TS関係のオススメ本05-02
*アップロードする際に在庫を確認してから行ってはいますが、なにぶん古い本が多い為、時間が経過することで在庫切れになる場合もございますのでご了承下さい。 真城 悠 |
「僕と彼女の×××」(2002年〜・森永あい・マッグガーデン) |
皆さん好きな作家ベスト3を挙げよと言われたらすんなり出てきます? 私は「好きなSF作家ベスト3」はアイザック・アジモフ、フィリップ・K・ディック、ロバート・J・ソウヤーの三人になります(*^^*。 アジモフ博士は何と言っても「アシモフの科学エッセイ」シリーズが良かった。本当に「むさぼり読む」とはこのことか。これによって所謂(いわゆる)「科学者」が何を考えているかというか「どういうものの考え方をするのか?」が垣間見えた気がします。この辺りの感慨はハンター5号の性格にも反映されていたりします。 ディックはもう問答無用ですね。足元から「ずるり」と現実が非現実にすりかわるあの「ディック感覚」を思春期に体験してしまうともう抜けられません。実は「集団性転換パニック」も書いているのでその内レビューします。 そしてソウヤー。この方は数行で魅力を解説するのは無理。とにかく凄いんです。 え?グレッグ・イーガンはどうしたって? …う〜ん、凄いのは分かるんだけどやっぱり難しいんだよなあ…ちゃんとエンターテインメントしようとしてるソウヤーの方がやっぱり好みです。 何故こんな話から始まったかというと、実は私には「TS作品ベスト3」があるんです。 これだけ沢山の作品があってそこから3つなんて絞れるの?と思われるかもしれませんが、幾つかの基準を通して決まるものがあるんですよ。やっぱり。 勿論、「この世にこの3作しかなくてもいい」とか言う訳では無いんですけど、やっぱり「これかな」という作品はあります。 勿論、既存の作品に満足しないから自分で書いている訳だし、18禁ありなしで考えるとやっぱり違ってきます。 ここでは所謂(いわゆる)「少年少女文庫的」「真城の城的」な価値観で選ぶ上位3傑であるとお考え下さい。 第2位は12/23(土)に、第1位は12/28日(木)の朝に発表します。28日から2007/1/1までコミケで地元を離れてしまうので、その間の門番にはやっぱりベスト1が相応しいですから(^^。 そう、この「僕と彼女の×××」こそ栄光の第3位なのです。 どの辺が第3位なのかをじっくり解説して参りましょう。 |
お馴染みマッドサイエンティストの謎の実験装置による入れ替わりです。 上の二人はともかく、一番下のコマが元凶のマッドサイエンティストの 余りにも適当なデザインが素敵です(爆) |
イギリスの演劇のレベルが高いって話を聞いたことあります? 何でもかの国はシェークスピアのお膝元ですから芝居と言えばもうシェークスピアなんですね。 ところが国民的な作家ですからもう観客が全員ストーリーは把握しちゃってます。となると、やれ「ロミオとジュリエット」の舞台を現在に置き換えるだの、「ベニスの商人」のシャイロックを善人として描くだの色々と「趣向を凝らす」ことになります。 こうした創意工夫は当然レベルアップに繋がる…という寸法です。それが本当か嘘かはともかく、競い合うように同種の作品を作り続けることで自然とレベルが上がるというのはありそうな話です。 人類がフィクションを紡(つむ)ぐ様になってからというもの、何時(いつ)頃「入れ替わり」物語を想起したのかは定かではありませんが、かなりの数が描かれてきたのは間違いありません。 その間、ありとあらゆるパターンが試されることになります。 今にして思えば「おれがあいつであいつがおれで」は非常にシンプルな作りでした。少年の描写も少女の描写もステレオタイプ、中で描かれる性的倫理もまたステレオタイプです。 これを「原型」とするならば、そこに「逆接」の味付けを加えたタイプも台頭します。 それが「女性的な男の子と男性的な女の子が入れ替わることで、本来の性的イメージに合致した姿になってしまう」というパターン。 長年TSファンをやっていると、これも結構見るパターンです。 この「僕と彼女の×××」もこのタイプに該当します。 …が、この「男性的な女の子」の性格設定が半端じゃありません。 |
こんな性格ですが、惚れてます |
…これは「男性的」とかではなくて、純粋に乱暴者なんじゃないかという気がしてきますが、実際その通りです。 作者は女性らしいのですが、とにかく逆に女性で無いとここまで描けないんじゃないかという暴れっぷり。 |
怒鳴って狼藉を働いている男の中身は女子高生です(本当) |
…Σ(゜Д゜)!! 普通スカート履いてる妹(つまり女の子)に電気あんましますか!?。しかも他人の妹を!女の子(中身)が! 最初にこの場面を見た時には余りの衝撃に呆然としてしまいました。それこそレ○プされる場面はあっても電気あんまはありえないでしょう。幼少の女の子の股間に全力で蹴りを入れるって…ムチャクチャもいいところです。 つまり、この漫画のポイントは、舞台仕立ても構造も展開も設定も全てがありがちでありながら、余りにも過激(?)でぶっ飛んだ描写が凄すぎることなんです。 しかも入れ替わった女の子の側だけ。 これが凄いところです。これで両方とも倫理的にぶっ壊れていたんならばともかく、男の方はちゃんと(?)TSのお約束はこなすんです。 以下、着替え時のスキンシップ。 |
「自分でもまだちゃんと触ってないのに」ってあーた(爆) …ムチャクチャ色っぽくなっているあきら君(中身男)。「ああっ!」ってΣ(゜Д゜*)! 過激な性格だったことを知る同級生は戸惑うばかり |
あ、「目隠し入浴」イベントもありますよ。本人が恥ずかしいからだけどね。 |
「ちょっと待っ…」「そ そんな」「嫌」「そこは」「やめ…!」「あーっ!」 「見えないと余計に過敏になるから つい…」Σ(゜Д゜*)Ξ( ;´Д`)ハァハァ |
普通は萌えイベントなんですが、あたしゃ「目隠し入浴」でこんなに笑ったのは初めてです(爆)。 男の方はこんなに大変な目に遭っている(?)のに、普通はぴーぴー泣いたりして男よりもずっと落ち込むはずの女の子の側はもう「やりたい放題」です。もう、本当にそう言うしかない凄さ。 「少年少女evolution」なら単行本一冊掛けてやることをさらっと流しちゃいます。 |
な、何してたんですかー!! 「あんたはいいんだよ男なんだから」ってこの性格の悪さ(?)は凄すぎる |
ちなみにあきらくんの方もやることはやってるんですが、あくまでも淑女らしく(?)控え目です。 |
…これは恥ずかしい。ウフフって…。前の晩何があったんでしょう。 「ひとつ大人になりました」…Σ(゜Д゜)!! |
直接の描写は無いんですが、とにかく「分かってる」としか言いようの無いモノローグたち!…これはベスト3に相応しいでしょう。 ちなみに、桃井さんの方の暴走はあんなもんじゃ終わりません。 さっきまでの紹介でTSに免疫の無い読者はもう一杯一杯なのですが、その想像を遥かにぶっちぎる悪逆非道ぶりを見せているんです。 |
…もう言葉もありませんわ。TS作品追いかけて長いですけどね、男の身体になったのをいいことに手当たり次第女性とセックスしまくる女の子なんて見たことありませんよ! しかも、あきら君にしてみれば初体験(童貞卒業)だったのに、こんな適当な態度と台詞による説明だけで済まされるんです。 完全に神認定。…いや邪神認定(核爆)。 その後も、まっとうな価値観を持っている読者ならば胸を締め付けられる様な展開ばかり続きます(爆)。 とにかく「装置を直して元に戻してもらう」ことを生き甲斐に頑張るあきら君をゆすり続けるマッドサイエンティストとか、相変わらずのやりたい放題。 そして、あきら君はどんどん可愛らしくなっていきます。 |
変形の自爆場面。やっぱTS(入れ替わり)といえばコレでしょう(*^^* |
現在も連載は継続中ですが、現時点で既に真城には神認定。 何というか、我々みたいに神経が細い(?)のがちまちまと細かい心理の機微とかを書いているのを豪快に笑い飛ばす人間としての度量の大きさを感じます。 というか「萌える」とかよりも「呆れた」とか「驚いた」とかの比重が多い気もしますが、ともかくオススメなのは確か。 実は映像化もされています。 |
その意味では恵まれた作品。 漫画ももっともっと引用したい場面がてんこ盛りなんですが、この程度に留めます(*^^*。あとは本物を読んでのお楽しみ。 では、TSファン…少なくとも私(真城)は間違いありません…の大好物である、「ふとした仕草が可愛らしい元・男の子」の場面を紹介してお別れです。2006.12.16.Sat. |
ツ、ツインテールガカワイイ…( ;´Д`)ハァハァ |
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