TS関係のオススメ本06-03


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真城 悠


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ももえん。(2006年・一智 啓・芳文社)

 この世で最も大事なのは論理です。
 …というのは嘘ですが、少なくともTSに於いては論理はかなり大事です。

 論理の立て方には二種類があって、既存のパーツをやりくりして「これならTSの状況に出来るのではないか?」という「演繹法」的な考え方。
 逆に、「結果ありき」で無茶な設定を放り込んでその結果引き起こされる出来事を描こうとする「シミュレーション系」があります。

 後者の代表が先日ご紹介した「ハヤテのごとく! 第9巻」の「女装させる呪いの人形」がそうですね。
 ではこのももえん。はどちらでしょうか?
 これが「既存のパーツのみを使ってどうにかTS的シチュエーションを実現してみよう」というトライです。

何故か女子高に入学している弟

 女子高に弟が入学?そんなことが実際にありえるのでしょうか?
 

 つまり、弟くんは
共学化された女子高に入学した最初の年の男子だったんですね。

 これは現実にも結構起きていることで、去年の甲子園では余りにもインパクトのある名前の高校(「聖ウルスラ学園」)が出場していて話題になったことがありました。
 これはミッション系の女子高が男子を受け入れて共学化し、そこの野球部が甲子園出場を果たした為に起きた出来事。

 ということはこの
前提そのものは無理が無いということです。ただ一点、男子用の制服が用意されていないことを除いては

ちょっと信じられないことですが、こうした事態は実際にあります
 急に決まった共学化の為に男子用の制服が用意出来なかった例です。
 ただし、そういう場合は男子の制服が出来るまでは私服を許可するなどの暫定的措置が取られるのが普通で、まさか
強制的に女子の制服を着せて通わせるなどということをやったら人権問題で告訴ものです。

 …ま、要するにそういうギャグ漫画なのですよ。たるとミックス!」みたいな4コマ形式なのもこのジャンルではちょっと珍しいですね。
 しかも、それだけならばともかく、そういう風に通わされている3人の男子生徒たちは
正体がばれておらず美少女として通っているというスゴイ展開。
 
ば、ばれてねえよ!学校も説明くらいしろよ!         可愛い運命共同体(?)

 前提がそれほど厳密ではないし、何より
演繹型なのに無理があるのでそういう意味では濃い漫画であるとは言い切れないのですが、それは「アンパンマン」を見て「残虐度合いが足りない」と言っている様なものでしょう(えー。

 う〜ん、評論に困ります(*^^*。
 というのは、「かくかくしかじかだから面白い」という風な解説をしてみせるのがウリのレビューなんですが、そういう意味では強烈にプッシュする要因を明文化するのは結構難しいんです。

 しかし、
これはいいですね(*^^*
 男の子も女の子も可愛いし、誰も傷つかないハートウォーミングな女装コメディとしてかなり楽しませてもらいました。
 もしもタイムマシンがあって、過去の自分が買うかどうかを迷っていたら「未来の自分が言うけど、これは買って良し!」とお墨付きを与えるでしょう。

 上手く言えないんですが、「1日1TS」みたいなことをどうしてもTSファンって目指したくなるじゃないですか。というかやらんと収まらないというか…。

 そういう時に箸休めとして格好の素材だと思います。フェチ的要素は無いけどもひたすら可愛らしさに酔いましょう(*^^*。
 最後にシチュエーション的にかなり美味しい場面を紹介してお別れです。2006.12.27.Wed.

…平凡な男子中学生がそんな事考えてる訳無いよね( *´∀`)…
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