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TS関係のオススメ本08-09


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真城 悠


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BAR来夢来人
(1998年〜2003年・全9巻完結・池田 文春・集英社)

 「ライムライト」と言えば多くの方が連想するのはチャップリンの映画「ライムライト」でしょう。
 それをもじった名前のBAR「来夢来人」を舞台に次々にやってくるそれぞれの人生の事情を抱えた客さんにカクテルを調合して悩みを
解決したりしなかったり…というお話。

 それは「カクテル版の『美味しんぼ』」ということか?という疑問があると思いますが、概(おおむ)ねその通り。
 ただ、それよりもずっと「幻想」方面に偏っていて白昼夢とも思える
不思議な出来事が普通に起こるのがポイント。

 例えば、このBARの助手として後にレギュラーになる榊くんはいきなりこんなものを飲まされます。

TSファンならば「レディ・ジョーカー」という名前を聞いただけである程度覚悟が出来ます(爆)。

 それを嚥下した榊君は…もうお分かりですね。

「女になる」から「胸が膨らむ」というのはもうステレオタイプなんですが、
やっぱり分かりやすいです(*^^*。

 何しろ枚数制限のあるオムニバスなので、とにかく淡白。
 細かいフェチ的な描写にこだわっている暇は全くありません。

 女になった榊くんは迷わずその立場を利用して自らを騙した女に復讐を開始するのでした。



口調はそのまんまですが、多分女の子の声になっているのでしょう

 正にジェットコースター的な展開(ここでは余りいい意味ではありません)。


 あんなに不思議なことがあったのに、何事も無かったかのように「めでたしめでたし」で終わるというのが物凄いです。

そんな勉強はあまり役に立たないと思います

 ま、
「そういうもの」ということなんでしょう。
 ちなみにこの漫画では本当にこの「肉体変異」系のエピソードが多く、第一巻だけ取ってみても若返りエピソードがてんこもり。
 お酒飲んだだけでここまで突然変異が起こるのですね(違)。


 この「BAR来夢来人」にTS的な展開が含まれているということはTSファンならばみんな何となく知っていました。
 何故か色んなところで小耳に挟むんですよね。私だけかも知れませんが。
 ともあれ、
レギュラーであるキャラクターがよりによって初登場でTSしてその後何も無かったかの様にアルバイトとして収まっているというお話なのですが、何しろ「変身」が当たり前の世界なので、この「BAR来夢来人」というお店もまた「次元を超越した」存在

 沢山あるエピソードの中には、数十年前に全く同じ店の佇(たたず)まいを目撃した人間も多数。
 どの時代においても全く姿が変わらない店主の沙羅も実にミステリアスな存在です。

 実は第一巻での榊くんのTSが有名なこの作品ですが、実はもう一編物凄いのがあります。
 それが第四巻に登場するルポライターのお話。
(*今回のお話は余り後味が良くないので、それが嫌な方は飛ばして下さい)

 わが国を代表する劇画「ゴルゴ13」に於いても、「ゴルゴの正体は誰なのか?」といった「出自エピソード」が一定周期で登場するのですが、その「来夢来人版」ということですね。

 何しろ所謂(いわゆる)「トップ屋」ですので、面白そうなネタには何でも食いつきます。
 遂に発見したBAR「来夢来人」で沙羅に出会うことが出来たルポライターくんはこんな所業に出ます。



 わが国に数多(あまた)存在する「ブラック・ジャック」に材を取った「流れの○○」系の漫画においては、決して主人公を「試す」様なことをしてはなりません(*^^*。
 大抵手痛いしっぺ返しが待っています(爆)。

 果たしてルポライターくんの肉体はこの様なことになります。

定番のうろたえ方ですが、キャラデザインがいい感じに男性的な
ところも残しているのでかなりポイント高し(^^。

 本当はこの後の描写も沢山スキャンしたいところ(*^^*。
 何しろ彼は女物なんて持っていないこともあって「男装した美女」状態で街中を歩いたりすることになるんですが、この場面場面がかなり的確にツボを押さえていていい具合なんですよ(*^^*。

 それはともかく、この時点ではまだ彼は決定的なタブーにまでは踏み込んでいなかったと言えるでしょう。
 恐らく数日で元に戻ることが出来るか、或いは記憶を消される程度で済んだと思います。
 ところが、図書館その他でこの「BAR来夢来人」が数百年を経ても人類の歴史に度々登場していることを突き止めるに至って、完全に調子に乗ってしまい、
取り返しの付かない言動に出ます。

 元々この謎のバーテンダー、沙羅(さら)はやってくるお客を
必ずしも幸福にはしません。中には「因果応報」的に酷い目に遭わされる人もいますし、「結局どうだったんだろう…?」と腑に落ちない様なエピソードも多数。

 ただ、多くの場合は何らかの人生のサプライズを受けて新たなる道を歩み始めるもの。
 ありがちではありますが、その条件とは
「純粋であること」なんですね。
 彼みたいに、「沙羅の正体に迫る」という
完全に死亡フラグが立つ行為に及ぶのみならず、欲望に駆られての強請(ゆす)りまで行ってしまいました。

 もう間違いなく助からない訳ですが、今回はちょっと
ヒド過ぎます。

 謎の扉をくぐったルポライターくんは何と
中世のヨーロッパへと時代を越えて送り込まれてしまいます。
 それだけでも十分苛烈ですし、その先にもちゃっかり存在している沙羅と「BAR来夢来人」にも呆れるんですが、何と彼は
「魔女疑惑」を掛けられてしまうんですね。

 この時代の魔女裁判の狂気ぶりは改めて私が書くまでも無いでしょう。
 何と捕まった彼は茶番の魔女裁判の後、拷問によって無理矢理魔女の自白をさせられてしまいます!

 ちょっと目を覆わんばかりの拷問ぶりですが、これで最後には現代に戻ってきて「あーヒドイ目に遭った…もう二度と「来夢来人」なんかにはかかわらねえぞ…」と放り出されて終わるところでしょう。
 普通なら。

 ところが何とそんな甘っちょろい結末にはなりません。
 何とこの後本当に磔(はりつけ)にされて、
火あぶりの刑で焼き殺されてしまうんですよ!

 …なんと言うか、ちょっと
余りにもヒドイんじゃないかと。

 確かに物語的には「来夢来人」の秘密に余り迫ってもらうのは困ります。
 欲望をむき出しにして取引を仕掛けるのも言語道断。しかし、
ここまでするほど許されないことなんでしょうか?

 私は常々漫画や小説などのフィクション世界でのTS(性転換)展開ってのは、どこか甘酸っぱい「痛し痒し」感覚がいい!と言って来ました。

 「女になるなんて嫌でたまらない…
けどちょっといいかも」と読者に思わせてナンボなんではあるまいか。
 ところがこれでは「痛し痒し」ではなくて
「痛し痛し」です。
 いいこと一つもありません(爆)。

 
そこで真城ビジョンですよ
 私ならば「レディ・ジョーカー」を飲ませて無理矢理女にする、ここまではやります。
 そして過去の世界に飛ばして現代に戻ってこれなくする、ここまでは同じ。
 さて、ここからをどうするかです。

 …さあ、皆さん考えて見ましょう?皆さんならどういうストーリーにしますか?

 窮屈な「かごの鳥」にしちゃって、女として残りの人生を過ごさざるを得なくするんです。
 しかし、恐らく放って置いたらそうなるであろう娼館にぶちこまれて…というのではありきたり。そんなんじゃ駄目です。
 もっと
痒いところに手が届くいたぶりかたじゃないと(鬼)。

 私ならば
どこかのお姫様の身体の中に入れちゃいます。
 勿論目が覚めた時には

「な、なんだぁ!?こ、これはぁ!?」

 とうろたえまくりです。
 しかし、毎日メイドさんにお風呂に入れてもらったり、日々きらびやかなドレスで着飾って舞踏会とかに参加しなくてはならない生活が続きます。
 当然、元は男ですから精神的には抵抗する訳ですが、徐々に状況に流されて行ってしまいます。

 しかし、こんな窮屈な生活は嫌だ!と日常的に脱出しようとしたりしてオオモメにモメる修羅場の日々。
 王様も王女様も一人娘の姫のご乱心に心を痛めます。

 しかし!政略結婚相手として紹介された王子様の余りの素敵さに
少女として胸がときめいてしまいます!
 デートを重ねる内に徐々に彼への恋心抑えきれず、遂に嫁入りを決意します。

 ラストの場面では国民全員に祝福された国を挙げての結婚式に純白のウェディングドレスで参加した元・ルポライターくんは元の世界に戻ることを完全に諦め、王女として生きて行くことを決意し、一筋の涙と共に満面の笑顔を浮かべます。

 そして、その国は夫婦円満の王族によって沢山の子宝に恵まれて、末永く平和に発展したのでしたとさ…。

 とまあ、こんな具合にしますね。私なら。
 あ、勿論こんな展開は「BAR来夢来人」には
欠片(かけら)も無いのでご注意を。

 そんなこんなで色々問題はあると思うんですが、肉体変異系のネタが豊富な「不思議なお話」に幾つもTS系のお話が仕組まれていましたよ、ということで(*^^*。
 お酒の雑学も多いので、興味のある方は是非。

2007.02.04.Sun.
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