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TS関係のオススメ本03-08


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真城 悠


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金魚のフン(1994年〜1998年・とみさわ千夏・小学館)

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 私が調べた限りではとみさわ千夏先生は男性の様ですね。すっかり女性だとばかり思い込んでました(^^;;…。
 何故いきなりこんなことを言うかというと、入れ替わり漫画の中でも異彩を放つこの金魚のフンはいろんな意味で女性的な作風だからです。

 「入れ替わりといえば?」という問いでまず上がってくる作品といえばまずおれがあいつであいつがおれで」(転校生です。これは数多(あまた)存在するリメイク含めて全て学生が主人公。オレの愛するアタシにおいて、社会人の入れ替わりものが存在することをお知らせしました。

 これらの作品に共通するのはどれもお互いのことをあまりよく知らず、入れ替わり事件を通じて人間関係を構築していくという点。
 真城は「入れ替わりは苦手」を公言しているのでそれほど詳しくないのですが、最後に元の身体に戻れてハッピーエンドか、結局戻れないけど二人は結ばれました…で終わるバッドエンド…なんだけど本人たちにとってはある意味ハッピーエンドといったパターンが大半だと思われます。

 そう考えるとこの作品は本当に異色。
 何故なら入れ替わる二人が
夫婦だから

TSファンにとってはこれまで1,000回くらい見てきたお馴染みの場面(^^;;。


これもお馴染みの修羅場。う〜ん、やっぱり苦手だ。これはキツい…orz。
実は実写ドラマ化もされてますが、絶対に実写では見たくない場面

 正確に言えば結婚式前夜に待ちきれずに初の性交渉に挑み、目が覚めてみると入れ替わっていた…という展開です。
 私なら目一杯こだわるであろう「結婚式」(及び披露宴)シーンも何と和装にて第一話の最後に1頁で片付けられてしまい、何とそこから「新婚生活」に突入してしまいます。
 勿論
入れ替わったままの状態で。

 大抵「入れ替わりのままの新婚生活」というのはTS系の物語においては「ゴールした後」の「後日談」です。それをメインに据えているという点でかなり珍しい展開。


 そして…成人男女が入れ替わったままかなりの長期間過ごす関係上、学生たちの入れ替わりには無い独特の要素がスパイスとして導入されています。
 いや、これはある意味
「新解釈」と言ってもいい展開。コロンブスの卵と言いますか、灯台下暗しと言いますか、どうして今までこれに気が付かなかったのか?と思ってしまいます。

 それは「男性の生理」を、特に意識して異性を意識することによって発祥する現象ではなく、一定期間すると勝手に「溜まって」くる即物的なものであるとして処理していることです。
 回りくどい言い方は止めて直接書きますと、当然ながら女性との性交渉を行う訳にはいかない銀子さん(今はつる彦の身体)は
欲求不満になって来ちゃうんですよ(!)。

 冷静に考えたら(??)、この状況で「貞操の危機」とかのピンチを演出しようと思ったらかなり
倫理的にヤバイ橋を渡らなくてはならなくなります。
 女性側からしてみれば自分が男性としての欲求を解消するというのはとりもなおさず自分の身体を…ということになります。女性はその辺りは生理的に受け付けないのが普通なのですが、
身体が勝手にとなればその限りではありません

 最初の性交渉で入れ替わったからには「もう一度行為に及ぶ」ことで元に戻れるであろうことは容易に推察がつくものの(
階段落ちのアダルト版ですな)、それが嫌でこの生活に甘んじているつる彦(今は銀子の身体)は、しょっちゅう野獣と化す自らの身体を必死に押し留めて貞操の危機を回避し続けなくてはなりません

ここだけ見るとアダルトコミックですが、別にいやらしくありません(後述)

 これはよく考えれば論理的にそこに行き着きそうなものなんですが、同種のシチュエーションを持つ入れ替わり物ってあまり読んだ記憶が無いんですよね(^^;;。
 ともあれ、可もなく不可もない絶妙のアクセントを持ったまま
まったりと日常の時間が流れていきます

 
何しろもう二人は夫婦になっちゃってますので、惚れたの晴れたのどうこうという段階は飛び越えてるんですよ。
 プライベートも全てさらけ出した運命共同体ですから、パパとムスメの7日間みたいに目隠しさせて入浴入浴や着替えをさせる…なんてことはやりません。もうお任せです。

 ワイド版コミックで全5巻と比較的長い部類に属する作品ですが、はっきり言ってこれといった大事件が起こるでもなく、
日常生活ギャグみたいなお話です。

 どうしても普通のTSファンが好きな入れ替わり先って
女子高生とかお姫様とかになるじゃないですか(*^^*。しかし専業主婦ですからね。ま、若くて美人のお姉さんではありますが。
 例えばこんな場面ってTS漫画では、まあ見られないでしょう。

ズボンでソファに寝っ転び、「昼ドラ」を見ている“専業主婦”亀戸くん(中身・男)

 何故私がとみさわ先生を女性だと思い込んでいたかというと、亀戸くんの女体への冷めた態度というか、殆ど煩悩の感じられない挙動にあります。

何やかんや言いつつもおっぱいもみまくりの亀戸くん。特に何とも感じていない?

 この他にも自らの身体をいじくってあっはんうっふん言うシーンって沢山あるんです。奥さんの実家に帰って隠してあったセーラー服をきてアダルトビデオみたいな痴態を一人で演じるとか(!)。ただ、その後必ず
誰かに見つかって自爆とかの「オチを引き立てるため」に「記号的ないやらしさ」として使っている感じ。
 あ、でも記号ってやっぱり強いんですよ(*^^*。そんなんでも興奮出来ますから。

 ちなみに「見てきたよう」というか「まるで体験したみたい」な場面が次に紹介する場面です。
 ある意味この場面で私はこの漫画に感じていた違和感を確信しました。

 水着を選んでいるシチュエーションなのですが、この
「女装マニアにとっちゃよだれもんだろうな…」という台詞は何ですか?
 つまり
亀戸くんはそうではないということですね??

 ブックガイドというよりも「TS漫画感想集」となってますが、ここは
「TS作品汎用データベース」でも無ければTSポータルサイトでもありません。あくまでも真城 悠が好き放題に、自らの価値観で語りまくる場です(断言)。
 ですからどれだけメジャーでTS作品として一般的な(?)評価が高かろうとつまらなければつまらない、萌えられなければ萌えられないとはっきり書きますし、逆もまた真なりです。

 結局入れ替わってはいるものの、亀戸くんはそれこそ酔った時に女性的な語りを思わずしてしまうとかの
ネタとしてのアイデンティティの揺らぎはみせてくれるものの、基本的にはどこまで行っても思考が男性なんですよね。
 TSものの魅力の一つが
「自らの(男性としての)アイデンティティを揺さぶられること」にあると私は思ってます。
 「嫌でたまらない…
けどちょっといいかも」みたいな(*^^*。

 けれど亀戸くん(銀子さんの中に入っている男)の
女体への興味は最後まで「観察対象」でしかなく、動物的な性欲以上の…用語の使い方が適切かどうか分からないのですが…フェチ的な「こだわり」にまで昇華することは遂にありませんでした。
 これは主人公が「一般読者の立場」であることを最後まで確保し続けたということであり、ある意味メジャー作家には必要な素質なのかも知れません。
 語る側が過剰に語る対象に思い入れを持ちすぎるのは作品としてのバランスを崩します。
 しかし、私はそういう優等生みたいな漫画よりも、
「これを描きたい!」「こういうことをやりたいんだ!」という熱い思いが迸(ほとばし)る余りにバランスを崩してしまってもやりぬいたこだわりのある作品の方が好きです(*^^*。
 例えばまるでシンデレラボーイなんかは
完全にこっち側(爆)。
 主人公の少年は女装モデルをやっていても決して性格は女性的ではないし、女装の趣味もありません。しかし、次から次へと着せられる衣装のセンスなどに作者のフェチ的なこだわりが満ち溢れているのです!12回の連載による
全三巻しか存在しないのに三度もウェディングドレスを着る男の主人公なんています?そうした状況を用意するのは作者です。
 私が言いたいのはそういうことなんですよ(*^^*。

 確かに入れ替わりによって身体は女性のものになってはいますけど、精神は男性のものだし、女性の身体の生理も突き詰めれば動物的な「反応」にまで還元出来てしまいます。
 その意味ではそれこそ毎日女性としてのセックスを経験していようが、「男性としての精神性」を確保し続けられるタイプの強い精神力を持った人もいるかもしれません。
 結局のところ、主人公のキャラクター性とかではなくて「TSセンス」の有無によって決まるのではないかなあ…と
SFファンがいつも言っている様なまとめになってしまいました。

 そんなこんなで諸手を上げて大オススメ!とは私の口からは言えないんですけど、絵柄に拒否反応が無く、紹介した場面で「これはいい」と感じた方ならばありでしょう。
 結構古本屋では見かけますので入手難易度はせいぜい「2」(簡単)くらい。
 マーケットプレイスでは何故か品薄なのか最終巻だけプレミアついたりしてますが、興味のある方はどうぞ。やらしい…ひっかけのある…場面は沢山ありますので(*^^*。

 では、そうした場面の中から一つを紹介しながらお別れです。2006.12.2.Sat.

絶好のテレビポジションを得るために炬燵(こたつ)の座る位置を争ってます
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