こんにちは。初めまして。私は真城華代と申します。
最近は本当に心の寂しい人ばかり。そんなみなさんの為に私は活動しています。まだまだ未熟ですけれども、たまたま私が通りかかりましたとき、お悩みなどございましたら是非ともお申し付け下さい。私に出来る範囲で依頼人の方のお悩みを露散させてご覧に入れましょう。どうぞお気軽にお申し付け下さいませ。
報酬ですか?いえ、お金は頂いておりません。お客様が満足頂ければ、それが何よりの報酬でございます。
さて、今回のお客様は…。
その青年たちは物も言わずに物色を続けていた。
彼らが目指す棚には、色鮮やかなジャケット並び、目の大きな“美少女”たちが妖艶を競っている。
「おにいちゃん!」
「・・・ん?」
そこにはなかなかおしゃれな、小学校低学年くらいの可愛らしい女の子がいた。
なんだかハァハァし始めているみたいだが・・・とにかく女の子は話を続けた。
「何か困ってる事は無い?」
あたりをきょろきょろしている青年。・・・いや、“青年”というには老成しているというか生気が感じられないというか・・・。
と、しきりに店内のお客の1人に向かっておいでおいでをしている。
「お、おい!こっち来て見ろよ!」
なんか仲間を呼んでいるらしい。
「も、もう一度言ってくれる?」
なんだか妙なことになって来たわね、という表情をしている少女だったが、めげずに繰り返す。
「あ、あのー・・・何かお悩みがあれば解決して差し上げます」
顔を見合わせてニヤニヤしている男2人。うーん。
「はいこれ」
ポシェットから名刺を取り出す。
「お、どれどれ」
気前良く二枚出してくれた名刺を取る男ども。
「ココロとカラダの悩み、お受けいたします 真城 華代」
とある。
「何でも聞いてもらえるんだ?」
「ええ・・・そうですね」
ぎこちない笑顔になる少女。いや、華代。
「じゃあ・・・お兄さんの家に一緒に・・・」
と言いかける相方を押しのける肥えた方。
「その・・・ガールフレンドが欲しいんだけど」
「はいはい。ガールフレンドね」
「そうだな・・・15〜16歳くらいで・・・メイドさんなんか最高だねえ・・・」
「ふーん・・・なるほどなるほど」
その美味しそうな会話に、フロア中の客が集まってくる。
「あ、あの・・・僕は・・・ウェイトレスさんが・・・」
「俺はメイドさんだっ!」
何の会話なのか分かっていない様な飛び入り組も含めて段々と収集が付かなくなって来た。
時刻は4時30分。休日としてはかなり込み合う時間帯であろう。
「あ〜!もお!ちょっと待ってよお!」
しかし、人が人を呼び、このフロアは大変な混雑になってしまっていた。
「もお!分かったわ!じゃあみんな1度に叶えてあげる!多数決でメイドさんね!」
「・・・?」
この騒ぎをフロアの入り口で遠巻きに眺めていた青年の1人が身体に異変を感じた。
「おい・・・どうしたんだ?」
「いやその・・・何か・・・身体が・・・」
と、しゅしゅしゅっと身長が縮んでいくでは無いか!
「わあっ!」
「あああっ!お、お前・・・」
髪がぐぐぐっ!と伸び、胸が、お尻が膨らんでくる。だが見守っている相方もすぐに同じ運命を辿ったのだった。
「ああっ!お、お前・・・も」
着ているアニメキャラのプリントTシャツは黒い厚手の生地になり、胴体には白いエプロンが施され、足元が大きく広がってスカートになる。
「こ、これ・・・って」
スカートの裾から覗く清楚な白い下着の縁・・・そして頭の上にちょこんと乗る髪飾り・・・。
このビルにいた人間は、お客も店員も、清掃していたおじさんも通りすがりの営業マンも1人残らず15〜16歳程度のメイド少女に変わってしまったのだった・・・。
いやー、今度はびっくりしちゃいました。やっぱり若い人が沢山いるところは危ないですねー。まあでもみんなの願いをいっぺんに適えてあげたんだからね!
いい事をした後は気持ちがいいわ。
今度はもうちょっと人気の無いところに行きましょう!なんちゃって。
それじゃまた!
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