TS関係のオススメ本01-07


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真城 悠


シュヴァリエ(2005年〜・冲方 丁 ・夢路 キリコ・講談社)

シュヴァリエ(1) (マガジンZKC)
シュヴァリエ(1) (マガジンZKC)

シュヴァリエ(2) (マガジンZKC)
シュヴァリエ(2) (マガジンZKC)

シュヴァリエ(3) (マガジンZKC)
シュヴァリエ(3) (マガジンZKC)

シュヴァリエ(4) (マガジンZKC)
シュヴァリエ(4) (マガジンZKC)

シュヴァリエ(5) (マガジンZKC)
シュヴァリエ(5) (マガジンZKC)

シュヴァリエ(6) (マガジンZKC)
シュヴァリエ(6) (マガジンZKC)

シュヴァリエ(7) (マガジンZKC)
シュヴァリエ(7) (マガジンZKC)

シュヴァリエ(8) <完> (マガジンZKC)
シュヴァリエ(8) <完> (マガジンZKC)

 SFの世界には
「SFってのは絵だねえ」という名言があります(^^。

 わが国のSFがちょっと異様なくらいビジュアル重視の方針を取っていたことは有名で、昨日紹介したハインラインの「宇宙の戦士」(スターシップ・トゥルーパーズ)の「挿絵」から、かの「機動戦士ガンダム」の
「モビルスーツ」が発想されたのは有名な話です。

 何しろ世界で唯一SF小説の内容についての問い合わせではなくて「どんな表紙にしたらいいだろうか?」という問い合わせが出版社からあった、なんて逸話もあるそうで、今のライトノベル路線もこの延長であると言えるでしょう(^^。
 勿論、この「SFとは絵である」というのはパッケージアートだけの話ではなく、「ビジュアルが浮かぶ様な見事な描写・展開」のことをも指していると解するべきでしょう。

 そういうことならばこちらも言ってしまいましょう
「TSとは絵である」と!
 今回紹介するこのレビューでは初の漫画である「シュヴァリエ」もそんな作品。
 簡単に言うと中世のヨーロッパを舞台にした「仮面ライダー」だと思えば大体間違いないです。はい。治安を乱す謎の怪物による猟奇殺人事件多発!出動だっ!
 一番違うのは「変身後の姿」が
ヒーローではなくて、豪奢なドレス姿の美女であるというところでしょうか…って違いすぎ!
 表紙の美女がそうで、下に掲載したうだつのあがらなそうな駄目社員みたいなのが変身するってのも定番ですね(^^。

 変身後の姿は今は「さまよえる魂」となった
「姉」の姿
 何しろ物理的に服まで変身する訳では無いので、「着替え」なくてはなりません。要は
「女装」することになるんですが、これがなまめかしいこと!

Σ(゜Д゜)!!セ、セクシィ…

 この「変身」が純粋に肉体まで女性に変わるのか、「女装完了」した瞬間に魂だけが降りてくるのかは漫画を読んでいるだけではよく分からないのですが、まあ
肉体まで変わっていると考えて間違いないでしょう。
 ところが、どう見ても「着替えている」のは
その前

 つまり、このお兄ちゃんは
人気の無い隠し部屋にこそこそ入り込んで一人でドレスに着替えた後「降霊」させることになります。う〜ん(*^^*。

 それにしてもこのくびれたウェスト!可憐な足首もまぶしいハイヒール!このコルセットのボンデージ感覚はどうですか!
女装シーンで「ギシッ!」なんて擬音はそう聞けたもんではありません。

 正に「絵」の威力を存分に見せ付けた
独創的な変身(?)シーンであると言えるでしょう。

 何度も書きますが、この頃「男の子が魔女っ子の役目を強制的に担わされる」といった物語も増えてきたんですが、
「女の身体になってからの着替え」シーンを丹念に描写する例は余りありません。その意味ではかなり画期的ですね(^^;;。

 その後人格まで変わってしまうので、その意味では「性転換にうろたえる」といった描写は確かに無いです。とはいえ、主人公も「あ、これから姉さん降りてくる(降りてくるタイミングは自分でコントロール出来ない)から、そろそろ着替えとかなきゃ」と
自分の境遇を完全に受け入れている模様。最初は嫌だったろうなあ…と想像するのがベテランTSファンですね(えー。

 ストーリー展開は
正直難解で、膨大な情報量と伏線によって展開しているであろう展開は一生懸命読んでも付いていくのがやっと。ここはひたすら「ビジュアルショック」を見せ付けたその演出に拍手!ですね。

 変身シーンは回を重ねるにつれて当然省略されていくのですが、その分お色気をアクション部分に盛り込み始めて、派手な立ち回りの際に思いっきり
スカートがめくれてガーターベルトの金具とかを見せ付ける様になっていたりします。こりゃ明らかに狙ってますよね。

 そんなこんなで、個人的にはそのビジュアルに魅せられっぱなしでかなり評価高いんですよ。TS的に(^^。

 ちなみに同原作者による小説版もありまして、こちらには本当の(?)女装シーンもちゃんとあります。従者くんがその美しさに驚いて…という展開は定番ながらいいもんですな(爆)。

 ちなみに、恐らくはイメージモデルとなったであろう「女装の剣士(にして外交官)」は実在しておりまして、ちゃんと歴史上に名前も残っています。こんな漫画みたいな話ってあるの?とも思うんですけどあるんですよねえ。興味が沸いた方はこちらもどうぞ(^^。

女装の剣士シュヴァリエ・デオンの生涯 (2006.11.12.Sun.)
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ブログ「真城の居間
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