ・ハミルトンがそこにはいた。



マーク・シュナイダー:「わー、サーヤきれー!」

 マークが喜んでいる。

リュウスケ・アサダ主任:「あー、ハミルトンくん。ちょっとこっちにいいかね」

サヤカ・ハミルトン:「はい」

 部屋の隅のほうに座り込む二人。

リュウスケ・アサダ主任:「その…どうなのかね。何と言うかその…」

サヤカ・ハミルトン:「何でしょう?この衣装ですか?」

リュウスケ・アサダ主任:「まあそうだ」

サヤカ・ハミルトン:「そうですね…。下に肌色ストッキングを履いてますので思ったほど寒くは無いです。胸から上は裸ですけど空調は効いてますし。ただ…。」

リュウスケ・アサダ主任:「ただ…?」

サヤカ・ハミルトン:「その…TSマシンのお陰で無駄毛も処理されますけど…やっぱりちょっと恥ずかしいですね」

リュウスケ・アサダ主任:「お前なあ…確かに恥ずかしいかも知れんが…」

サヤカ・ハミルトン:「はあ…」

リュウスケ・アサダ主任:「お前がどれだけ恥ずかしいか知らんが、俺たちの方が100倍は恥ずかしいぞ!」

サヤカ・ハミルトン:「…そうですね。失礼しました」



マーク・シュナイダー「わー!ケン!せくしぃー!」

 ケン・コヤマ副主任が既にTSマシンから出て来たところだった。

リュウスケ・アサダ主任:「…何をやっとるんだ」

ケン・コヤマ副主任:「いえ、どうせなら早い方がいいかと」



ケン・コヤマ副主任:「それよりも主任、いいニュースです」

リュウスケ・アサダ主任:「何だ?」

ケン・コヤマ副主任:「男性の場合は下腹部にサポーターが装着されないと危ないかと思ってたんですが、ストッキングが分厚いので問題ないですね」

リュウスケ・アサダ主任:「そうか。最高だな」

 半ばヤケクソになっている主任。

マーク・シュナイダー:「出来ましたよ〜」

 ふと主任が振り向くとそこには、子供サイズに調整されたバニーガールの衣装に身を包んだマーク・シュナイダーがいた。



マーク・シュナイダー:「おお〜、何か気分が引き締まりますね〜」



シーン17:ミカ・リクドウの部屋(その6)


 ベッドに座り込んでいるハヤト。バニーガールの衣装は勿論、イヤリングやメイクもまぶしい。

ミカ・リクドウ:「大丈夫?」

ハヤト・タカハシ:「大丈夫じゃねえよ…全く」

ミカ・リクドウ:「でもハイヒールなのは一緒じゃない」

ハヤト・タカハシ:「まあ…そうだけどさ」

 
シーン17:艦内廊下(その2)


 一般兵の集合しているサロン。

乗務員H:「よう」

乗務員I:
「よう」



乗務員H:「お前もだな」

乗務員I:
「そりゃな」

乗務員H:「しかしまあ…こう続くと殆ど嫌がらせだな」

乗務員I:「俺はもう怒る気も失せたよ」

乗務員H:「地球に帰ったら名誉毀損で起訴されるんじゃないのか?」

乗務員I:「何の名誉だよ?」

乗務員H:「肖像権…違うな。望まない服を着せられたとか言えば」

乗務員I:「一般兵が軍上層部をか?無理だな。そもそも艦長始め全員が“被害”に遭ってるはずだ」

乗務員H:「想像したくねえな」

 お互いの姿を見合わせてため息をつく一般兵。

 


シーン18:艦橋(ブリッジ)(その3)


副長:「か、艦長…よくお似合いで…」



艦長:「副長…君もな」

副長:「はい」


シーン19:データ室(その7)


 自らのマニキュアの塗られた手を見ている主任。



ケン・コヤマ副主任:「主任」

リュウスケ・アサダ主任:「ん?」

ケン・コヤマ副主任:「今度は見つからないですね」

リュウスケ・アサダ主任:「何が」

ケン・コヤマ副主任:「いや…この格好での立ち居振舞いのマニュアルというか…」

リュウスケ・アサダ主任:「言うな」



 濃い青色のアイシャドウに真紅の口紅を施されたバニーガール姿の主任がふてくされて言った。

 切れあがったハイレグに網タイツが痛々しく、黒々としたハイヒールが不気味なほどいやらしい。

 体型も露なバニーガール達が真紅のマニキュアの塗られた付け爪に悪戦苦闘しながらキーボードを叩いている光景は、何かを間違った風俗店の様な有様であった。




















「バグはまだあった」end.

































































「バグ」製作スタッフ



企画・監督・演出・脚本

真城 悠



真城の城:http://kayochan.com



キャラクターデザイン・メカデザイン・美術・背景・
その他作画全般

岩澄



B.D.O:http://www.geocities.co.jp/poteto1213/