TS関係のオススメ本02
*アップロードする際に在庫を確認してから行ってはいますが、なにぶん古い本が多い為、時間が経過することで在庫切れになる場合もございますのでご了承下さい。 真城 悠 |
「アストロ!乙女塾!」(2005年〜・本田透・集英社) | ||||
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タイトルがいかにもですね「アストロ!乙女塾!」というタイトルは「アストロ球団」と「魁!!男塾」のミックスです。その辺りのセンスからも「どういう趣向の小説なのか」というのが透けて見えるというもの。そして、その予感は的中しています(^^。 |
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復刻されてます。 |
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やっぱり最大のポイントは著者の「萌える男」こと本田透氏でしょう。 「電車男」にひっかけた便乗本だと思われていた「電波男」は言ってみれば「3次元の女などいらぬ!」という皇帝サウザーばりの悲壮な決意を綴った「魂の記録」です。 「そりゃ単にイタいオタクの人間失格宣言なのでは?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。実際そういう読み方も出来るテキストで、その中身はいっぱしのオタクである私などは余りにも身につまされて辛かったです(;´Д⊂…。 |
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アストロ! 乙女塾!2 僕は生徒会長に恋をする
(SD名作セレクション(テキスト版)) |
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「一般人」「もてる男」「普通の女性」などが如何に「オタク男」を無意識にも見下げているのか、「負け犬」などとほざく高慢な「現実の女」への呪詛は男であれば誰しも少しは共感出来るところがあるはずです。 |
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確かにオタク男って、変人っぽくはあっても暴力を振るうことは…まあ無い訳ですが、実際には集団暴行事件を起こすスポーツマンとか、家に帰れば同居女性を殴っているイケメンみたいなのの方がオタクよりもずっと“もてて”いる…という現実もある訳で、その辺の理不尽さを切々と訴える「電波男」にはなるほどある程度の賛同者が出るのもむべなるかな。「護身」の下りは涙無しには読めませんでした。 |
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アストロ! 乙女塾!3 星のプリンキピア(上)
(SD名作セレクション(テキスト版)) |
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冗談抜きで世間から疎外感を感じている人は読んでみると「自分と全く同じ境遇の人がいるんだ!」ということが分かりますのでかなり癒されます。いや本当に。 ちなみにこの「本田透」という筆者名を見て「気持ち悪い」と感じた方もいらっしゃるでしょう。何故この「ごく普通の男性の名前」にしか過ぎないこの名前が「ペンネーム」として「気持ち悪い」ことになるのか? オタクならば分かります。「本田透」といえば「フルーツバスケット」という絶大な人気を誇る少女漫画のヒロインの名前だからです。 |
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確かに男性の名前のヒロインですが、それを「ペンネーム」にするセンス…そう思うでしょ? ところがこれが大間違いで、彼は「フルーツバスケット」の連載が始まるずっと前からこのペンネームだったんです。じゃああの漫画が後から真似したとでも言うのかって?…実はその辺りのエピソードも載っています。 あの漫画に隠されたダークサイドと裏事情に私は戦慄しました。これじゃあ幾ら叩かれてもペンネームを変えないのも合点が行きます。 |
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アストロ! 乙女塾!3 星のプリンキピア(下)
(SD名作セレクション(テキスト版)) |
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「電波男」を最後まで読むと、「現実の女よりも二次元の女性の方が素晴らしい」という一見エキセントリックな主張をする筆者に感情移入し、涙が出そうになります。 幾つか存在する書評が概(おおむ)ね好意的なのも、最後の最後に明かされるエピソードに不覚にも感動してしまうことによるでしょう。もしも読んでいない方がいらっしゃったら是非ともオススメしておきます。 さて、ここまで書いておいて何ですが本田透氏は今のオタクシーンをリードする論客にて編集者でもあります。幾つかのライトノベルも書いていらっしゃいますし、テーマを絞ったムックなども多数。18禁が多いので紹介し辛いんですが・・・。あ、でも噂の麻生大臣も漫画に関するインタビューで登場してくれている「メカビ」はオススメ。 |
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雑誌そのものは休刊ですけど、まだ手に入ります。 |
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要は「今、オタクシーンで最も注目すべき」方のお一人なのですが、その方が主張し始めたのが「時代はTSである!」ということだったんですね。…って前置き長いな! そこで執筆されたのが「主人公の男のが女装して女子高に潜入」という、TSファンならばこれまで1,000回は読んできた様なシチュエーション(爆)。一番違うのは主人公の少年がオタクであるということでしょうか。 …とにかく「イタい」小説で、言い方を変えると「香ばしい」臭気を放ってしまっています(;´Д⊂…。 |
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普通我々が小説とかを書く場合、多少なりとも「オタクっぽいセンス」を抑え様とするものです。確かにそれは「つまらんこと」と言えないことも無いんですけど、それを全くリミッターを外すとこういうのが出来上がるんだ…というのが最初に読んだ時の偽らざる感想でした。 「なんとなく、クリスタル」も真っ青の恐ろしい量の「脚注」と「薀蓄(うんちく)」、「コラム」によって本文が埋め尽くされており、気合を入れて大量の原稿を書きすぎてしまったために、文庫サイズなのに「二段組」になっているという破戒ぶり。 ただ、「ストップ!ひばりくん」あたりを引き合いに出して「女装すると最強になる」説を展開するなどTSファンならずとも漫画ファンならば「なるほど!」と思わされるTSがらみのコラムもあります。 |
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私は「あの本田透氏が『これからの時代のオタクはTS』という主張と共に発表したライトノベル」ということで非常に注目し、新刊を買い続けてきました。 第二巻においては「本当に性転換」してしまったりもします。 個人的には本田氏の著作で涙したこともあったんですが、TSものとしての評価は…微妙。ただ、ツボに嵌(はま)った方には物凄いストライクになる可能性も高いので、思い切って試してみては如何でしょう? これが第三弾の「星のプリンキピア」になると、「科学の裏の歴史」を扱った教養小説みたいな様相を呈し、やれニュートンだライプニッツだといった「オカルト疑惑」のあった有名人たちの跋扈する「歴史小説」みたいなことになります。いやホントなんですって。 |
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起こった出来事などが殆ど「実際に起こった出来事」を下敷きにしており、「もしかしたらこんなことって実際にあったのかも?」という、「ダ・ヴィンチ・コード」を髣髴(ほうふつ)とさせる展開となります。 こうなるともう「おなじみのキャラクターを使って」自分の興味のあることをやってみました」状態。 私はある意味この第三弾が一番好きですね。もうTS云々はどうでも良くなっているんですが、何やかんやで一番面白かったし、なにより勉強になります(^^。 でも今回もパロディ満載の展開ばかりであるのにも関わらず最後にはホロリとさせるなど流石の腕前の冴えを見せてくれます。 間違いなく今一番注目の新鋭である本田透氏の注目のシリーズ。尻上がりに先鋭度を増しており、これからも続巻が出そうなので今のうちに手をつけておくのがいいかもしれません(^^。 少なくとも私は「次には何をやってくれるのか?」が楽しみで仕方がありません。次が出れば間違いなく買いますね。 2006.11.15.Wed. |
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「喪男の哲学史」…本田氏の哲学・歴史オタクぶりが発揮された雑学本。全てをオタク系の用語で説明する一見ふざけた本ですが、その咀嚼(そしゃく)ぶりは本当に凄いです。 |
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