TS関係のオススメ本03-07
*アップロードする際に在庫を確認してから行ってはいますが、なにぶん古い本が多い為、時間が経過することで在庫切れになる場合もございますのでご了承下さい。 真城 悠 |
「ソウル・オブ・サラマンドラ」 (1998年・此花咲耶・KKベストセラーズ プレリュード文庫) |
TSに最も親和性のあるジャンルは何か? なーんてことを真面目に考えても答えなんて出ないのは分かっているのですが、それはそれで楽しいもの。 個人的な主観ではそれはやっぱり「ファンタジー」ではないかと思います(^^。 「剣と魔法」の世界ならば「魔法」がある訳ですから、男が女になっても、男女の精神が入れ替わっても「まあ、そういうもんだ」で済みます(^^;;。 そんなこんなで今日紹介するのがファンタジーを舞台にした入れ替わりもの「ソウル・オブ・サラマンドラ」です。 主人公のイリヤーは屈強な戦士だったのですが、とある魔道師が少女を生贄にして何らかの儀式を行わんとしているところを発見して飛び込んだところ…なんと自分の精神はその少女の中に入ってしまい、自分の身体は乗っ取られることになってしまいました。 ん?じゃあ少女の精神はどこに行ったのかって? そうですね。入れ替わりならば元の男の肉体の中に入っていたはず。 これは「入れ替わりもの」でまま見られる「複合入れ替わり」とでも言うべきパターンです。 つまり「A⇔B」というパターンではないタイプで、私も何冊か読んだことがあります。 少女の精神は猫の中に閉じ込められてしまったのです(!!)。 多少行き先が混乱しているとはいえ、少女の肉体に男の精神というパターンはありがちであると言えばありがちです。 ただ、この小説はとにかく挿絵がハイクオリティなので、このシチュエーションのの力が二割増しになってます。とにかくご覧になって下さい。 |
屈強の戦士のなれの果て。足元の猫の中に少女の精神が入ってます |
色々事情(!)があるとはいえ、岩みたいな筋骨隆々だった男がこんな可愛らしい格好を着替えもせずに、全身を巨大なマントとフードで覆って旅をしている…というのはなかなか刺激的なシチュエーションです(*^^*。 彼女のキャラメルみたいな可愛らしさと甘ったるさ(*^^*は本文で微に入り細に入り丹念に描写されており、ごく普通に「可憐なヒロイン登場」の場面としても素晴らしいんですが、中身が男というのは…実に素晴らしい(爆)。 真城は「入れ替わりは苦手」と方々で発言しているのですが、何故かというと「男の肉体に女の精神」の生物が余るからです。 この少女だけならば実に美味しい展開ですが、この隣にくねくねと身をくねらせる少女言葉の大男がいたらどうですか? もう価値大暴落ですよ。 それを「猫の精神に押し込める」という荒業で見事解決です。 実際この冒頭の登場場面は、なるべく言葉を選ぶものの、モロに渋い男言葉で宿の店主に話しかける少女…という全国の「オレっ子」ファンが狂喜する仕様となっております(^^。 ついでに言うと、「魔法少女」にはお供の謎の生物が付き物です。 物凄く曲がりくねった状況ではあるもののそれをも実現してもいるのです! もうこの場にいるのは「可愛いもの」だけ!バンザーイ(^∀^)ノ! 何しろ主人公がファンタジー世界の屈強な戦士ですから、女性経験はあるんですけど、「傭兵隊の先輩」たちに仕込まれた年上の女性ばかりで、こんな若い娘…はっきり言えばロリっ子…の裸を見たことなんて皆無。 ですからもうドキドキものです。 猫となってはいるものの自らの身体を気遣うユイミィ(元の身体の持ち主)の厳しい指令によって身体を洗う羽目になるイリヤー。 逆らうと引っかかれるので仕方なく目隠しをした状態でしどろもどろになりながら身体を洗う羽目になったりします。素晴らしい。 |
左下の猫がユイミィの今の姿。Σ(゜Д゜*)コ、コレハコレデカワイイ… |
現代を舞台にした学園ものの入れ替わりなんかと違って、そこは「剣と魔法」のファンタジーですから、宿屋と言えば荒くれ者どもの巣窟と決まっています。 無謀にも自らの姿に無自覚に酔いつぶれた主人公は欲望の赴くまま状態になった男どもの餌食にされそうに!! |
絶体絶命のピンチ!この場面からどうなったのか?はナイショ(^^。 |
あれこれあるんですが、この凸凹(でこぼこ)コンビの道中はイリヤーの元の肉体を取り戻し、悪の魔道師を倒すまで続きます。 実はユイミィは「竜の神殿の巫女」であり、「竜の紋章」を持つ選ばれた存在なのです! ここから先はネタバレになるので、そのつもりでよろしくです(^^。TS的には読んでも尚楽しめることは保障しますよ。 ラスボスに当たる敵はかなり強いのですが、その戦いの中で二人は元の身体を取り戻し、無事に本懐を遂げることに成功します。そう、“絵に描いたような”ハッピーエンドを迎えます(^^。 やっぱ小説なんて読んで幸せな気持ちになってナンボだと思うんですよ。 「入れ替わりもの」…特に最後に元に戻れる形式の物語…で結構重要なのは、「その後の人間関係」だと思います。 かの「おれがあいつであいつがおれで」も実は戻った瞬間両思いになるんですよね。何しろあの入れ替わりって実に8ヶ月に及び、その間に斉藤一夫くんって女の子の特権(?)である「ときめきの初ブラ」も「初潮」も成り代わって経験してしまうという波乱万丈ぶり…と、勢いに任せて書いてしまったのですが一美は既に経験済みでしたね。申し訳ございません。謹んで訂正させていただきます。指摘してくださった「名も無き者」さん感謝です。 ま、一夫が「ときめきの初ブラ」をしたり「初潮」(彼にとっての)したのは間違いないのですが…Σ(゜Д゜)!。 「雨降って地固まる」といいますし、これはかなり納得できる展開ですよね(^^。 ちなみに一美の転校の話が本当ならばあの後二人はすぐに別れ別れになってしまうんですが、原作ではそこまで描かれずに「ハッピーエンド」になってます。実は映画版では「折角元に戻り、両思いになったのに引き離される」場面で終わっており、真城が唯一映画版「転校生」を積極的に評価する場面でもあります。 「ソウル・オブ・サラマンドラ」での主役二人は最後に全てを受け入れ、結ばれます。この描写は結構ギリギリ(*^^*。 本当に色々あっただけにこの「いさかいから相思相愛」の流れは納得の行くところ。 さあこれからまた新たなる冒険が始まる!…というところで終わっており、読後感の爽やかさは満点です(^^。 ハッピーエンドということは「後腐れが無い」ということでもあり、「読んですぐ忘れる」系統のエンターテインメント小説でもあります。 当然の様に絶版になってますけど、プレミアが付くでもなく手ごろな値段になってますので、「値段分は楽しめる」と太鼓判を押しましょう。あ、勿論TSファンには評価が何割か増しになりますよ(*^^*。 私はそういうカテゴリ分けはしていないのですが、「ロリータ美少女への変身」(形式は入れ替わり)という楽しみ方でもかなりの高ポイント(*^^*。そんじょそこらの女子高生とかは「普通の可愛い女の子」(これはこれでいいもんですが)にすぎず、イラスト見ているだけで甘い香りがしてきそうな彼女とはとは違いますからね。 …さて、紹介はこれで終わりなのですが、ちょっと真城ビジョンをば。 こういう「入れ替わったことのある男女」ってその後の長い人生で色々あると思うんですよ。リアルに考えると(*^^*。 あのラストシーンを見ると恐らく夫婦同然にこれからを生きて行くことになると思うんですが、当然ケンカの一つもするでしょう。 そんな時に絶対入れ替わってた時の話題とか出るんじゃないかと。 あによ!あの時はアタシの身体に入ってミニスカートできゃあきゃあ言ってたクセにこのオカマ男! 仕方がねえだろうが!好きで入れ替わったんじゃねえよ! でも女の身体だったのは事実よねこの変態! 変態ってことがあるか変態って! うっさい!どうせあたしが寝てた隙にこっそりおっぱいもんだりしてたでしょこのスケベ! (赤くなっている)そ、そんなことするわけねえだろ!オレは男だ! ほら赤くなって!おっぱいもむだけじゃなくてあんなことやこんなことやってたんじゃないの!?そうでしょ! (なおさら赤くなる)やらねえよそんなこと! あれ?赤くなっちゃってか〜わい〜(^^。やっぱ男たるもの一度は女の子になってみないとね! また、もしも二人に子供が出来たりしますよね。 でもって夫婦喧嘩になった時にユイミィが子供に言う訳ですよ。 (耳打ちがてら聞こえる様に)知ってる?あんなに強がってるパパだけどねえ。十年前はちっちゃな女の子になったことあるんだよ〜(ニヤニヤ)。 ば、バカっ!子供に何を吹き込んでんだ! でも本当だもんね?ちゃんと女の子のまま自分で服脱いでお風呂まで入ったよね?パパ? ええ〜、パパそれ本当? ち、違う違う!そんなことあるわけ無いだろ? そうだよ〜、パパは十年前は女の子だったのよ〜(ニッコリ) そんなこと言ったらお前なんか猫じゃねえか!この変態! え〜別に人間の女の子が猫になるのは変態じゃないもん。でも大人の男の人が可愛い女の子になっちゃうなんて変態だよね〜. わーい、パパ、へんた〜い! て、てめえっ! *…以上は真城が勝手に想像した「この二人のその後」です。本編中にこんな場面は全くありませんのでご了承下さい。 ま、とにかくオススメってことです(*^^*;;。2006.12.01.Fri. |
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