『華代ちゃんシリーズ「腰痛」』

作・まぼさん
「華代ちゃん」シリーズの詳細については、以下の公式ページを参照して下さい。
http://www.geocities.co.jp/Playtown/7073/kayo_chan00.html




こんにちは、初めまして。
私は真城 華代と申します。

まだまだ、未熟ですけれども、
たまたま私が通り掛かりました時、
お悩み等ございましたら、是非とも、
お申し込み下さい。

私に出来る範囲で、ご依頼の方の
お悩みを解決させて差し上げましょう。

どうぞ、お気軽に お申し付け下さいませ。

さて、今回の お客様は…。


ある街の公園、入口に近いベンチに
一人の若い女性が横たわっていた…。

女性の名は、相原 雅(あいはら みやび)。

今朝、腰に痛みが走り目覚めた…。

幸い酷い痛みでは無いので、何とか痛みを堪えながら
仕度し出勤したが、勤める図書館で痛みを悪化させ、
早退し勤め先に近い整形外科へ行ったのだが、
休診日だったのだ…。

他を探す気力が無く、整形外科の前に有る公園で
休んでいたのだ…。

「お姉ちゃん」

「いっ…痛…ぃ」
雅は突然に声を掛けられ、
驚いた拍子に腰を浮かせてしまった…。

「ビックリした?ごめんなさい、
大丈夫?何処か悪いの…?顔が青いよ」

何事かと思ったが、声を掛けてきたのが
小さな女の子と知って少し安堵する雅…。

「ううん…大丈夫、チョッと腰が痛いの」
本当は、チョッと ところでは無いが…。

「何か…用なの?」と、
何とか痛みを堪えながら…聞いた。

「はい、どうぞ」
と言って、小さな紙を渡してくる女の子。

「ん…?」
腰が痛いので寝ながら受け取る。

それには、
「ココロとカラダの悩み、お受け致します。
真城 華代」と刷ってある…。

「これは…何?」

「名刺です。
お悩みが有りましたら、何でも適えて差し上げます。
何か無いですか?」

「そうねぇ…」

痛みを堪えながら、雅は考え込む…。

「ちょっと、思い付かないわ…」

「そうですか…、何でも良いのですが…」

「まあ…、何も無い訳じゃ無いけど…」

「何ですか?」

雅は苦笑しながら、「実は…」

「はい?」

「実は、前に有る整形外科へ腰を診せに来たのだけど、
休みだったの…」と言って腰を擦る雅。

「凄く、悪いんですか?」

「そう、他に行く気力が無く休んでたの…」

「それは、大変ですね…」

「休んだらチョッとは痛みが治まって来たけれど…、
この近くに他はチョッと顔が怖い男の人の治療院しか
無くて、行くのに気が進まないの…」

「そうですか、分りました!
大丈夫、直ぐ行きましょう!付き添います♪」
と華代は微笑み手を悠の方に差し出す。

(!……何が大丈夫なの…?まぁ、仕方が無いか、
また痛み増したら、やだしぃ…)
そう思った雅は痛みを堪えながら華代の肩に手を添え、
公園を出て治療院に向かった…。
 
数分後、『深野 治療院』と玄関の脇に
看板が有る一軒の家に着く。

自宅を改装しマッサージの他、鍼や灸も行っている。

「今日は…」
雅は戸を開けながら、恐る恐る声を掛けた。

「はい…」
治療室の方から、野太い声で返事しながら男が出てきた。

男の名は、‘深野 雄太(ふかの ゆうた),…
身長は180cm弱で筋肉質の小太り、
丸坊主の四角い顔に無精ひげ、細い目に
メタルの眼鏡を掛けている。

額には汗止め用ヘア・バンド、木綿のズボンにサンダル、
上は白衣の前はボタンを閉めず中はTシャツだけ…。

これじゃ…、雅で無くても気が引ける…。
 
雅は勇気を出して恐る恐る、
「あのぅ…、すみません。
今朝、起きたら腰が痛くなって…それでも立ち上がれるし
歩けるので出勤したのですが、勤務中に痛みが増したので
近くのK整形に行ったのですが、あいにく休診で…」

そこまで雅が云うと、華代も恐る恐る…
「その、K整形の前の公園で寝てた…お姉ちゃん を
見つけて、私が付き添って来たんです…」

「ん…?アンタは妹?」
と、雄太は華代に聞いた。

「いぇ、家族じゃ無くて…たまたま通り掛ったんです」

「そう…じゃ、治療室に入って…」
雄太に続いて、2人は治療室に入る。

「そこに俯けで寝て」
と、足の低いベットを指差した…。

雅は指示に従い、そろりそろり…とベットに上り寝た…。

雅がベットに寝るのを見届けると、雄太はベットの脚下に有る
ペダルを踏む。
すると、脚が伸び始め…ベットは音も無く揺れもせず上昇し、
やがて…雄太の腰より少し低い位置で停止した…。

そこに、「チョッと待って下さい!
今、何とかしますね♪」と、弾む様に云う華代。

(何するの…?)と俯けの状態で訝る雅。
 
「……………?」怪訝な顔で無言の雄太。
すると…雄太の姿は縮み、その姿を変えていく。

「…!?」
雄太の逞しい身体が、見る見る内に小さく縮んでいく。
盛り上がった、その筋肉で押し上げられていた白衣が、
ぶかぶかに小さくなっていく。
身長も少しずつ、少しずつ小さくなる。

「な…何だ…?」固まる雄太。

「あ、ああ…」
丸坊主の髪が、すすす……と伸びてくる。

(いったい、どうしたの…?)
雅は声の方を向きたいのだが、腰が痛く向け無い…。

「!!!」胸が胸が…むず痒く先端が痛い、
反射的に、自分の胸を掌で押さえる雄太。

「な…、何だ?何が…どうしたんだ?」
その掌の下で、むくむくと成長してくる乳房…。

「あひっ!」
ぱっ!と手を離された、それが…ぷるん!と震える。

「あぁ…!」
もう子供が大人の服を着ている様だ。
 
髭が抜け落ち、ゴツゴツした顔が滑らかになり、
角張っていた顎が柔らかく丸みを帯びて変わって行く、
細かった目は、切れ長で黒目がち…メタルの眼鏡は…、
黒いプラスチックのフレームに変わった。

「あぁ…、ああぁ…」
野太い声も、だんだん高くなり、
のど仏も萎む様に消え柔らかい女性に変わった…。

変化は止まらない、臀部が張り出してくると同時に、
脚が内股に曲がって行き腰も括れ引き締まって行く。

無骨なの手が、細く…柔らかく変わって行く。

「何が一体…、どうしたんだ…?」

その声は、心地よい可愛い声であった。
 
雅は、痛みを堪えながら身体を横向きにし、
何とか顔だけ雄太の方へ向けた…。

「……!?」
(な…どぅ…なったの…?)
雅は、雄太の変身を見て言葉を発する事が出来なかった…。

変化が次の段階に入った。

白衣が、その身体のサイズに合わせて小さく縮み始める。

「あ…、あぁ…!」
Tシャツは面積を萎めスポーツ用ブラに変わり胸を包み、
男のシンボルが、萎む様に消え代わりに女性のシンボルが、
出来て行く…。

「ひゃっ…!」思わず、股を押さえる雄太…。

ズボンの2本のトンネルは膝の上まで短くなり、
キュロットスカートに変わり、ブリーフはスポーツ用の
ショーツに変わった…。

前が開いていた白衣はボタンがファスナーに変わり、
襟から2〜3cm開いて閉まり、脛毛は抜け落ち…
滑らかになった素脚には、サンダルが履かされる。

「あぁ…、そんな…」

さらさらに長くなった髪はポニーテールに纏められ、
タオル地のヘア・バンドはバンダナに変わる…。

「い、いや…いやだぁ…」
身長が180cm弱で30才の雄太は、
チョッとズレ落ち気味に眼鏡を掛けた…
身長が150cm位で20才半位の、
大人しそうな女の子に成ってしまい、
壁に掛かった資格証の名も何時の間にか、
‘深野 優菜(ふかの ゆうな),に変わっている…。

「あぁ、そんな…」優菜(雄太)は、放心してしまう。
 
そこに、「これで悩みも解消!ですね。
それでは♪」と華代が立ち去ろうとする、
「チョッと待って、何が…どうなったの?」
「はっ!」と、雅の引き止める声で、
優菜(雄太)は我に返った…。

「もう、大丈夫ですよ♪
さぁ、普段と同じ様に治療して下さい!」と華代に
促され、優菜(雄太)は「では…、始めます?」と雅へ
声を掛ける。

普段は、無愛想に声を掛ける為それが雅に嫌われる一因なのだ
が…
(か、顔が…勝手に笑顔に…)ニコヤカに声を掛ける…。

「はい…じゃ、お願いします…」と、雅も戸惑いながら…
答える。

「私は、これで…」と華代は消える様に立ち去った…。

「まず、痛い所に始め鍼を打って、
次に…お灸しましょうか?」と雅に訊いた。

優菜(雄太)は普段の通りに云ったつもりだが、
雄太の野太い声とは違い…優菜の柔らかい声で訊かれるのでは

優しく訊いてる様に感じるのは明らかだ。

「はい…」
鍼を打った後、お灸を据え…マッサージを受ける…。

雄太の時に受けた無骨な手で受けたマッサージは、
ゴツゴツ感で嫌だった…。

だが、今…優菜に変わった柔らかい手でマッサージ受けている
と…
雅は、だんだん…まどろんで来た…。

(気持ち良ぃ…このまま…寝てしまいそぅ…)
 
「終わりましたよ…」

(……!?やだぁ…本当に寝ちゃったぁ…
でも、少し楽になったゎ…)

治療ベットから降り、改めて優菜(雄太)を見た…。

無口で愛想が無く薄気味悪い雄太に比べ…
優菜はどちらかと云うと、大人しい雰囲気で
親しみを感じる。
まぁ…異性から同性に変わっただけでも親しみを感じるが…

雄太は、元々が無口で感情を表すのが苦手だった、
性格は優菜に変わっても変わらない…ただ、表情が
柔和になり優しげに見える…。

雅は思わず優菜を見つめてしまった、
優菜は頬を赤く染めながら…チョッと上目遣いに見返した。

雄太の時に、この様な表情をしたら…
憤慨して睨み付けていると感じたのだろうが、
優菜の今は…照れている様に感じられる…。
 
雅は優菜に
「何か…さっきと違い穏やかな表情ですねぇ…」

(そう?自分では変わって無いと思うけど…)
「そうですか?自分では変わって無いと思いますが…」
思っている事と違う事を、口が勝手に喋る…

口調も雄太の時より、ゆったり感じる様だ…

「先生」

(先生じゃ堅苦しいから、深野で良いよ)
「先生では堅苦しいから、深野…いえ…優菜で良いです」

「じゃ…優菜さん、あの変身する前…男性の時?より、
表情や口調が優しく感じます…」

「そう…ですか…」
優菜は、鏡の前に行って改めて自分の姿を見た。
 
(これが…俺…?)
「これが…私…?」
そこには、チョッと頬を染め照れた様に立つ25才位の
小柄な女性が映っていた…。
 






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