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TS関係のオススメ本10-01


*アップロードする際に在庫を確認してから行ってはいますが、なにぶん古い本が多い為、時間が経過することで在庫切れになる場合もございますのでご了承下さい。
真城 悠


・スポンサーサイトもご覧ください。



魔法少年マジョーリアン
(2007年〜・石田敦子・双葉社)1巻続巻
魔法少年マジョーリアン 1 (1) (アクションコミックス)
魔法少年マジョーリアン 1 (1) (アクションコミックス)

 作者の石田敦子さんのプロフィールは以下の通り(「」内全てWikipedhiaより)。

「石田敦子(いしだ あつこ、1963年8月9日 - )は広島県福山市出身のアニメーター、漫画家、およびイラストレーター。血液型A型。
作品:
テレビアニメ
さすがの猿飛(1982年) 動画
プラレス3四郎(1983年) 動画
らんま1/2 (1989年) 原画 
老人Z (1992年) 原画
伝説の勇者ダ・ガーン (1992年) 作画監督
勇者特急マイトガイン (1993年) キャラクターデザイン・作画監督
勇者警察ジェイデッカー (1994年) キャラクターデザイン・作画監督
魔法騎士レイアース (1994年) キャラクターデザイン・作画監督
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- (1996年〜1998年) 原画
神八剣伝 (1999年) キャラクターデザイン
銀装騎攻オーディアン (2000年) キャラクター原案
成恵の世界 (2003年) アイキャッチイラスト・原画
サムライチャンプルー (2005年)原画
ほか」

 押しも押されもせぬ
アニメ界の大スターです。そしてこの頃は漫画ジャンルにも精力的に進出中。お得意のアニメ業界を舞台とした『アニメがお仕事!』などの作品もあります。
アニメがお仕事! 7 (7) (ヤングキングコミックス)
アニメがお仕事! 7 (7) (ヤングキングコミックス)

 「アニメーターが漫画を描く」という意味においては過去に類例がかなりあります。
 今やアニメーター、キャラデザイナーというよりは「漫画家・イラストレイター」となられた安彦義和先生とか。
(4)ヴィナス戦記 オリジナルサウンドトラック
<ANIMEX Special Selection>(4)ヴィナス戦記 オリジナルサウンドトラック

 国際的人気のカルト漫画「ファイブスター物語」の永野護氏とか。
ファイブスター物語 (12)
ファイブスター物語 (12) 永野 護

おすすめ平均
starsクリスの台詞が良い
stars「FSS」は好きだけど
starsコートームケイ(荒唐無稽)だろうとなんだろうと好きなんだよ?(泣)
stars騎士ひとり生かすに・・。
starsいい台詞がちらほら

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 などがそう。
 ま、何と言っても成功例としては「風の谷のナウシカ」が挙げられるでしょう。
ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」
ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」 宮崎 駿

おすすめ平均
stars哲学としてのナウシカ
stars北斗三兄弟
stars映画とは比べものにならない手ごたえを感じた物語
starsもっと世間に知られるべき作品
starsとにかく凄い!

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 この漫画のアニメ化を推進するために、まだアニメージュスタッフだった鈴木プロデューサーが特別にスタッフを編成し(その中には若き日の庵野秀明氏も)、それが「スタジオジブリ」の原型となった…という一連の流れは正に日本のアニメ史そのものです(ということで「風の谷のナウシカ」はスタジオジブリ作品ではありません。正確には「天空の城ラピュタ」以降)。


 では、漫画家・石田敦子とはどういうクリエイターなのでしょうか?

 今回取り上げる「マジョーリアン」が連載されているのは「コミック ハイ」(双葉社)。
コミックハイ ! 2007年 9/22号 [雑誌]
コミックハイ ! 2007年 9/22号 [雑誌]
双葉社 2007-08-22
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 この
魔法少年マジョーリアンはリアルタイムに連載されている現役TS作品ということでTSファン界隈ではかなり話題になって八重洲さんのところでは毎号掲載される度に「速報」が掲載されていたものです。

 この
「少年が「魔法少女」にならざるを得なくなる」というシチュエーションは21世紀に入る頃から非常にメジャーな設定となって来ました。

 もともと「TSもの」はどこか
SF・ファンタジーの匂いを漂わせながら、後腐れなく、非現実的なカジュアルな性転換の擬似体験でなくてはなりません。
 何故こう言い切ってしまえるかと言うと、これらの条件を全て否定すれば「そうしたフィクション」(女装・性転換)そのものは結構存在はしているからです。

 決して表立って商業ルートで流通することはないけど、熱心に読まれている『そうした』小説郡。
 それこそインターネットなんて影も形も無い時代から、神田神保町の一部の書店ではその手のマニアが編纂した、同人誌に毛が生えたような「雑誌」を手にすることが出来ました。
 利益を出す為にどうしても単価が高くならざるを得ないこれらの「アングラ雑誌」にはそれこそ女装や性転換が渦巻いていた訳ですが、こうした内容の小説を「らんま1/2」みたいに「気軽に楽しみたい」作品で満足している読者が楽しめるかと言われると
中々厳しいものがあります。

 私も都会に出て来た直後はそれなりに読ませていただきましたが、最初の内は刺激的だったものの、どうしてもストライクゾーンがずれているために次第に疎遠になっていきました。
 どうにも生々し過ぎるんですね。それに、当たり前だけど弾けるものが無い。
 また「望まない」ってところが一番違っていて、明らかに「そちらの願望を成就する」筋立てになっていたりすると別の世界のお話みたいです。

 極論ですが、ロリコンの方々は自らの趣味を忠実に実行してしまうと犯罪者になってしまいますが、我々TSファンはそれはありません。
 理由は簡単。だって、我々は華代ちゃんじゃないので、少なくとも「目の前でムクムクと変わっていく」性転換など不可能だから。

 現在原稿を書き溜めているところですが、「らんま1/2」がカジュアルなTS(性転換)コメディの地平を切り開いたことは間違いないでしょう。確かに「うる星やつら」などにも度々登場しましたが、あくまでもイレギュラーであるという位置づけであり、主人公の少年自身が不随意に少女に変身してしまう大前提で続くものではありませんでした。
らんま1/2 TVテーマソングス コンプリート
らんま1/2 TVテーマソングス コンプリート YAWMIN KUSU KUSU 中嶋美智代

おすすめ平均
stars無差別格闘的良曲集
starsね?「乙女塾ふたたび」の時に述べたとおりでしょう?
stars最高です。
stars買って損はありません!
starsらんまファンは絶対買うべし!!

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 ちなみにわが国はこうした性的に微妙なモチーフに対して非常に寛大なところがあります。アメリカにおいては「らんま1/2」などは「子供の精神の発育に悪影響を及ぼす」として年齢制限がつけられています。

 
「基本的には嫌がっているけども、でも仕方なくやらされる女の子役」という意味では「魔法少女」という位置付けは正に絶妙でした。
 「けんぷファー」の様に「その立場になるには少女でなくてはならないが、
たまたまその役を仰せつかったのが少年だったので、必然的に少女に変身しなくてはならなくなった」という大義名分が立てやすいんです。
けんぷファー 5 (5) (MF文庫 J つ 2-5)
けんぷファー 5 (5) (MF文庫 J つ 2-5) 築地 俊彦

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おすすめ平均 star
star物語の折返し地点な話かな。
star読み手を選ぶようになってきたかな?

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 また、「魔法少女」というモチーフそのものが非常にねじれた構造を持っています(魔法少女ものに関わる方々への人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。

 正直、この辺りの分析は難しすぎるので本職のアニメ評論家先生に歴史を紐解きながら行なって欲しいところですが、一つだけ確実に言えるのはこの場合において
「少女である」ことは決してハンディではないのです。

 普通に考えるならば、こと「戦う事」に限って言えば肉体的に女性であることで有利になることなど何もありません。
 腕力や頑丈さもさることながら、体格の違いによる体重の軽さなど、有利なところなど皆無です(*)。
(*女の肉体に於けるハンディを逆利用した格闘術については、「エルフを狩るモノたち」の「入れ替わり」が起こった状態でレクチャーがなされています。巻数を忘れてしまったのですが…すみません)
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エルフを狩るモノたち (15) (Dengeki comics) 矢上 裕

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 ところが、
「魔法少女」たちは「少女であるにも関わらず」「それを乗り越えて」戦うのではなく、「少女であるからこそ」の強みを最大限に発揮して戦い抜きます。

 それが「魔法」であったり色々とある訳ですが、ともあれ、こと「魔法少女・少年もの」とでも言うべきジャンルに於いては
「少女への変身」は「強いものへの変身」という位置付けで使われている訳です。
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おキツネさまでChu 4 (4) (チャンピオンREDコミックス) 速野 悠二

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おすすめ平均 star
star最終巻

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*八重洲さんも注目の「おキツネさまでChu!」。
この辺になると「女の子に変身する」デメリットが何ひとつありません。
純粋なプラス形質の獲得となってます。

 これは「ウルトラマンに変身する」のと物語り内の使われ方において全くの同義である訳です。
 
変身後の姿が美少女であるというだけで。
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おすすめ平均 star
star廉価盤を出して欲しいのに
starうーん。

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 こう考えてくると「時代は変わったなあ」と言わざるを得ません(^^。
 アメリカにも「変身ヒーロー」は沢山います。スパイダーマンやバットマン、スーパーマンなどがそれに当たりますね。
 ま、もっとも、スパイダーマンやスーパーマンは元々超人なので、正体を隠す為の「扮装」をしているだけですし、バットマンの衣装は「単なる衣装」でしかなく、本人が超人になるわけではありません。
 ただ、ここでは「変身して超人になる」構図は維持されているという意味で引いていますのでご容赦を。

 ではアメリカにおいてアメコミや実写映画において
「民衆の危機にスーパーガールに変身して活躍する青年」の物語が成立するか?といえば多分成立しないでしょう。アメリカンジョークの対象にしかなりません。少なくともビッグ・バジェット(大予算)映画へのそんな企画はまず通らないと断言出来ます。
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スーパーガール スペシャル・エディション ヘレン・スレイター フェイ・ダナウェイ ピーター・オトゥール

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stars日本語吹き替えは石川秀美さん?
stars出てたんですか!DVDが
starsこれを観ると最高に元気が出ます!!
starsとうとう出る待望のソフト

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 何やかやいってもマッチョイズムの国です。未だに他人を馬鹿にする際に「このオカマ野郎!」というのが立派な罵倒になるのですから。
 そもそも「女になる」として「男でなくなる」というデメリットの方が強調され、「変身して超人になるのはいいが、
何故女になる必要が!?」と言われてしまうことでしょう。


 ただ、その日本人にしても「少女への変身」をデメリットだとかマイナスポイントではなく、一方的なメリットであると解釈する「魔法少女もの」が
特殊なジャンルであることは間違いありません。
 以前にも紹介しました「シュヴァリエ」ですが、これなどは
「女装仮面ライダー」とでも言うべき作品。
 「詩人(ガーゴイル)」の出現に合わせて「亡くなった姉の姿」に変身して戦うというゴシック・ロマンですが、その
「変身シーン」はまんま「女装シーン」なのです。
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シュヴァリエ 1 (1) (マガジンZコミックス) 冲方 丁 夢路 キリコ

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stars書店で一見>アニメ見る>漫画読む
stars注意点
starsワンパターン?
stars実在の人物を元にした娯楽作
stars個性的な魅力

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* 特に念入りに「変身シーン」が描かれた第1巻。

ドレスに袖を通し、スカートからハイヒールを覗かせ、コルセットを締め付けるこの人はれっきとした男性(*^^*
このくびれたウェストがたまりません…ってこれは何の漫画なの?
(「分かった上で敢えてやっているツッコミ」ですので、作者の方々への人格攻撃や誹謗中傷ではありません)

 ちなみに「前日談」を描くアニメ版が存在します。
シュヴァリエ Vol.1
シュヴァリエ Vol.1 泰勇気 水野理紗 成田剣

おすすめ平均
starsハイセンスなアニメ出たーー!
stars映像美がすごすぎるんですよ。
starsSFに抵抗が無いのなら
starsFateうたわれるものと比べる
stars良作だな!

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 受験勉強真っ最中だった私は視聴しておりませんが、「ニュータイプ」誌上において、原作者のコラムの挿絵に
「最近女装が板に付いてきたな…」という自虐ギャグが掲載されていたところを見ると、アニメでも頻繁に女装していたみたいですね(^^。

 厳密には「変身」というよりは「降霊術」に近く、自らの身体に姉の精神を憑依させて(この時、肉体も完全に女性のものに変身)戦うので、基本的に変身中は自らの意識はありません。
 が、体型矯正までして
女装した状態で降りてくるのを待ち構えなくてはならず、その「女装行為」部分は完全に男の意識のままで行わなくてはなりません。
 数ある「変身もの」の中でも
相当難儀な変身方法であるのは論を待たないでしょう。
 つーかこれは辛い…。
「変身準備」状態を目撃されたら完全に変態です。

 これがコルセットでウェストを締め上げてくびれさせた上に露出度の殆ど無い豪奢なドレス女装なのでかなりサマになっていますが、体型も露でセクシーな網タイツのバニーガールの格好とか、バレリーナのチュチュなどに女装して待ち構えなくてはならない…という設定だとしたら、どれだけシリアスなストーリーを展開したとしても…少なくとも
絵面的には相当間抜けなものにならざるを得ないでしょうね。
 閑話休題。


 前置きが長くなりましたが、魔法少年マジョーリアンです。
 この世界で「マジョーリアン」を仰せつかるのは2人の少年。鷺乃宮マサルと久米河イオリ。
 彼ら二人組が街を破壊して暴れ回る怪獣を倒すために「魔法少女」に変身させられます。

 突如現れた人間の言葉を理解する謎の宇宙人に変身する役割を背負わされる主人公たち。
このパターンは「ウルトラマン」から変わりませんね。

 この「変身シーン」の
「嫌がりながらもセクシーな女の子の身体になってしまう」描写におけるディティールやその表情などは、すれっからしのTSファンも瞠目させるものがあります。

Σ(゜Д゜*)!!

 これが第一話の一番最初に描かれた変身シーンの描写。Σ(゜Д゜)コレハスゴイ…。

 「魔法少女」そのものにそれほど詳しい訳では無いのですが、変身のパターンとして

「少女」→「少女」
「少女」→「大人の女」

 の大きく分けて2つのパターンがあると思います。
 前者に関しては当然セクシャルなものは感じられない演出になる訳ですが、かなり多くの作品では実は結構セクシャルな表現に踏み込むものみたいです。

 そもそも我々は一口に「魔法少女もの」と言ってしまいがちですが、実は変身後も可愛らしい姿を維持する「ミンキーモモ」、「カードキャプターさくら」系の「変身少女」ものと、「キューティーハニー」「美少女戦士セーラームーン」系の「(変身)戦闘美少女」ものがあります。
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star一種、現状肯定的な擬似宗教、擬似インテリ
starオタク学に登場した革新的名著

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 私が観るところでは、この所のTSがらみの「少年魔法少女」ものは、この両方の要素が入っているみたいですね。
 ちなみに次回予定の「ブロッケンブラッド」は「クリーミィマミ」系の「変身アイドル」路線ということになります。

 ジャンルの先駆けである「キューティーハニー」では一度全裸になる様に見える表現があり、一緒にテレビを観ているお父さんがたをかなり喜ばせたそうです(同種の工夫は「タイムボカンシリーズ」などにも凝らされていました)。

 この所の「少年魔法少女もの」の原型であろう「美少女戦士セーラームーン」でも体型も露なシルエットでの変身シーンは明らかに「煩悩の刺激」を狙ったものでしたし、その意図はかなり達成されていました。
 この後に書く記述と矛盾するんですが、この「変身」は「女の子」の「大人の女に早くなりたい!」という願望を掬い上げた演出であると考えられます。
 だからこそ「過剰にセクシー」に見える演出なのですね。普通に考えればあの年代の女の子があそこまでメリハリのある体型であるはずがありません。

 もう一度変身コマを見てみましょう。

 …Σ(゜Д゜)!!

 …( ;´Д`)ハァハァ。

 む〜ん、これは
連載開始と同時にTS界隈が盛り上がるのも当然ですわ。

 極論すれば
この変身シーンだけあれば後は何もいらないくらい凄い変身シーン。言い過ぎかもしれませんが、「TS漫画」がたどり着いた一つの到達点かもしれません。

 次のページも観てみましょう。

 
これは…すごいですね

 これは一応「性転換シーン」ではあるんだけど、同時に「変身シーン」でもあります。それは「毎回経験するお約束」のシーンだってこと。

 もう書いちゃって構わないと思うんだけど、
全裸になってしかも汗だくで苦痛に頬を赤らめながら身悶えつつの変身ってのはもう明らかにセックスを思わせます。最後なんて「絶頂」に達していますよ。

 「セーラームーン」とかでも体型も露に変身シーンが描かれてはいだけど
こんなにあんあん言ってませんよね?

 もっというと「女の身体に変身させ“られて”」いるわけで、ということは望まない(自主規制)をされていることに……後は察してください。

 
れっきとした男の子が全裸になった状態で苦悶に顔を歪めて「あんっ!」とか言いながら胸が「ぼろん!」と乳房になって盛り上がる…TSファン以外には悪夢みたいな変身シーンです。
 そして
TSファンには天国みたいな変身シーンということに…( ;´Д`)。

 変身時に「苦しむ」ヒーローと言えば「宇宙の騎士テッカマン」が有名ですが、
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starうーん、なつかしい!
star今思い返せばかなりハードSF
starタツノコアニメのシリアスSF

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それの「性転換」版
というところでしょうか。

 
「らんま」が水を掛けられて女に変身する際に顔を赤らめて「あんっ!あんっ」とか言うか?と言えば言わないでしょ?
 そこがいいんですよそこが!(落ち着け)

 これが変身完了後の姿。
「きゃー」言ってますけど明らかに喜んでますね ( *´∀`)…。

 石田先生ご本人が相当自覚的に描いていらっしゃる通り、今やこの構図(魔法少女に変身させられる少年)は少なくとも
「斬新なアイデア」ではありません
 「男の子が魔法少女に任命されちゃうんだ!どうだ!凄い趣向だろう!」といわれても、10年前ならば「凄い!」と驚いてもらえたかもしれませんが、現在では「またか」と言われてしまいます。

 ここではこれを持って「二番煎じだ」とか「アイデアのパクりだ」と糾弾する積もりではありません。
 この「枠組みそのものに自覚的」な姿勢は、この後取り上げます「ブロッケンブラッド」と表裏をなすものなのです。

 どういうことかというと、作者の石田敦子さんにとって
「魔法少女に変身させられる男の子」というのは自らのテーマを作品で表現するためのモチーフに過ぎないからです。
 ついでに言及しておきますと、それでいてあれだけ萌え萌えな描写で楽しませてくれるのですから正にエンターテイナーというところですね(^∀^)ノ!

 なので、「何故魔法少女なのか?」とか「何故戦わなくてはならないのか?」とか「どうして男の子が任命されたのか?」といった
物語上当然要請されてしかるべき必然性がことごとくおざなりにされているんですね(*必ずしも非難ではありません。理由は後述)。

 例えば「怪獣」の描写です。
 第一巻に登場する怪獣は全部で8種類です。列記しますとこんな感じ。
  

  
 

 モチーフがモチーフなので、意図的に「特撮もの」独特のいい加減さというかパロディ精神が濃厚なのですが、別にそんなところまで踏襲する必要はありません。

 むしろ、やるならやるで「仮面ライダークウガ」の様にこれまでのお約束を完全に噛み砕き、全てに必然性を付与せんと格闘する道もあったはずです。
仮面ライダー クウガ Vol.1
仮面ライダー クウガ Vol.1 特撮(映像)

おすすめ平均
stars空我復活
stars昔からのライダーファンとして
stars特撮だからってなめない方がいいです
stars空我
starsここから始まった。

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 しかし、少なくとも魔法少年マジョーリアンはそういう趣向には全く走っていません。
 没個性もいいところの「怪獣」たちはロクに名前すら与えられず、「苦戦」→「弱点の発見」→「得意技で撃退」という「お約束のパターン」すら辿りません(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。

 それに、本編中に一応は8体登場するのですが、実は「描かれていない場面において大量に退治している」ことを匂わせる描写があるんです。

*怪獣を倒すと「鍵」が出現するのですが、それをこんなに集めている…というコマ

 実は最初に読んだ時に引っ掛かったのはまずこの点でした。
 
どうして石田先生はそこまでディティールに興味が無いんだろうか?と。
 (*人格攻撃や誹謗中傷ではありません)

 例えば、魔法少年マジョーリアンにおいては「怪獣」の統一呼称も第7話まで長らく提示されず、「必殺技」なども名前もありません。

 例えばこの怪獣などは、マリリン・モンローを模したスカートを履いた怪獣に対して「手鏡フラッシュ」なるこの回のみの「必殺技」で倒しています。

 これは明らかに某大学教授が駅構内で女性のスカートの内部を手鏡で覗き見ようとしたかどで逮捕された一連の事件の
風刺になっています(Wikipediaより)。

「植草 一秀(うえくさ かずひで、1960年12月18日 -)は、日本の経済評論家・経済学者。専門は、日本経済論・金融論・経済政策論

 2004年4月8日、早稲田大学大学院公共経営研究科教授であった時に、品川駅のエスカレーターで女子高生のスカートの中を手鏡で覗こうとしたとして逮捕された不祥事がマスコミで扱われ広く人々に知られた。この影響により2004年5月7日に、早稲田大学教授職を退き、表舞台から去る。公判の中で検察側は被告人が1998年6月に東海道線横浜駅〜品川駅間で痴漢行為をおこし神奈川県迷惑防止条例違反で罰金5万円の刑を受けたことを明らかにした。また、捜査において収集した証拠から被告人の特異な性的嗜好を公表した。それらはマスコミによって公衆にさらされた。」

 
大衆娯楽作品が現実の風刺を含むことそのものはよくあることです。
 
「ドラえもん」で「ロッキード事件」をパロディにした回もありますし、ハイジャック事件をモチーフにした回すらあります。

 「キン肉マン」に登場する「超人」は常に流行物を取り入れています。例えば主人公の「キン肉マン」の本名は「キン肉スグル」ですが、ジャイアンツの投手「江川卓(えがわ・すぐる)」からの引用。
 ウルフこと千代の富士がブームになれば「ウルフマン」(アニメではリキシマン)が登場し、ウォークマンがブームになれば「ステカセキング」、エリマキトカゲがブームになれば「スニゲーター」…という具合。
 もしも連載時期が違ったら「ファミコンマン」が出ていたそうです。

 大衆娯楽作品が当時の社会情勢を反映するのは当然で、だからこそ大ヒットする訳です。例えば映画「インデペンデンス・デイ」に登場する
巨大UFOですが、あれは「世界唯一の超大国」となったアメリカそのものを暗喩していると言われています。

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 なので、絵空事には違いない「魔法少女もの」たるこの作品で一種の社会風刺或いはパロディが描かれることそのものはそれほど問題ではありません。

 ただ、もし仮に「新世紀エヴァンゲリオン」に上記イラストみたいな、スカートを履いた状態の敵が現れて、
ミサトさんが「この敵には手鏡で攻撃よ!」とかいう「作戦」が展開されたらどう思います?
 少なくとも「いい年こいた大人」は
アホらしくて観てられないでしょ?

 
私はロボットアニメを「ガンダム以前・ガンダム以後」に分けてガンダム以前を闇黒時代みたいに言う風潮には反対なのですが、ただこうした趣向が厳然と存在したことも確かではあるんです。あんなものジャリ番だと(…という風に言われたこともあったけど、実は違いますよ、という反語であって当時のアニメが全てジャリ番であったと決め付ける罵詈雑言ではありません)。

 別に痴漢事件をモチーフにした怪獣出すのがいけないわけじゃありません。ありませんが、
そういう趣向を行なった時点である程度「受け取られ方」のスタンスを自ら狭めていることは指摘しても失礼にはあたらないでしょう。

 また、
「怪獣の襲来」にまつわるパニック描写が非常に希薄なのも特徴。この点も「セカイ系」の源流と称される「新世紀エヴァンゲリオン」と共通します。ほんの少しだけ描かれていますが、「怪獣に逃げ惑う人々」も殆ど描かれていないので「現実感」すら希薄です(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。

 これはもう、「怪獣の襲来」といった状況を描くことに比重が無いことを示しています。
 それが極まったのが、この場面。

 この「謎の小動物」が人語を解して、マスコット的な役割を演じる…というのも「魔法少女もの」の「お約束」ではありますが、
幾らなんでもこれは無いだろ…と思ってしまったんです。読んでいた当時はね。今は違いますので。

 というのは、ここで
物語が「メタ・フィクション」になってしまっているんです。
 「〜という設定で」などと言われてしまったら少なくとも「物語」に没入して読んでいる読者はどうしたらいいのでしょうか?
 漫画を読んでいる読者に対して
「何を漫画なんかに夢中になってるの?馬鹿じゃないの?」と言い放つみたいなものです(*ここでは「一見そう見えるけども、実はそうじゃなかったこと」に後で気が付いた、という布石なので人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。

 というか、多少設定に瑕疵(かし)があるのはともかくも、全てを知る立場にあるキャラクターが作者に成り代わってこういう台詞を吐いてしまったのでは
「作り話」そのものが全く成り立たなくなってしまいます

 元々、サラリーマン刑事が足を棒にして走り回る警察物だとか何の変哲も無い恋愛ものという「現実的」なお話という訳ではなく、怪獣が当たり前に出現し、男の子が魔法少女に変身してそれを倒す…という粗筋だけ取り出せば荒唐無稽そのもののお話です。
 こんなのは
作者と読者の間に「細かい統合性云々については言及しない」という「共犯関係」が無くては成立しません
 熱心なファンが少なくとも
番組を視聴している間には「ウルトラマンなんていねえよ」とは言わないでしょ?そんな事言い出したらお話にもなんにもならないんだから。

 にも拘らず、無神経にも登場人物がこういうことを言っちゃう。
 例えばですよ、「ウルトラマン」で「謎の怪獣」が出てきた時に登場人物の一人がこう言ったらどう思います?

「でも、まだ細かい設定決まってないんだよ。来週までには考えとくんで、それじゃ!」

 …馬鹿馬鹿しくて観ていられないでしょ?「ルーニー・チューンズ」じゃないんだから。
ルーニー・テューンズ コレクション 恐怖のクッキング編
ルーニー・テューンズ コレクション 恐怖のクッキング編 山口勝平

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 だから最初に私がここを読んだ時には
「ふざけるな!」と顔を真っ赤にして怒ったんですね(当時はそう思った、ということであって今もそう思っているわけではありません)。

 
読者を馬鹿にしてるのかと。
 設定を考えるのも馬鹿馬鹿しいお話なのか、それともそんなにいい加減な作り方をしている「作品」を金とって人に読ませるなんでふざけてるのか?と思ってしまったんですね(当時はそう思った、ということであって今もそう思っているわけではありません)

 …ただ、
この見方は必ずしも正しくは無いんです。

 というのは、本当に調子で全く何も考えていないのならばともかく、その後ちゃんと「設定」が存在しており、何らかの理由で戦わされていたことが明らかになるからです。

*この様に一応説明はされているんですが、あんまり印象に残っていらっしゃらないと思います
(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)

 ただ、この辺は「設定の為の設定」という感じが拭えません。その理由が読者にまで共感できて始めて心を揺さぶることが出来る筋立てになるのです。

 手塚治虫先生が、少年漫画においても「最後に主人公が死んでしまう」話を描いて「定型」をぶち壊し始めてからというもの、その破壊は進み、いつの間にか本当に物語の中で世界が滅亡したりムチャクチャになっちゃったりすることも当たり前となった今、「世界人類を守るため」だけでは安易に主人公達の行動に説得力を持たせることは出来ません。

 この
「何故戦わなくてはならないのか?」というのは「セカイ系」の物語が抱える一大テーマです。
 これはひいては「何故生きなくてはならないのか?」という質問と全く同義です。

 これに一応の答えを出したのがあの「デビルマン」なんですね。
デビルマン (1) (講談社漫画文庫)
デビルマン (1) (講談社漫画文庫) 永井 豪 ダイナミックプロ

おすすめ平均
stars子どもが読んでも・・。
stars黙示録的作品(面倒なので1?5巻までの総評とさせてもらいます)
starsひとつだけ言わせてもらうと
stars悪魔と裏切りの「デビルマン」
stars人間の本質を描ききった、永遠の名作!

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 そしてその問いにもがき苦しんだのがあの「新世紀エヴァンゲリオン」。
 …この辺りのお話はブログの方で毎日やってますので興味のある方はどうぞ。

 ということで、設定こそされていますが「何故戦わなくてはならないのか?」はこの魔法少年マジョーリアンのメインのテーマではありません。

 では石田敦子さんは魔法少年マジョーリアンで一体何を表現しようとしているのでしょうか?
 ここが一番大事なポイントです。

 実は
「漫画家」石田敦子の漫画には顕著な特徴があります。
 それは
「鬱展開」(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)。

 ファンは の漫画のことを俗にこう言い習わしているそうです。

「明るいテーマでも鬱展開になり、鬱展開でも鬱展開になる」

と(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)。

 …こういう風に書くと、それだけで「誹謗中傷している!」とカンカンに怒られそうで怖いのですが、別に
「だから駄目だ」と言っている訳ではありません。作風がそういう作風である、というだけの話です。それは「作家性」というものなんだから、徹底的に突き詰めるべきです。
 
とても分かりやすいデビッド・リンチの映画(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)が観たいか?ってことですよ。
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スカッと爽やかで万人が納得するハッピーエンドのデビッド・クローネンバーグ(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)が観たいか?ってね。
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star観ているこちらも別世界に引きずり込まれてしまいます。

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 なので、この物語のモチーフは「魔法少女」とか「セカイの危機」とか「性転換して女の子になる」とかも使ってはいますが、
本当に描きたいのはそこではないんです。だから、この辺りは…極論すれば適当でいいのです(*)。
(*「適当」という言葉は今では「いい加減」「投げやり」という否定的な意味でのみ使われていますが、元は「丁度いい塩梅(あんばい)」「適切な頃合」というプラスの含みもある言葉です。人格攻撃や誹謗中傷ではありません)

 つまり、私が先ほど吐露した非難は、一面的には妥当ですがこの作品を評するのに適当とは言えないんですね。
 
焼き物の大きさを競うコンテストで、焼き物の模様が汚いと怒っているみたいなピントの外れ方です。


 
では何が描きたいのか?
 テーマ性のあるお話が「この漫画のテーマは○○です」と明示してくれるものではないので、本編から読み取る他無いのですが、恐らくこの辺ではないかと思います。

・人の心のすれ違い(分かり合いたいのに分かってもらえない苦しさ)

・女の二面性(人間の裏表)

・「女性性」への嫌悪(*後述)

 恐らく、
「男の子が魔法少女にされる漫画」というストーリーラインを聞いてそれで手に取る読者が大半だろうと思うのですが、確かに絵柄も可愛らしいし変身シーンや変身後の姿も萌え萌えなんだけど、何か違和感を感じた方も多かったと思います。

 
まるで抜き身のナイフで切り裂き合うみたいな心に突き刺さる辛い展開の数々。人間のダークサイド、エゴをむき出しにした描写(*)。
 何やら
隙間風が通り抜けていくみたいな心温まらない展開の数々にかなり驚いたのではないでしょうか(*これは非難ではありません。詳しく説明するのでこの後をしっかりお読みいただくことをお願いいたします)

 元々TS界では、願望として「1泊2日くらいならば可愛い女の子になってみたいな」といったものがあるので、あの「らんま」まで含めて大半は「性転換」シチュエーションにはプラスの属性が付与されます。

 
「男から女への性転換のデメリット」を積極的に描いた作品が今もって「画期的」とされていることからもこの傾向はお分かりいただけると思います(「キックアウト・ラヴァーズ」のこと。レビューはこちら)。

 せいぜいあっても「嬉し恥ずかし」レベルが大半。「女の子になってこっそり女装して鏡に向かってポーズしているのを見られて自爆」とかその程度。

 ところが、この「望まない性転換」は思春期(第二次性徴)どころか、「第一次性徴」の対照的な男の子二人に思わぬ体験をさせることになるのです。


 これを読んでいる男性読者の皆さんに小学校低学年の頃の事を思い出していただきたいのですが、「学年誌」とか読んでました?
 小学館が発行している「小学○年生」とかのあの雑誌です。
 私は本当に夢中になって読んでいました。

 子供が大好きなアニメ・ゲームの話題は勿論、アイドルなどの芸能人の記事も満載のごった煮雑誌です。
 面白いのはこれらの雑誌においては男女読者両方を兼ねる形で作られているので、必然的に男の子の読者も「女の子用」に書かれている漫画や記事に付き合わされるということでした。
 ま、普通の男の子はそんなところは飛ばして読んじゃうでしょう。逆もまたしかりで、女の子は男の子様に書かれた記事なんて目もくれないと思います。
 しかし、当時から律儀な性格だった私は、何が何でも最初の一回目は最初から最後まで目を通しておかないと気がすまなかったのです。

 これによって少女漫画では定番の「はーい!まりちゃん」などのバレエ漫画などにも親しむことになり、
バレエ好き(というかバレリーナ好き)の人格が形成されてしまうんですが、それはともかく一応全ての記事に目を通し続けました。
ハーイ!まりちゃん 1 (1)
ハーイ!まりちゃん 1 (1) 上原 きみこ

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*膨大な原作がありますが、ごく一部だけが単行本にまとめられています。
 あれを読み返すには国会図書館に行かないと無理か…。

 「はーい!まりちゃん」に関しては幾らでも書けるほど思い入れがあるのでここでは触れませんが、意外なことに
小さな男の子ってのは「女性タレント」にあんまり興味が無い場合が少なくありません。

 ヤローの芸能人なんぞ目の毒!女の子見せろ!…と言い出すのはもう少し大きくなってからなんです。多分小学校中学年(3〜4年生、9〜10歳)くらいかな。
 男なのに女の写真なんて見てられるか!みたいな。
 だから当然テレビで芸能人の運動会とか水泳大会みたいなのがあれば男チーム応援ですよ。
女は敵だ!

 ま、すぐに「ええい!ヤローの裸などどうでもいい!ポロリを映せポロリを!」みたいなことになるんですが(核爆)。

 最近の小さな子の事は分からないので、何とも言えませんが少なくとも
小学校位までは男の子は女の子と一緒にいたりすると居心地が悪かったりするもんだと思います。
 フォークダンスでも女子と手を繋ぎたくなくて、数合わせで男なのに女の子の列に放り込まれて回っている奴の順番が回ってきてホッとする…みたいな。
当時は何を考えていたのでしょうか。

 幼稚園時代、全く保母さんの言う事を聞かない男のワルガキがいたんですが、遂に保母さんが郷を煮やして
「そんなに言う事聞かないんならスカート履かせるよ!」と言い放ったことがあります。

 …小さい時からそういう属性のある方(ノーコメント)ならば
願っても無いシチュエーションなのでしょうが(爆)、彼はそれを聞いて火が付いた様に泣き出してしまい、たちまち大人しくなってしまいました。

 同じく幼稚園児だった私はそれを呆然と見ているしかなかったものですが、ことほど左様にある時期には「男の子」は「女性的なもの」を嫌悪する時期があるものです。

 前置きが長くなりましたが、実はよりによって「魔法少女」に任命されてしまうマサルは正に
そういう時期の「男の子」なんですよ。

 つまり、この物語において
「女の子にされる」というのはそれ自体がドラマとなっているのであり、「どんなメカニズムで身体が性転換するのか?」などというディティールの方が雑音でしかないのです。

 これは別の意味での閉じたセカイ系なのかな?と思わなくもありませんが(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)、ともあれ「女の子への変身」シチュエーションが有機的に物語に組み込まれているという意味では非常に良く出来たお話なのですね。
 なので、少し前にぶちまけたみたいな私の不平不満は全くの的外れです。ここは強調しておきます。

 更に言うと、彼の家族は姉ばかり。しかも開けっぴろげで我が物顔に君臨しており、父親さえも影が薄いという「女が強い」家系です。



*露骨に「男ってバカ」と台詞で言っちゃってますが、これは「そう言ってる方がよりバカ」に見えるように演出しており、一見すると男性を侮蔑している様に見えますが、実際には「そういう軽薄なことを言うバカ女」への非難になっています。


*理不尽に酷い扱いを受けている鷺乃宮家の父。背中に哀愁が漂っています。
彼には名前も与えられておらず、顔が登場することも一度もありません。
 元々わが国のサブカルチャー作品において父親の存在は希薄で、宮崎アニメなどでは「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」以外の全てのアニメにおいて両親とも登場する例がありません(「風の谷のナウシカ」に父親のみが登場)。

 よく女子校では
「生理用品でキャッチボールしている」などと言われる様に、女性の開けっぴろげなところってのはそれだけで嫌悪を催すところがあります。
 …これは私の偏見ではなく、この場面では明らかにその様に演出されているからこその断言です。
 それは世間の見方そのものを演出に利用しているということであり、つまりその様な見方が厳然と存在することの逆証明でもあるのです。
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ツヨシしっかり2しなさい 4 (4) 永松 潔

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・「女ばかりの姉弟」の中で非常に苦労する漫画といえばアニメ化もされた「ツヨシしっかりしなさい!」があります。
元々女きょうだいがいる男は女性に対する免疫があると言いますが、日々ブラジャーだのパンティだのを洗濯物として乾し、酔いつぶれた姉を介抱し、時にはブラジャーを外させられる役割を淡々と演じるツヨシに衝撃を受けました。
ちなみに姉たちの傍若無人ぶりは作品内で咎められずにそのまま終わってしまうことも多々あり、慣れるまでは読んでいて非常にストレスの溜まる漫画です(爆)。しかし、世の中というのは実際はこの程度には不条理なものです(何を達観しているのか)。

食わせてもらっている分際で父親の安月給をあげつらう(自主規制)女ども。
それにしても「煮物がダサい」というのはどうゆう了見なのか。
こういう(自主規制)女は(自主規制)しろ!

 この辺りの
女性の嫌な部分への描写の遠慮の無さってのは女性作者ならではなのかもしれません。
 ある程度までは事実なのでしょうが、もしも男性の作者がこんな描写をしたら「女性差別だ!」と非難轟々なのではないでしょうか。

 女の身体に変身させられる男の主人公の自意識そのものが「他者としての女性」に
こうもあからさまな「生理的嫌悪感」を抱いているというパターンというのは非常に珍しいでしょう。

 ただでさえ、クラスの女の子を「好きだから」いじめちゃう様な年代の男の子なのに、そこにもってきて周囲には「ろくでもない」女ばかり。

 だからこそ、
「そんな存在である女」に一時的とはいえさせられてしまう自分の運命が嫌で嫌でたまらないんですね。

ま、あの家庭環境じゃな。
とはいえ天使みたいなお姉ちゃんたちばかりだったら「仲間入りしたい」と思うかといえばそれはそれで問題な気も…。

 これまでの「少年の魔法少女もの」でも、そりゃ「嫌がる」描写はあったけど、それはあくまでも「恥ずかしいから」といった様な…言ってみれば「表面的」な理由であり、実際問題「可愛くなった自分」に少し酔いしれていたりはするんですよ。ええ。

 ところが、ここで
マサルが感じているのは「女性性」そのものへの生理的嫌悪です。
 思春期の女の子を主人公とした少女漫画の中にはこうした描写(女性性そのものへの嫌悪)はしばしば見る事が出来ます。「女になりたくない!」と。

 つまり、
鷺乃宮マサルは姿かたちこそ男の子ですが、恐らくは作者自身の分身でもあります。「少年」というのはどちらの性別にも分化していない状態の暗喩であり、成長して女になっていく少女の思春期の象徴でもあります。

 ちなみに…別に私はフェミニストでは無いんですが…わが国においては女性の社会進出という面ではやはり欧米には及ばないところがあります。
 例えば、映画評論家の町山智浩さんの奥様はアメリカで就職なさっているのですが、いまや一流企業のエグゼクティブとして旦那よりも稼いでいるんだそうです。
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底抜け合衆国―アメリカが最もバカだった4年間 町山 智浩

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 よく「日本では男女平等ところか女の方が強くなっている」などと言ったりするんですが、別に女性専用車両が出来たりしたからって「女性上位」という訳では無いでしょう。
 わが国で「子持ち」で「既婚の主婦」が「一流企業」に「中途入社」して、「ここまでの栄達」を望む事が出来るか?と言われれば残念ながら厳しいと言わざるを得ない。
 良くも悪くも実力主義の欧米らしい現象です。

 女性が「結局はパートナー次第」とならざるを得ない(様に見える)自らの将来に限りない不安を感じるの無理からぬこと。
 そりゃ「自分で自分の性を決定できる」フロルが人気になる訳です(こちらの「X+Y」の評を参照)。

 つまり、鷺乃宮マサルは過剰なほどに「男らしさ」を希求し、「女らしさ」を嫌悪する精神の象徴なのですね(この様に過剰に男性性を希求するTS少年としては「能瀬くんは大迷惑Jr.編 」(レビューはこちら)の能瀬龍彦くんも同じです)。


 もっと言えば、女性の内面に存在する「男性性」の象徴です。
 
「望んでもいないのに女の肉体にされる」立場というのは、紛れも無く第一次及び第二次性徴を迎える少女達の立場そのものなのですから。

 でもって更に言うと、
「ここまで嫌がっている」「女のことを考えることすら嫌」である男の子を女の子に無理矢理変身させてしまうってところがよりいいわけでして…(^^。
 流石はエンターテイナー石田先生。
 ここまでの道具立て等々も「男の子を女の子に変える」趣向に関する演出としては見事に機能しているんです。

 つまり、
「女の子に変身させられる男の子」という趣向が「男とは何か?」「女らしさとは?」といったモチーフを語るために機能しているんですね。
 なるほどこりゃ「侵略する理由」みたいなのは二の次になりますわ(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)。

女の子に変身している状態でも、「男らしさ」を楯に挑発されると途端に燃えるマサル。
これは「男らしさってのは、外見ではなくて精神のことだよ」というメッセージだと解するのはのは深読みが過ぎるでしょうか?

 ではもう一方の久米河イオリはどんな子なのでしょうか?
 こちらは逆に「女の人のいいところ」を見つめられる存在。
 見た目が女の子の様に可愛らしいのがまずひとつ。

 更に病弱な母を助けるために家事全般をこなす心優しい優等生です。
 それどころかいじめているのは同じく「マジョーリアン」となる運命を背負わされたマサルだったりするのです。
 こういうフェミニンな男の子は当然女子にはちやほやされますが、それは余計にいじめの口実を増やすのみ。

 彼の場合は「普段はぱっとしないけど、変身することで自分の存在意義を確認できる」という風に「変身」を物語中の仕掛けとして使うことになります。

 イオリにとっての目の前の目標は マサルと仲良くすることの方が比重が大きくなります。
 それが「一緒に女の子になって戦う」というのは何ともアレではあるのですが、でも
この瞬間だけは対等の立場なのです。

帯には「2人の関係は永遠に変わらないと思っていた…」とあるので、
まるで変身によって仲が引き裂かれるみたいですが、どちらかというと反対でしょう

 これが擬似恋愛なのかどうかというのは良く分かりませんが、ただ所謂(いわゆる)「やおい」とも違う気がします。
 「やおい」の一変種として確かに
「女体化」というジャンルは存在はしますが、単なる「やおい」であるならば、この二人が「魔法少女」となる…などという妙な筋立ては必要ないでしょう。
 むしろ
それではお互いの女の肉体が邪魔になってしまいます(この漫画の変身後は、年齢を考えると過剰にプロポーションがよく、「女」であることをしっかり強調しています。これは「可愛くなる」目的よりも「女になる」という生物学的な理由の比重の方が大きいからと考えられます)。

何故女の子に変身させて戦わせるのか?という理由としては「DVDで研究したから」だそうです。
要は…少なくともこの段階においては…あんまり深く考えていない(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)ということです。
最後までシリアス展開にならないならばこれもありだったのでしょうが…。
当然その後の展開と矛盾はします

 「人に好かれたい」と思う感情は別に男相手だろうと決して不自然なものではありません。度を越せば多少は問題になる事もあるかもしれませんが。

 しかし、人間の業を描く作風の石田敦子さんの筆致は
そんなロマンティックなところで描写を止めたりはしません
  は「女っぽい奴と仲良くしている」という疑惑を振り払うために、仲間に対してポーズを取らなくてはなりません。




ガキ大将だったマサルはその「転向」を非難され、体面を保つためというエゴそのものの理由によっていじめを激化させます。

 結果として、
読者も目を背けたくなるような陰惨ないじめ(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)を叩き付けなくてはならなくなってしまいます。



 この辺りが「鬱漫画家」と呼ばれる所以(ゆえん)です(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。
 …が、決して好き好んでなさっている訳ではなく、
テーマを表現するにあたっては避けられないからこそ描いているに過ぎません。

 なので、「明るく楽しい能天気性転換コメディ」を期待する方は「ブロッケンブラッド」とかを読みに行って頂きたいなと(「ブロッケンブラッド」に対する誹謗中傷の意図はありません)。

 しかし、この
主人公達を追い込むことを厭わず、人間の醜いところまで剥き出しに描く作家性の強さは、到底「単なる娯楽作」に収まるものではありません。これではまるでアメリカン・ニューシネマです。
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starsこれは映画史の本です
stars自力で「映画の見方がわかる」ようになるかは貴方次第
starsわからなかった方へ。
stars一つの作品の裏にはこんなにも多くの想いが・・

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 何故、「男の子が魔法少女に変身して怪獣を倒す」漫画でこんな展開を読まされなくてはならないのか?(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)

 それは簡単で、そもそも
「男の子が魔法少女に変身する」部分こそが単なるモチーフなのであって、本当に描きたいのはこうした人間のすれ違う心の悲しさであり、レゾンデートルを巡る葛藤だからです。
 つまり、形を変えて要素を抽出し、そして洗練させた「新世紀エヴァンゲリオン」なんですよ(話を分かりやすくするために敢えて典型的な作品名を挙げただけで、パクり疑惑の押し付けなどの誹謗中傷意図はありません)。

 イオリの方は、何故自分がこんな目に遭うのかについて自分の運命を呪うこともせず、相手に理解を示して淡々と受け入れます。

 彼にとってみれば「自分さえ我慢すれば」という自己犠牲の精神を発揮した積もりなのでしょうが、
潜在意識では罪悪感に引き裂かれそうなマサルにとっては余計に責められているのと変わりません。

「自分が仲間外れにされるのが嫌だから自分をいじめてるってことは分かってるよ、気にしないで」
と慰めてくれるイオリを尚ひっぱたくマサル。
 恐ろしく残酷な展開です(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。

 これは相当に上質な人間ドラマ(大嫌いな表現ですが)です。
 決して嫌いあっている訳でもないのに傷つけてしまう自分の弱さ。そういえば「ヤマアラシのジレンマ」なんて言葉もありましたね。
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 ま、体調が悪い時に読むには重過ぎるテーマ(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)ですが、たまにはこういう人生について深く考える漫画も悪くないでしょう。

 それでも尚「怪獣退治」を通して、山があったり谷があったりして続き、変化していく関係。


 

 私もこういうのを読んで、自分の体験を思い出すと「ああ、あるあるそういうこと」と思い当たるところが多々。
 これは本当に面倒くさい話ですね(爆)(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。

 プー太郎(無職)経験はあっても、ニートやひきこもりの経験は無い私ですが
「社会にでたならばどれほど上手に立ち回っても絶対に他人との軋轢は避けられない。自分が傷つくのも嫌だし、相手を傷つけるのも嫌だ」という彼らの気持ちは痛いほど良く分かりますね。

 「変身メカニズム」だの、「地球が狙われる理由」だのが別にどうでもいい存在である(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)、という意味がお分かり頂けましたか?
 このモチーフを使った「訴えたいテーマ」こそが眼目だからです。


 TS界で耳目を集めたのが、あの姉たちが「変身後」 に惚れこんでしまって、
一種の「レズ」関係になるところでした。

長女(推測)の麻里(まり)。
男を金づるとして利用するバブル時代の女子大生みたいな人間として描写されています。
彼女はマサルの変身後に一目惚れ。
 この他では読書家の真由(まゆ)が男状態のイオリが好きになります。

 確かに刺激的な展開ですが、これも一見美味しい萌え萌えシチュエーションでいながらかなり奥深いテーマが内包されていますね。

 これは
「本当の自分を見てもらえていない」という悩みの暗喩です。

 例えば、イオリ視点では
マサルが夢中になっているのはあくまでも「マジョーリアン」に変身した後の自分なのであって、「本当の自分」は相変わらず全く相手にされることはない…という風に捉えられるわけです。

 いやー、業の深い漫画だこと(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。

実はアニメファンであるマサルに言い放つ姉の嫌味。
石田作品においては「オタク差別」もテーマの一つ

 長くなってしまったのでこの辺で締めますけど、もう少しだけ。

 これは女性作家ならではの表現だと思うんですが、どうにも「女性の嫌な面」を
執拗に描写するところがあります(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。
 姉の真央(まお)は血の繋がった実の弟であるマサルに『肉体的に』迫ります。

 姉と弟の関係を匂わせるだけで必ずしもこれほどインモラルに見える訳ではありません。
 天使みたいにキレイなお姉さんが優しく抱きしめる…という場面でも構図としては同じなんです。
 でも、石田先生に掛かるとこうなっちゃう(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。
 
獣欲に駆られて血走った目で、汗やらよだれやらの体液をほとばしらせて実の弟にのしかかってるんですから、どう見ても「変態」です(これは劇中に使われている用語であり、人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)。

 この姉は自らの自覚するワガママな性格から友達がおらず、とても孤独です。
 小さい頃から唯一なついてくれた
弟への依存が歪んだ形で噴出した形です。

 何度も繰り返されるこの行為。
この場面ではパンツ見えてる訳ですが、若い女の子のものであり、シミ一つ見えませんけど
これほど汚く見える下着も珍しいです(当然その様な意図の元に描かれているからです)。
 まるで悪い意味での体臭そのものが匂ってくるようです。
女性作家ならではの生々しい描写。お見事。

 この作品が「少年魔法少女もの」という、一見萌え萌え素材を使った能天気美少女(?)漫画を装っていつつも、実は「傷つきやすい人の心」を描いている作品であることはもうお分かり頂けたでしょう。

離婚して長い母子家庭育ちのイオリは見知らぬ男性と目を輝かせて話す母親を見てショックを受けます
(実際はどうなのかは本編を参照)


*「リオ」というのはイオリくんの変身後の名前

 「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジくんがエヴァに乗ることで自分の存在意義を確認し続ける様に、イオリくんもまたこの「望まない性転換」によって「認めてもらえる自分」を発見するのですね。

いざ最後の一言を言う段階でコミカル演出になってしまいました。
ここは個人的見解では絶対にギャグにしちゃいけないところだったと思うんですが…。

 ただちょっと残念なのは、
ここで石田先生がちょっと照れちゃったこと。

 確かにこのままだと色々と
「アブナイ」展開になるので、そこは歯止めを掛けたかったんでしょうが…ちょっと中途半端でしたね(人格攻撃や誹謗中傷ではありません)。
 ここは「友達の男の子相手に女の子になっている自分が安心する」というシチュエーションでじらしても良かったと思うんですが。別にそっちに暴走する必要は無いんだけど、匂わせて引っ張るのはありじゃないかなと。

 まだまだ連載は続いているのですが、これから先は恐らくそう心躍る展開にはならないでしょう(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)。

 というのも、この1巻の段階では「怪獣の襲来」はせいぜい「ご近所トラブル」レベルで話が収まっているのですが(人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)、これから本格的に
「世界存亡の危機」が訪れるであろうことが予言されているからです。

何故か沖縄弁みたいな語尾でひそひそ話す宇宙人(?)たち。
どうやらマサルやイオリにもまだ言っていない秘密があるみたいですが?


怪獣を倒すと出てくる「鍵」を集めることが目的みたいな展開になるのですが、余りにも都合よく符合した怪獣が出現することに不審を抱くマジョーリアン(仮称)たち


「組み合わせ」について言及する宇宙人たち。
 直接的には怪獣を撃退するための「怪獣」そのものと「鍵」との組み合わせのことでしょうが、人の心のすれ違いを描く本作ではそれを象徴していると読むべきでしょう。
 これは敵の怪獣が展開する「バリアー」である「ATフィールド」を「心の壁」に深読みさせる「新世紀エヴァンゲリオン」みたいなものです。

 恐らく何らかの形で「犠牲者」が出る痛ましい展開になることは避けられそうにありません。

「大惨事」を予言するコマに登場人物たちのイメージがかぶります。不吉な予感…

 作者が作品に込めたテーマを無視して「このコマは萌え〜!」とか「レズ展開とは!美味し過ぎる!」と騒ぐ“だけ”というのもそれはそれで違うと思うので(純粋に楽しんでいらっしゃる読者さまたちへの人格攻撃や誹謗中傷の意図はありません)、なのでここでは、正面から取り組んでがっちり受け止めてみました。

 作者にとって嬉しいことってのは、「楽しんでもらう」ことも勿論ありますが、「理解してもらう」ことも大きな比重を占めます。
 たまにはこういう純粋な解読も悪くないんじゃないでしょうか。
 ということで長々お付き合い頂きまして有難うございます。実はこれでも拾い残した要素が沢山あるんですが、今回はここまでにします。

 難しいことを考えずとも何度かある変身シーンの萌えっぷりはかなりのものなのでそれだけでもオススメですよ!

2007.10.14.
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