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TS関係のオススメ本09-01


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真城 悠


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震える血(リチャード・マシスン他・2000年・祥伝社)

 あちらで編纂された「エロティック・ホラー」書下ろし短編集なんですが、とにかく執筆陣が恐ろしく豪華なのがポイント。
 こけおどしみたいですがつらつら並べてみましょう。

グレアム・マスタートン…映画「マニトウ」の原作者
リチャード・マシスン…代表作が多すぎるのでこの辺を参照
F・ポール・ウィルスン…映画「ザ・キープ」の原作者
ロバート・R・マキャモン代表作が多すぎるのでこの辺を参照
リチャード・クリスチャン・マキャモン…「特攻野郎Aチーム」「ナイトライダー」とかの脚本家
ハーラン・エリスン…
世界の中心で愛を叫んだけもの他の作者
ゲイリー・プランナー…映画「ハウリング」の原作者
ロバート・ブロック…
映画「サイコ」原作者

 要するに「エロを絡めた怖い話」を一流作家に書き下ろしで書いてもらおうという企画だったそうで、「〜BLOOD」というタイトルで既に10冊も刊行されているそうです(邦訳はあと「囁く血―エロティック・ホラー」と「喘ぐ血」の合計3冊のみ)。

 私みたいなB級映画にちょっとだけ詳しい人間からみると「懐かしい!」作品ばかり(^^;;。つーか「マニトウ」とか「ハウリング」に原作小説が存在したなんて知らんかった。
 ともあれ、一体どんなツテなのかリチャード・マシスンやらマキャモンまでいますよ!
 彼らが腕を競ってエロティック(とはいうものの、ポルノ小説ではないのであくまでもエロは小道具です)でホラーなお話を提供してくれたのが本書。

 そして…あったんですねえ
モロ該当作が!

*今回のレビューはある意味ネタバレを含んでおりますので、どうしても知らずに読みたい!と言う方はここから先は飛ばして下さい*

 いきなり巻頭に掲載されているグレアム・マスタートンの「変身」がそれ。
 …それにしてもそのまんまなタイトルですな。

 実はこのお話は、我々TSファンにとっては
物凄く読みなれたお話だったりします。
 旅行先で謎の美女に誘惑されてそのままベッドに…ところが性交渉をして、
ふと目が覚めると自分の身体が女に!!
 そして、さっきまで美女だった存在はすっかり男になっていた…。
 美女になってしまって茫然自失している主人公にその男はこう言い放つのでした。

「オレもこういう風に女にされたんだよ。でもって男とセックスすると元に戻るんだ。君も同じように男をひっかけるんだな」(大意)

 
ああ、またかって感じでしょ(^^;;。

 本当にこういう筋立ての漫画とか多いんです。
 特に書下ろしの(エロあり)漫画とか、性交渉場面があって、しかも少しブラックなオチが付き、しかも一応の統合性がつくことから多用されております。
 私など余りにもしょっちゅう読むのでこれを勝手に
『代替わりもの』と呼んでいるほど。
 確かに
一応はバッドエンドなんだけど、元に戻る方法は明確だし救いがないとも言い切れない。
 その上元に戻るには女の立場であんなことをしなくちゃならないなんて…と、「痛し痒し」まで抑えている優秀なストーリーではあります。

 ところが!
 
恐らくTSファンではないであろうマスタートン氏の筆はここから冴え渡ります。

 普通は女にされて「どうしよう…」場面で終わるんです。こういう話は。
 ところが「変身」は
ここからが真骨頂

 変身直後の自分の身体の異変に気付くねっとりとした…それでいていやらしすぎない…描写!
 現実感を喪失して、背筋が冷たくなるとか、もう一度夢に入って目覚めようとそのままカーペットに顔を押し付けてその姿勢で寝てもう一度目覚めてみたりなんかは
経験あるんじゃないの?と思うほどのリアリティ。

 また、設定も一風変わっていて「女性」を押し付けた元・男はなんと「その立場を入れ替える」んですね。
 ですから、今回の主人公の家族の元に何食わぬ顔で戻っていくことになる訳です。

 この設定はちょっと目新しいですね。確かに18禁漫画なんかでは根無し草がこの被害に遭う例が多かったので余り気にしていませんでしたが、論理的にはそうなります。
 そして、この「代替わり」はそこに書き付けられていた日記で確認出来ただけで
700人以上に登ることが判明。
 ここに書かれているこの「代替わり現象」の考察がいかにも西洋人っぽくて面白いですよ!

 更に、一人になってからの自分の身体を触る描写とか、嫌々ながら女装をするシーンとかが本当に丁寧に描かれているのには感服しましたねえ。
 ホンの一部だけ引用。

***
 抽斗いっぱいのレースや未知の素材のブラジャーを探し出し、着けてみる。背中でホックを留めようとするまえに、どうしても乳房の重量でブラがずりおちてしまう。しかたなく、ひざまずきベッドのキルトの上に乳房を載せて安定させ、ようやく着け終えた。アンナ(引用者注:劇中の「代替わり」している人物が名乗っている名前)のレース織りの小さなパンティ(Gストリングス)をはいてみる。尻の間に伸縮素材がくいこみ刺激感があったが、こればっかりは慣れるしかなさそうだ。
(40ページ)
***

 …どうです?凄いでしょ。
 これでも一部ですよ。
 この作業をしたりする間にも泣いたりわめいたり大変なのもリアル。
 何と言っても「女になればハイヒールなんて余裕だろ」と高をくくって履いて歩いてみたらいきなり足首をひねってあきらめるとか
「お約束」の場面もちゃんと抑えてます。

 ラストも「え?こうなるんだ!?」という、「代替わりもの」を散々読んできた人間でもあっと驚くサプライズと、そしてブラックな幕切れが待っています。

 他の作品もビッグネームばかりで粒揃いなので面白いですよ!ちょっとだけいやらしいので「18歳以上推奨」ということで、でもオススメ!
2007.02.27.Tue.
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