TS関係のオススメ本03-10
*アップロードする際に在庫を確認してから行ってはいますが、なにぶん古い本が多い為、時間が経過することで在庫切れになる場合もございますのでご了承下さい。 真城 悠 |
「トラップ・コレクション― ファンタジーRPGの罠・仕掛け」 (1989年・安田均/グループSNE・富士見文庫) |
この連載を始めて遂に1ヶ月となりました。 初日が「妹は思春期」(←最新第8巻12/6発売!)単体と非TS作品だったのですが、隠しページ合わせてこれで31作目のご紹介になります。 こういう「毎日更新」を行う場合で何が嬉しいかというと所謂(いわゆる)「ちょいネタ」を紹介出来るということ(^^。 その中でも非常に地味なネタが今回の一冊。 「トラップ・コレクション―ファンタジーRPGの罠・仕掛け」です。 「ロードス島戦記」で名高いグループSNEはこの「第二次RPGブーム」にのって、RPG作品世界の約束事などを解説するシリーズを次々にリリースしました。 ちなみにこの「トラップ・コレクション」はシリーズの第5弾にあたります。 それまでのラインナップは以下の通り。 「モンスター・コレクション―ファンタジーRPGの世界」 「ホラー・コレクション―恐怖世界の怪物たち」 「スペル・コレクション―ファンタジーRPGの魔術」 「アイテム・コレクション―ファンタジーRPGの武器・装備」 …面白そうでしょ(^^? この頃はまだまだわが国で「RPG」と言えば「ドラゴンクエスト」に代表されるコンピュータゲームの印象が強い時代です。 そんな頃にとにかく「テーブルトークRPGとはこういうものなんだ!」と必死のアピール活動をしてくれていたんですね。 実際、私も触発されて友達の家に毎週押しかけてはプレイしていました。 さて、このシリーズがTSに何か関係あるのでしょうか? 勿論あります。 以前に「TSと相性がいいのはファンタジー」と言ってしまいました。 実際その通りだと思います。 「スペル・コレクション」には「ポリモルフ・アザー」という呪文が収録されています。 これは「他人の姿を変える」呪文。 …そりゃ期待しますって(爆)。 え?あんたは常にそんなことばかり考えているのか?って。 はい。常にそんなことばかり考えていますが何か? 結果から申し上げますと「ポリモルフ・アザー」の項目は期待はずれでした。では「ポリモルフ・セルフ」(自分自身の姿を変える)はどうか?…やっぱり駄目。 けっ!使えない本だな!と思ってしまいました(ヒドイ濡れ衣です。関係者の皆さんスミマセン)。 ところが!一見すると魔法や呪いなどと全く関係なさそうなこの「トラップ・コレクション」に入っていたのです! このシリーズは、まず紹介したい項目の創作小話が書かれ、その次にそれについて解説した文章が続く、という形式を取っています。 とてもコンパクトで分かりやすく、RPG世界を知るには最適ですので是非オススメしたいところ。こんなのまでプレミアが付いているってのは(2006.12.04.の時点で定価640円が800円)何ですがΣ(゜Д゜)…。 さて!問題の項目は367ページから始まる「毒物と薬品」。 TS界では、毒物といえば性転換薬ということに決まっています(断言)。 小話では戦闘中に傷を負った戦士が命からがら戦場を脱出することには成功したものの、刃物に毒物が塗られていたらしく腫れ上がる傷口をかばいながらたまたま発見したダンジョン(地下迷宮)内の薬品庫で必死に解毒剤を探す…というシチュエーションが描かれます。 何しろ一刻を争う緊急事態なので、いちいちラベルを確かめている暇はありません。基本です。 ではここで、ちょっと荒業をば。 恐らくこれまででどこもこんなアホなことはやったことが無いであろうことをやります。何と文章をそのまま掲載しますので、お読みになって下さい(^^。 |
…素晴らしい。 何一つ無駄の無い想像力を刺激してくれる珠玉の6行5センテンス! この戦士はその後どうなったのでしょうか? 何しろ「薬物・毒薬」を解説するためだけに書かれた2ページ程度の短編超えてショートショート並の長さしかないストーリーのオチがこれですから。 実は田舎者の真城が東京の親戚の家に遊びに行った時に都会の大きな書店に次々に行けて舞い上がっていた時に購入した一冊がこれだったりします(^^;;。 ぶっちゃけこの夏はこの一冊だけでお腹一杯だったもんです。やっぱり想像力が一番ですよ。 ちなみに学生時代の真城がこの戦士が変身してしまった後、どうやってダンジョンを脱出したか?とか、その後新しい生活を始めるまでの小説を大学ノートに延々書いていたのは秘密です…って今とやってることは殆ど変わらんな…orz。 ちなみに、この他にも幾つか「該当記述」が存在します。 339ページの「呪いの応用」編の記述にこんなのがあります。 「ギリシャ以外にも、神の怒りによって人間が動植物や怪物に変えられるという話は、世界中に分布している。変わったところでは男が女になってしまうという呪いもある」 …どんな呪いなのでしょう(爆)。 何しろこれだけしか書かれていないので本当に想像を逞しくする以外に無いのです。あ、実はもう一箇所、前出の「薬物と毒薬」の説明部分にさらっと触れられています(372ページ)。 「漫画には性転換の薬もちょくちょく出てくる。男が女に、女が男になるわけだ。実質的なダメージは何も無いだろうが、一行に大きな混乱を惹き起こすのは確実である」 はい、嘘ついてますねこの部分の著者は(^^。 ダメージが何も無い訳はないでしょ? なんとこの「トラップ・コレクション」は純粋にRPG解説本なのに実に3箇所もの該当記述を持つ拾い物なんですね〜(*^^*。 シリーズ中唯一古本価格にプレミアがついている(他は定価割れか1円)のはこの辺りに原因があると真城は睨んでいます。 ですから考えましたよ。「ロードス島戦記」のパーティ一行がこういう被害に巻き込まれる小説とか(当時はOAVが発売される直前。存在していたカセットブックもまだ聞いていませんでした)。 はい、では真城ビジョンです。読者の皆さんが「ロードス島戦記」のキャラを熟知しているという前提になっていますのでご了承下さい。 ***** パーン「うわあっ!何だこれはっ!」 エト「君は…パーンかい?ディードリットかと思った」 ディード「なっ!何よそれはっ!…って何よこれわあっ!あたしの身体が男にっ!」 スレイン「ふむ…流石はハイエルフ。男性になっても美しいですね」 パーン「ってあんたスレインなのか!?天女かと思った!!」 スレイン「言いすぎですよお嬢さん」 パーン「(かあっと赤くなる)」 ウッド・チャック「ふむ…まさかこんなことになるとは…これなら俺でも客が引けるな(とかいいつつ自分の胸をもんでいる)」 ギム「きっと昨日の宿で食った妙なキノコが原因じゃ」 全員「あんただけは余り変わらんな…」 ***** む〜ん、やっぱりビジュアルが無いと威力半減ですな。私の脳内ではディードリットみたいな風貌になっちゃったパーンとか出淵美少女になった可愛らしいエトとかが活躍しているんですが(爆)。 あ、言うまでも無いですけど「ロードス島戦記」とか「トラップ・コレクション」にこんな素晴らしい場面は無いのでそこんとこよろしく(*^^*。 流石にビジュアル一切無しで想像力を駆使して萌えましたみたいな話なので、数々のビジュアルショックを与えてくれた漫画や挿絵付きラノベあたりには分かりやすさで及ばないんですけど、妄想力…もとい、想像力が豊かな方にはオススメ。 2006.12.04.Mon. |
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