TS関係のオススメ本01-08
*アップロードする際に在庫を確認してから行ってはいますが、なにぶん古い本が多い為、時間が経過することで在庫切れになる場合もございますのでご了承下さい。 真城 悠 |
「ファイナルジェンダー―神々の翼に乗って」 (1999年・ジェイムズ・アラン・ガードナー・早川書房) |
ファイナルジェンダー―神々の翼に乗って〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) ファイナルジェンダー―神々の翼に乗って〈下〉 (ハヤカワ文庫SF) |
SFとTSの親和性が高いって話をこの間しましたけど、「定期的に性別を転換する種族」とか「両性具有の種族」が登場するSFってのは結構あります。 例えば、この頃は「ゲド戦記」の方が有名になってしまったアーシュラ・K・ル・グィンの「闇の左手」(…ってまだ新品売ってるんだΣ(゜Д゜)!)なんかがお馴染みです。 また、ある年齢までは中性だけれども、思春期に至ってどちらかの性を選択するというパターンでは萩尾望都先生の「11人いる!」がありますね。 この「ファイナルジェンダー―神々の翼に乗って」はパターンとしては前者になります。それにしても本当にスゴいタイトルだな…。ちなみに原題はまるで違います。「接触の時」くらいの感じでしょうか?ま、確かにこれじゃ何のことやら分からんけど…。 ストーリーは以下の通り。 「神々の手によって毎年、性転換が行なわれるトバー入江。人々は20歳で『最終性選択』を行なうまでに、どちらの性を選ぶか決めるのだ。今年、少年フリンは選択を前に悩んでいた。男か、女か?そして『最終性選択』前夜、彼の前に現われた謎の他所者は、男でも女でもない『中性』だった!入江には騒動が巻き起こり、フリンは彼の運命を大きく変える冒険に乗りだすことになる」 この手の「生まれつき定期的な性別変化が行われる種族」ってのは、どうしても「性別が変化してうろたえる」とかもっと言えば「萌え」とかにはなりにくい描写になりがちなんですね(^^;;。 何しろ「生まれた時からそういうもの」であり、SFというのは「全く文化・風俗・考え方が違う種族の生態を創造する」という側面もあるからです。 ところがこの小説は海外物にして貴重なのはその描写の瑞々(みずみず)しさ! 主人公のフリンくんは「あの女の子可愛いよなあ…」とか思いつつ「でもあいつって去年は男だったし、来年も男なんだよなあ…っていうかあいつが男だった時のことも知ってるし…大体来年になったらオレの方が女じゃないか…」(大意)とか独白したりするんですよ! しかも近所のバカがきが「いやっほーぃ!オレって明日から女だもんね〜!もうおっぱいもみまくりだぜ!」(大意)とかはしゃいでいたりするんですよ!(*^^*。 皆さん自分が小学生とか中学生だった時のことを思い出して見てください。 クラスメートのあの女の子が来年は男でしかもその時には自分の方が女子で…(その逆もあり)。 そもそも悪友の○○くんが来年になったら自分と同じく女の子になってるんだよなあ…とか。 フリンくんはこの物語中は男性の時期なのですが、ちゃんと「少女時代」を回想してくれたりするので、その辺りの描写を期待しても大丈夫ですお(^^。 要するに何が言いたいかと言いますと、この入り江にいる少年少女の「毎年変化するお互いや自分の性別という環境変化」に関する認識が、我々とほぼ同じなんです(^^。これはかなり大きなポイントです。 文体は「バリバリの翻訳物」という風情で、普段余り翻訳小説を読みなれていない方には若干敷居が高いかも知れませんが、個人的にはかなり楽しんだ一品です(*^^*。 一応ミステリ仕立てで殺人事件が起こったり、謎の存在が現れたり…と色々あります。そもそもこの定期的な性転換現象の原理は?実は外の世界では毎年性が変わるなんてことは無いらしいぞ。じゃあどうしてこの入り江だけ? 解説文にある「科学的にも全く合致したからくり」みたいな表現というのは贔屓の引き倒しって感じですが(爆)、でも「ああ、こういうことだったんだ」と驚きはありますし、何と言ってもその衝撃の結末!…え?どうせ「オレは男になる!と決めたのに女の子の方にされたんだろ」? 残念。その想像の更に先を行くオチですよ(*^^*。 ジェイムズ・アラン・ガードナーは海外では評判の高い作家らしいんですが、わが国では受け入れられなかったのか他の作品もあんまり訳されていないし、そもそもこの小説も絶版になってしまっていますorz…。 でも!我々にはマーケットプレイスがあるので、一人でも多くのTSファンに楽しんで頂きたいですね(^^。 2006.11.13.Mon. |
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マーケットプレイス無しで手に入るオススメ物件(^^。 05-03 「3レボリューション」(レビューはこちら) 10-05 「ナイトウィザード ヴァリアブルウィッチ 1巻」 (レビューはこちら) 01-07 「シュヴァリエ」(レビューはこちら) |