TS関係のオススメ本03-09


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真城 悠


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銀河嫁取物語(1995年・吉岡平・富士見ファンタジア文庫)
無責任キッズ 1暗黒太陽小町
無責任キッズ 2WHY?の嵐
無責任キッズ 3燃えてキサラ
無責任キッズ 4時先案内人
無責任キッズ 5銀河嫁取物語

 アニメ「無責任艦長タイラー」ってご存知ですか?
 1993年1月から7月にかけて、テレビ東京系6局で毎週月曜日の18時から18時30分までの時間帯に放映されたアニメです(Wikipediaより)。
 丁度私が上京するのしないのとやっていた時期に放送されていたアニメで、その後の深夜アニメ隆盛の基礎になった歴史的な意義は非常に大きい作品。
 OAV企画だったものがテレビアニメになった非常に珍しい例でもあります。非常にイベントを沢山開催したアニメで、その意味でも印象深い作品でもあります。

 アニメは個人的に大好きなのですが…正直言って他の人にオススメできるかというと…微妙です(爆)。
 何しろ
掴み所の無いヘンなアニメです。
 主人公のタイラーはやる気があるんだか無いんだかさっぱり分からず、アニメも「快感原則」に沿っているとは到底言えない妙な展開。
 しかし、何とも言えない味があり、この
トボけた雰囲気に魅了されたものです。
 アニメも26話で無事終了。その後多くの上映イベントを経てOAVが幾つか製作されました。

 実はこのアニメには原作小説があることを知ったのはその後でした。
 アニメ版はその名の通り植木等の「“無責任”シリーズ」に材を取ったもので、ライトノベル(当時はそんな用語は無いんですが)のSFで“無責任シリーズ”をやるのがコンセプト。
 ですから敢えて泥臭く展開させており、どのキャラクターも若く端整に設定されているアニメ版とは正に別物でした。

 平田智浩氏のキャラクターによって描かれたアニメ版は原作者の吉岡平(よしおか・ひとし)氏にも多大な影響を与えており、全く別物であったはずの両シリーズが巧みに融合されるように配慮された「続編」が小説に登場します。
 それがこの「無責任キッズ」シリーズなのです(あ〜ここまで長かった(^^;;)。

 ちなみにシリーズは物凄く沢山出ておりまして、シリーズ名だけ列記するとこうなります。

1 宇宙一の無責任男 (←ここがアニメ化)
 1.1.1 宇宙一の無責任男シリーズ 外伝
2 無責任キッズ
(←今日取り上げるのはここ)
3 無責任カルテット
4 無責任三国志
5 無責任黙示録
6 無責任三銃士
7 真・無責任艦長タイラー
8 無責任提督タイラー

 その後延々続く外伝シリーズの第一弾となった「無責任キッズ」シリーズの主人公は、タイラーの娘のキサラとヤマモトの息子のシゲチヨです。
 …登場人物の名前は誰が誰だかは別に分からなくてもいいです(^^。
 前シリーズでトンデモ上司のタイラーに振り回されたヤマモト…という「前提」があるのですが、
その関係が次の世代になっても継続している…というところにおかしさがあるんですな(^^。
 しかも父親の世代は男同士だったんですが、キサラは娘ですので男女の関係。
 しかもキサラはのんびり屋(?)の父親とは違って強烈な性格で、いじめられっ子キャラのシゲチヨを苛め抜きます(爆)。

 ストーリーをいちいち解説しているとキリが無いのでここはシチュエーションだけご紹介。
 表題作にした「銀河嫁取物語」においてはキサラの結婚式会場を占拠し、列席者を人質に取ったテロリスト達に殴り込みをかけるシゲチヨと他沢山。
 キサラとも行動を共にすることに成功するのですが、純白のウェディングドレスを
動きにくいとキサラが言い出します。

この連載では珍しい冒頭のカラー部分のご紹介。ラノベではお馴染みですね(^^

 そう、何と他に着る服も無いから自分が今着ている
ウェディングドレスをシゲチヨの礼服を交換しろと迫るのですΣ(゜Д゜)!。

 シゲチヨはいつもの人間関係からこの無茶過ぎる提案を断ることが出来ず、
仕方なくウェディングドレスを着る羽目になってしまいます(表紙のシゲチヨの花嫁姿は必見!)。
 そう、この小説はかなり珍しい
「強制女装小説」なんですね。

 はて?「強制女装って珍しいの?」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
 少なくともフランス書院の
アダルト小説とかでも無い限りは存在が難しいジャンルなのです。
 理由は簡単で、「女装」ってのは着る人間の意志が無いとまず無理だからです。
 現実的に考えれば寝ている間に着替えさせることは出来ないし、嫌がる人間を無理矢理女装させるってのは物理的に無理があります。
 そりゃ
描写がマンガな小説ならいいですよ?でも余程恐喝でもしていない限りそれは不可能。
 ですからアストロ!乙女塾!みたいな「潜入もの」で無い場合はアーサー王子乱行記のランス君みたいに完全に支配化に置いている必要があります。
 実際問題、「強制性転換」はよくあっても「強制女装」は少ないんです。

 実はこのシリーズの第一弾にあたる「暗黒太陽小町」でもシゲチヨは
女子高生の制服姿で大立ち回りを演じさせられた上にそれを全地球に中継されてしまうという羞恥プレイを演じさせられています。
 今度はそれに引き続いて何と
純白のウェディングドレスです。
 間違いなく吉岡先生はこういうの好きですね(*^^*。
 恥ずかしい格好をさせられたシゲチヨは自棄糞(やけくそ)になって
ドレス姿のまんまテロリストに銃を乱射しながら突撃し、余りにも凄いビジュアルに驚いて動きの止まったテロリストを後衛が制圧…とかそんな展開ばっかり。

 ハッキリ行って
「ドレスフェチは必読の一冊」だと断言できますね。
 後半殆どドレスで過ごす羽目になるシゲチヨの挙動の一つ一つから何からもう萌え萌えになるように描写されており、本当にお腹一杯です(*^^*。
 ラノベなんだから細かい統合性はそこまで必要とされていないのでは?とも思うんですけど、アンドロイドのハルミIIが
何故か裁縫スキルを身につけており、キサラサイズなので、健康な男の子が着られるはずの無いドレスのサイズを瞬時にシゲチヨにも着られる様に直してしまう…とか。彼女は大きなお世話なことにきっちり化粧までしてくれます。う〜ん。
 キサラの指令で
集団で押さえつけられて素っ裸に剥かれ、嫌がっているのを無理矢理ウェディングドレスを着せられる場面は必読!想像力を最大限に増幅させて楽しむべし!…誰ですか!「うらやましい」とか言ってるのは!

 しかもキサラは相変わらずのSで、いちいちきっちりと
「言葉責め」をしてきます(!)。

*********
「こんな綺麗なウエディングドレスを着させて貰えるなんて、お前は幸せ者だなあ、シゲチヨ……。今日はテレビカメラもいっぱい入ってるから、また全銀河に艶姿を、中継してもらえるかもしれないぞ」
「死んでやる〜」
「そうだ!死ね!」(133ページより)
*********

 ぶっちゃけ「物凄く美味しい」小説で、かなり楽しませてもらいました(*^^*。
 少し前ならば「市販されている」小説の中でウェディングドレス女装萌えで言えば最高峰の作品!…と言い切りたいところ。
 何故言い切らないか?
 それは、こちらもそれに対抗して「おかしなふたり」を私が書いたから(爆)。
 あ、別にこの小説に触発されてあの「電車内でウェディングドレス姿にされて必死に自宅に逃げ帰る」場面を思いついた…とかではないですよ。あれは遅かれ早かれ書いたと思うので…(*^^*。
 ともあれ、ラノベでは思わぬ拾い物であるのは間違いありません。今日こそはかなり安いので是非どうぞ(^^。2006.12.03.Sun.

*言い忘れてましたが、唯一画竜点睛を欠くのが、なんとイラストが売り物のはずのライトノベルなのに「該当場面のイラスト」が存在しないこと(!)。この点は未だに解せません。ですから花嫁姿のシゲチヨは表紙の一枚のみ。まあ、想像だけでもかなり美味しかったのは間違いないんですけど、全身イラスト見たかったなあ…。
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