TS関係のオススメ本10-10
*アップロードする際に在庫を確認してから行ってはいますが、なにぶん古い本が多い為、時間が経過することで在庫切れになる場合もございますのでご了承下さい。 真城 悠 |
「らんま1/2」 (1987年〜1996年・高橋留美子・小学館) |
らんま1/2 (1) |
「TS」(性転換)フィクションの西の横綱が映画「転校生」だとするならば、東の横綱がこの「らんま1/2」ということになるでしょう。 既に「TS作品」の枠すらも越えた超有名作品であり、「不随意な性転換現象」「男のキャラの女版」といった概念そのものを明示してみせた記念碑的作品です。 基本的にマイナーというか「こんなのもありますよ」という風な紹介記事を心掛けている当レビューで取り上げるのは相応しくないかもしれません。だってここを読む様な方はまず100%既に知っているはずだから(^^。 しかし、2006年11月5日にこのTS作品紹介が、本日遂に通算100作品紹介を達成いたしました。ということで記念すべき100作品目をこの名実共に代表作で飾りたいと思います。 かなりはしょって急ぎ足で紹介しますけど、何しろ単行本にして38巻にもなる長期連載ですし、歴史的意義では1冊の本になるほどの作品ですのでかなり長くなりますがそこはよろしくお付き合い下さい。 タイトルってのはその漫画の「顔」ですからとても大事なのですが、いざ付けるとなると結構苦労する物件でもあります。 TS作品で一番有名なのはやっぱり「らんま1/2」ということになるのでしょうが、実はこのタイトルの意味はイマイチよく分かりません(^^。 いや、言わんとするところは分かるんですが、主人公の乱馬は男も女も体験することが出来る立場なのであって、別に人生が半分になった訳では無いので「らんま×2」が正しいのではないかと。 ただ、一種のハンディキャップであると捉えるならば「1/2」というのは正に的確なタイトルであると言えるでしょう。 このタイトルを効いただけで、「らんま」とやらに「何か足らない」(不随意に女に変身してしまう“不完全な男”ということですね)ことが察されるわけです。 ちなみに高橋留美子先生は漫画原作の神様、小池一夫先生の「劇画村塾」の卒業生。小島流の漫画原作には「主役のキャラクターととにかく立たせろ」ということと「何らかの欠点を設定して親しみやすくしろ」というセオリーがあります。 実はこの漫画、「らんま」というキャラクターについて説明しただけでこの作品そのものについての説明の殆どが終わってしまいます。 正に実践通りということになりますね。 正直幾らでも語れるんですが、ここでは敢えて読者の皆さんが一通りらんまについての知識と見識を持っているという前提でお話させていただきます。 名実ともに最もメジャーかつポピュラーな「性転換作品」でありながら、いや…だからこそ「濃いTSファン」には必ずしも全面的に歓迎されている訳では無い当作品。 原因は幾つも考えられるのですが、かなりの主観を交えて分析すると以下の様になります。 @ 9年間(1987年〜1996年)にも及ぶ長期連載によるマンネリ化 A 「可逆」であるために切迫した危機感に乏しい B 次第に女装が当たり前になっていき、「単なる可愛いキャラの格闘ギャグ漫画」でしかなくなってしまった C 扉絵で可愛らしい衣装にセクシーポーズなどで登場したりして「嫌がっているのに女にされて女装せざるを得なくなる」という感慨が余り感じられない D 後期のマゾ的展開(*決して誹謗中傷ではありませんので本文を読んでください) 一番大きな理由は「マンネリ」であるというのは異論が無いところだと思います。唯一説明が必要かと思うのがDです。散々餌(えさ)で釣っておいて最後にはぐらかしたり、生気を吸い取って力に変える敵(?)の登場でらんま側が翻弄されるあの展開のことです。 いや、ありがたいとは思ってますよ。そりゃあもう。ウチだってイラストレイターさんに「どんな風かといわれれば「らんま」みたいな」という説明が出来なければどれだけ交渉が難航したか分からないですからね。 「らんま」の名前を出すだけで健全で可愛らしい性転換ギャグ漫画がイメージ出来るのですからこれほど便利なことは無いんです。 やっぱり「刺激」の問題は大きいと思います。 私が衝撃を受けたのがアニメ版「うる星やつら」の「原生動物の逆襲!プールサイドは大騒ぎ」(レビューは |