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TS関係のオススメ本11


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真城 悠


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桜の国から霧の国へ
(2007年・名香 智子小学館 )

 この所毎月の様に「該当作」…TSファンの隠語で「性転換・女装」が含まれている作品、の意味…が発売されているのみならず、結構粒揃いだったりするものでレビューするのに困る有様。

 そんな中、試験勉強で忙しく買っても「積読(つんどく)」状態だったり、読んで「面白い」と思っても時間が無くて放置する例も多かったのです。
 それに、現在はインターネットがあれば何でも分かると思われがちですが、
マイナーな漫画作品なんて案外どんな作品なのか分からないもの。
 ですから最初にこの桜の国から霧の国への情報を聞いた時も「単なる典型的な少女漫画だろ?」と思っていました。

 実は少女漫画は思いのほか女装・性転換・入れ替わりなどに大らかなところがあります。この辺りは本家の精神科医とか心理学者さんなどに分析してもらいたいところ。
 先日LEGAの13(レビューはこちら)という「女装も含まれる少女漫画」のレビューをしたんですが、あにはからんや
「これに女装が含まれているってことを言われて初めて意識しました」という女性読者からのメールを頂戴しました。む〜ん、やっぱり予想通り。

 当レビューにおいては作者が女性であるか否かというのはかなり大事なポイントとなると考えております。
 何しろ
「女体への煩悩」なんてものは(多分)無い訳です。
 当然「女性へのあこがれ」なんてものもありません。

 ところが、ならば女性作者はことTSジャンルにおいては駄作ばかりこしらえるのか?というとこれが面白いことに事情は全く逆の場合が多いんですね。

 勿論、リスクが皆無かといえばそんな事はありませんよ。最も多いのが主人公のTSする男の子が余りにも作者のパーソナリティ(つまり女性)に寄ってしまっていて、女装や女の子への性転換に何の心理的抵抗もしなかったりする場合とかですね。
 「ガンダムSEED」と同じ週に放送が始まったNHKのドラマ「どっちがどっち」で、入れ替わった後、
女の子の身体に入った男の子というキャラクターであるはずなのに何の抵抗もなくスカートを履いて外出し、自らぺらぺらめくったりしているのを見て「もしかして…」と思って確認したら果たして脚本家は女性でした。
 そりゃ女性にはスカートは抵抗は無いでしょうが、その辺りの機微だけで1話掛けられるアイテムをこんな風に使うなんて…と思ったものです。

 ま、この様なリスクはあるとはいえ、少なくない場合において「TS」(女装・性転換・入れ替わりetcetc…)に対して作者が冷静なスタンスで臨めるからなのか、非常に練りこまれた完成度の高い物語となるのですよ。

 今回も正にその例に該当する
「隠れた名作」でした。それが桜の国から霧の国へです。

 正直、事前に全くノーマークの作品でした。
 本当に不勉強で名前も聞いたことがありませんでした。

 またこういうのに限ってAmazonに用意された表紙の画像も小さいし、そもそもビジュアル的に購買を訴求できるインパクトは…贔屓目に見てもありませんしね。
 いまちょっとネットサーフィンしてみたんですが(何だか用語が懐かしいな)、いざ調べてみても桜の国から霧の国へ
そもそもどういうお話なのかが良く分からないんですよ。

 いや、確かに出版社が用意したみたいなストーリー紹介は見つかりますよ。
 あと、個人ブログみたいなので2〜3行の感想とかも見つかります。
 しかし、我々が知りたいのは「入れ替わりものらしいぞ」というだけの情報ではなくて、もっと個別具体的にどういうお話なのか?であり、もっと言えば「ぐっと来る」のか「萌える」のか、突き詰めて言えば「読む価値はあるのか?」…ってことなんですよ。それが一番知りたいんです。

 ということで、私が今からその疑問にお答えいたしましょう。

 まず、主人公は落ちぶれた伯爵家の若当主・桜小路千春(さくらこうじ・ちはる)。

 物語は彼が資産家の「風早」(かぜはや)家からの後ろ盾の申出を受けるところから始まります。

 この「後ろ盾」ってのが良く分からないですよね(^^;;。
 どうも彼が眉目秀麗であるところから半ば男色狙いなのではないか?という邪推が働きます。
 そして、このマンガみたいにいい加減な造形の母上(って漫画なんだが…)もそれを半ば肯定している風情です。
 自らの息子を半ば男妾(おとこめかけ)的な立場に売り飛ばそうという没落貴族ってのはジェームス・キャメロン監督の映画「タイタニック」のケイト・ウィンスロット演じるローズの母親と娘の関係みたいですが、あちらは女性ですが千春は男性です。

 ちなみにこの母親の性格は物語の後半になって重要な伏線となりますので覚えておいて下さい。

 どうも彼は美形にしてやたら男にもてる体質の様です。これで本人が望んでいれば最強なのですが、全くそういう性格ではないあたりに悲劇が。

 ここで彼は複雑な思い込みをモノローグで吐露するに至ります。

 つまり、「男だと資産家の女性と結婚することで『財産目当ての浅ましい奴』だと思われるけど、女ならば何の問題もない!不公平だ!」…という訳。
 む〜ん、何だか「女性専用車両なんてのがあるなんて不公平だ!」みたいですね。

 とはいえ、時代も時代です。
 女性の立場だってとても強いとは言い難いのですが、ある意味厄介なのはこういう風に中途半端なプライドだけは高い「か弱い男性」なのかも知れません。
 ともあれ、TS作品的には非常に危険なモノローグを撒き散らしながら馬をかっ飛ばす千春さん。
 
案の定落馬してしまいます

 …正直、作画がちょっと辛い感じですが、この漫画はそういう方面でアピールする作品ではないので我慢して付いて来て下さい。

 ふと気が付くと目の前には見知らぬ男がいます。

 ま、ここは定番の展開なのであれこれすっ飛ばして解説してしまうと、彼は
見知らぬ国に意識が飛ばされており、しかも金髪碧眼の美女になってしまっていたのです!

 身体だけが変わっているというのは余りにも突飛な出来事なので、最初は事態が把握出来ない…というのは良くあること。その辺りをビジュアルで見せることが出来るのが漫画の強みです。
 反面、細やかな心理描写ということになると小説に軍配が上がります。これは何とも難しいところです。

 当作品はディティールにこだわる系ではないので、ストーリーは「男が女になる」という
驚天動地の展開をしているのにサクサク進みます
 その身体と衣装のまんま霧の中を歩き続ける千春。

 普通は自分の身体が女のものに変わっている上にこのぞろっとしたドレスのスカートの違和感にはどう考えても気付くでしょうが、どうやら作者さんはその辺にはこだわらないみたいです。
 
「何だか歩きにくいな」じゃないでしょうに(爆)。

 この辺りは、制服まで女子のスカートになり、女子中学生となって道端に倒れていても気付かずにそのまま起き上がって自宅に帰り、服を脱いで自らの乳房を確認して初めて驚くリアクションを取る…という現実味が皆無の映画「転校生」みたいな
頓着の無さです。

 自分がイギリスにいることを知らされる千春さん。「霧の国」とは大英帝国のことだったのです

 ここはストーリー展開を堅牢に構築しているらしい少女漫画の面目躍如で次々に設定が開示されていきます。
 入れ替わる前の「カロライン」という女性は、さきほどの「オスカー」なる人物にその立場を狙われていたのです。
 当主に成り代わりたいオスカーはどうやってカロラインを屋敷から追い出そうかと画策していたのですが、当のカロラインが正気を失い、あまつさえ「自分は日本の男である」などと世迷いごとを言い始めるに当たって「我が意を得たり」と得意になります。

 この辺は男性作家も見習いたいところ。
 というのは、どうしても男性作家は「男が女になっちゃったらどうなるか?」とか、「男女が入れ替わったらどうなるか?」といった
シミュレーション“のみ”に物語のフォーカスが行きがちなのです。

 いや、もっと言えば
「自分が女になったらどうするか・どうなるか」なんですよね。基本的に。

 ところがこの桜の国から霧の国へでは、入れ替わりの被害者である
千春さんは物語の一歯車にしか過ぎません

 他のキャラクターはそれぞれ別の思惑を持って動いており、彼の「入れ替わり」もまた
その中で機能する一つのパーツという位置づけなのです。

 勿論、そうなると「TSそのもの」のディティールの描き方としては若干軸がぶれることになりかねないのですが、それを両立させることはそれほど難しくないでしょう。
 例えばふたりめの蘭子(レビューはこちら)などは、「TS(入れ替わり)を利用したミステリ」としてはかなりの秀作です。
 ミステリと言っていいのか分かりませんがキリサキ(レビューはこちら)も凄かったですね。
 視点の主観がコロコロ入れ替わるという意味では、「殺し・殺される」関係の閉鎖空間で玉突き入れ替わりが起こりまくるという奇抜な設定の人格転移の殺人(レビューはこちら)なんてのもありました。
 む〜ん、確かにこうしてみると基本的に非現実的なことは起こらない前提の「ミステリ」とTSの相性は言うほど良くないかもしれません。
 嵌(はま)った時の威力は絶大だと思うのですが…。

 話を戻します。
 ということで、「日本に帰りたいのならば金持ちの男を見つけて結婚し、旅費を出してもらえ」などと無責任にけしかけるオスカー。
 余りの事に「これは夢だ!」と現実逃避している千春(見かけはカロライン)はそのアイデアに飛びつきます。

 ということで千春の波乱万丈の女としての生活が始まる訳です。

 …大体どんな話か分かりました?
 まあ、これだけで「何としても読みたい!」と思った方は少なくともウチにいらっしゃる方では余りいらっしゃらないかも知れません。

 ぶっちゃけTSが絡まなければ私も余り興味を引かれて読み続けることは無かったでしょう。
 とにかくここまではフェチ的な描写は皆無。
 直後にあることはあるんですが、
なまじの少年漫画で行なわれるTS描写では逆によーやらんレベルの露出をしていながら全く動じないあたりはMr.Clice」(ミスタークリス)(レビューはこちら)を思わせます。

 この物語では台詞が勝手に英語変換される…などというご都合主義は起こらないのですが、そこはこの時代のエリートらしく千春さんは多少の英語を解する言語能力はある模様。

 徐々に打ち解けてきたカロライン(千春)、オスカーとそして婚約者のナンシーの三人は、いわば
「カロライン抜き」の状態で一種の「共犯関係」を築くにいたります。
 オスカーに当主の座を取られたくないカロラインはオスカーとナンシーの間柄を妨害することしきりだったらしいのですが、千春はそんなこと知りません。
 なので、女になってあれこれ心理的に不安な時期に世話を焼いてくれたナンシーに好意を持っている千春は
カロラインの身体を別の男と結婚させてやろうと頑張ることになります。

 この辺りの
「社会性の高さ」が根強い人気を誇る「入れ替わりもの」の強さです。というか、こういう展開にしていかなくては「入れ替わり」を選んだ甲斐が無いでしょう。

実はさりげないフェチ描写も。さり気なさ過ぎて気付かないかも知れませんがこれはポイント高いですねえ。


あちらの「時代劇」での定番アイテムである「コルセット」も登場。ドレスマニアも満足!

 さて、どうやら問題児らしかったカロラインの中身が見知らぬ男性…要は別人…になってしまったことで三人の間には
別の化学反応が起こる様になります。
 これまでの関係はこんなんでした。

 オスカー −婚約者− ナンシー
      ↑妨害
      カロライン

 ところが、どうもこんな感じになりそうなんですね。

 カロライン(千春)⇒(好意)⇒ ナンシー
          &
 オスカー    ⇒(好意?)⇒ カロライン(千春)

 元々カロラインの見た目は悪くない上に、性格は男ではあるものの実に素直。…
この辺りの心の機微を描かせたら流石は女性作家、お手の物です(^^。

どこまでもマイペースで余裕のナンシーさん。
千春にとっては初対面ですが入れ替わりものでいう「女の親友」の役回りでしょう。
男性として結婚するならこのタイプのしっかりお姉さんが一番理想的かも。


どうみてもツンデレです。有難うございました( *´∀`)…。

 ま、
絵柄については多少の想像力の補完が必要になるでしょう。
 例えばここにバーミリオン子爵という第三者がやってきてカロライン(千春)に出会ったところではこんな感じ。

 
(・∀・)…

 ま、ここはあれですよ。福本さんの漫画に画力を期待しないでしょ?それと似たようなもんです。

 さて、この「千春編」のこの辺りは、意識していなくてもどうしても意識してしまうオスカーのカロライン(千春)への
ツンデレ具合に(・∀・)ニヤニヤするのが読みどころです。いや〜これは楽しい。

元に戻ろうとして態(わざ)と落馬した千春に駆け寄って「戻っていない」ことに安心するオスカーさん。
完全にツンデレです。

 書評ブログではこういう「痒いところに手が届く」紹介って無いんですよねえ。

 ともあれ、千春を主人公にしたイギリス編は
ここで唐突に終わってしまいます

 え!?何で?何でここで終わっちゃうの!?
 …と思いますよね。
 これからオスカーとカロラインはどうなるのか?ナンシーもTSものの「女友達」として申し分の無い名バイプレイヤーぶり。
 みんな幸せになって欲しいんだけど…。

完全に千春の精神の入ったカロラインにメロメロ状態のオスカーさん


ディティールにはこだわらない…といいつつちゃんと「初月経」の場面すらあります。
やっぱTSものを描く女性作家は凄いわ

 
次の章に入って読者はひっくり返ることになります。
 まずはこの「扉絵」を見てください。

 そう、逆になっているんですね。「桜の国(日本)から・霧の国(イギリス)へ」だったのが「霧の国から・桜の国へ」へと。
 ただ、とにかく
扉絵の風情が全く違います。これは…短編集だったの?ここで全く別のお話が始まっちゃうのでしょうか?

 ところが1ページ目をめくってもう吃驚(びっくり)!

 こ、これは…ありし日のカロライン(中身同じ)ではありませんか!
 しかもご丁寧にも乗馬中ですよ!

 この編で読者は作者の巡らせた趣向に気がつくことになります。
 そう、男女両方の視点を別の作品で語ろうというのです!

 全く同じ様に「自分が男だったら」と落馬しながらモノローグするカロラインさん

 この後の展開がどうなるか…はい、もうお分かりですね。

 そう、カロラインは千春の身体の中に入り込んでしまったのです!

 
冒頭の場面を覚えていらっしゃるでしょうか?
 そう、あのエキセントリックなお母様のところに
読者は再び案内されることになります。異国から空間とそして性別を超えて飛んできた語り部、カロラインの視点を借りてね。

 …
何という構成力でしょうか。もう脱帽というか舌を巻くというか…とても私程度には思いつきませんです。この辺りを紹介して欲しかったんですよねえ。批評ブログでは。

ムチャクチャなことを説明せざるを得ない千春(カロライン)と
「男妾(おとこめかけ)」と言われていた相手の風早

 ところが、このお母さんはなんとそのムチャクチャな話を聞いても
そのまんま受け入れてしまいます。

いちいち何語でしゃべっているのかを欄外で(しかも手描き)教えてくれます。
漫画は分かりやすいのが一番。

 ぶっちゃけTSものの「母親」というのは時に息子が女になろうが入れ替わろうが嬉々として受け入れたりはするものですが、
ここまで現実をちゃんと認識していない能天気な母親は始めて見ました。

 …気を取り直してお話の紹介に戻りましょう。

 面白いのはカロラインの方は非常に性格が男性的で、男になったことに対する動揺が薄いんです。
 これはマイナーセックスからメジャーセックスへの転身(女性の地位を貶(おとし)める意図の表現ではありません)ということもあるんでしょうが、この物語が
「女性的な男性と男性的な女性の肉体・精神が入れ替わって、擬似的に“本来の姿”になる」構造を取るためでしょう。

 TSものといえば入れ替わった後に「男性的な女性と女性的な男性」の形態を取るという「おれがあいつであいつがおれで」で提示されたパターンが「定番」にして「王道」だったのですが、そのバリエーションの一つです。
 そして現在は結構よく見るパターンでもあります。
 現在進行形での連載作品としては僕と彼女の×××(レビューはこちら)があります。

 さて、この物語は単に入れ替わった人間のパーソナリティを強調するとか動揺を描くだけでは終わりません。
 いい意味で物語構造がしっかりと構築されているのです。
 キャラクターたちはその舞台の中でしっかりと自らの役割を演じなくてはなりません。



「千春」を巡る状況を理解していくカロライン。

 さて、
ここからが当作の真骨頂。凡百の「入れ替わりもの」と全く違う展開を見せるのです。

 どうやら「商売の才能」があったらしいカロラインは自分が
西洋人というパーソナリティ(人格)の知識を利用して「貿易」をすることを思いつくのです。

 早速風早の資産で援助してもらって「買い付け」を開始するカロライン。
 東洋的な価値観を褒め上げてもらうってのは悪い気はしません。この辺り作者さん上手いなあ、という感じ

 この
「何かを築いていく感じ」というのはやっぱり面白いですよね。例え物語の中とはいっても。

 さて、細かいところをはしょりながら解説を進めてきたのですが、ここまでの説明でもこれが
「単に該当要素のある少女漫画」などでは無いことがお分かりになるでしょう。

 そして、実は「男女双方の立場から入れ変わった状況を描く」という物語そのものは結構存在していました。
 また、入れ替わると同時に「精神が異世界に飛んでいく」作品もままありました。当欄で紹介したこともあるパートタイムプリンセス(レビューはこちら)やぼくのご主人様!?(レビューはこちら)などがそうです。

 この「桜の国から・霧の国へ」ではその「併せ技」だと思っておりました。
 入れ替わりが起こった原因も不明だし、場所だって恐ろしく離れている。どう考えても「不可逆」(戻れない)です。
 ただ、どちらも丸っきりの異世界に飛ばされつつも、そちらで何とかなりそうな雰囲気があります。

 ところが…千春(カロライン)の目指すのは「貿易商」です。しかも西洋を商売相手にしての。
 ということは…?

 そう、ここでパトロンである風早が
恐ろしいことを言い出します。

 
Σ(゜Д゜)な、なんだってー!!!

 ある種の「入れ替わり」という説明はそりゃなされてはいました。
 しかし、余りにも「異世界」への飛び方が凄かったものだから、てっきり現代人が中世ヨーロッパに飛ばされたみたいに思っていたのですが、
この二人の入れ替わりは同時代のことだったのか!?

 
これは本当に驚きました
 これほどのサプライズはちょっと久しぶりの体験です。

 
繋がるとは全く思っていなかった2つの世界が空間を隔てただけの同じ世界に存在しているのです!

 どうです?ムチャクチャにドキドキしませんか?私はしました。

 そんなこんなで無事に貿易会社を設立した風早と千春(カロライン)は一路ヨーロッパのイギリスに向かいます。

 ここで風早が留学時代の「友人」の名前を挙げます。

 ん?バーミリオン子爵?
 そう!先ほど「千春編」に出て来たあのマヌケ(失礼)ですよ!
 
脳内のパズルが綺麗にピタリピタリとはまっていくこの恐るべき知的快感!こりゃたまりませんよ!

 そして遂に二人は運命の邂逅を果たすのです!

 そして千春の身体に入ったカロラインはカロラインの身体に入った千春に求婚することになります。

左の金髪碧眼の白人女性の中身が男性で、右の黒髪の東洋人の中身が女性です

 ここで「カロライン編」は終わり。

 そして遂に最終章、「桜の国のわたしと・霧の国のわたし」が始まるのです!

 どうです?読みたくなりましたか?

 ここで幾つか印象的にして魅力的なコマをご紹介。これで最終章の中身を察してくださいませ。





む〜ん、見た目がウホッ!な感じだと思ってたけど…やはりか(核爆)

 …ってな感じでちゃんと倒錯方面も抑えつつ、

 なんと、
オスカーの実家は貿易会社だったのです!
 全てのパーツが繋がっていく…。

 という訳で紹介はここまで!後は本編を読んで楽しんでください。
 いいところで引っ張りやがって!とか思わないで下さいね。

 だって何もかもバラしちゃったらそれはクリエイターに失礼でしょ?このコラムはクリエイターを応援する意味もあるんだから。ここまで紹介すればこの作品が一筋縄では行かない傑作であることがお分かりになるはず。

 ぶっちゃけあの表紙に絵柄的にも
ここまでの傑作だったとは全く思っていませんでした。
 しかし、本当に「ページをめくる手が止まらない」とはこのことか。TS的にもそれこそ全ページスキャンしないと終わらないほど濃密にして精巧、そして無駄の無い構成。

 最後の最後、どの様な結末が待ち受けているのかは皆さんが確かめてみてください。だらだらと引っ張ることはまるで考えていない珠玉の全一巻。ストーリー重視の作品にはありがちな「キャラクターへの魅力が無い」ということも全く無い、憎めない名キャラクターたち!全くスキがありません!

 この「桜の国から・霧の国へ」はTSファンの皆さんに自信を持って進められる一品です。
 こりゃあ面白いですよ!

2007.12.06.
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