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TS関係のオススメ本11-05


*アップロードする際に在庫を確認してから行ってはいますが、なにぶん古い本が多い為、時間が経過することで在庫切れになる場合もございますのでご了承下さい。
真城 悠


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ざ・ちぇんじ!
(1987〜1988年・白泉社・山内直美)
  
  
*貼ってある広告が2つなのは文庫版のそれだからです。
こちらは新品が現在も入手可能です。
4冊あるのは最初に発売された白泉社コミック版の表紙。
こちらは絶版状態でマーケットプレイスでしか手に入りません

 結論から言います。
買え。以上。
 …すいません。興奮してしまいました。

 ただ、もしもTSファンでこの作品の存在を知らない方がいらっしゃったら…そして、ウチのホームページに好んで来ていらっしゃる方ならばこの先を読む必要はありません。本当に。
即買いです。ええ。

 …ではあんまりなのでもう少し解説をば(^^;;。

 原作は日本の古典で、
「三大奇書」と呼ばれているらしい「とりかへばや物語」に材をとります。ちなみに残りは「雨月物語」と「とはずがたり」だそうです。私の予備校の古文の先生が言ってました。

 ちなみに中学生当時…いや、物心付いた時からTS本漁りに余念が無かった私はこの「ざ・ちぇんじ」よりも先に研究書の方を読んでいました。

 簡単に粗筋をご紹介しましょう。
「こんな古文の物語が古代に書かれていたなんて日本はなんていい国だ」と想う事必至です(Wikipediaより)。

「ある平安貴族には2人の子供がいた。1人は内気で女性的な性格の男児、もう1人は快活で男性的な性格の女児。父の平安貴族は2人を「取り替えたいなあ」と嘆いていたが、この天性の性格のため、男児は「姫君」として、女児は「若君」として育てられることとなった。

男装の女児である「若君」は男性として宮廷に出仕するや、あふれる才気を発揮し、若くして出世街道を突き進む。また、女装の男児である「姫君」も女性として後宮に出仕を始める。(後略)」


 原典の成立は1180年以前と推測されています。
 何しろ設定が奇抜です。メインが女装・男装なもんですからこんなこともありました。(Wikipediaより)

「古くから読み続けられてきた作品ではあるが、近代の一時期批判的に扱われていた。明治時代の国文学史上では例えば藤岡作太郎から「怪奇」「読者の心を欺く」「小説になっていない」「嘔吐を催す」などと評される事もあったが、近年ジェンダーの視点から再評価された。」

 全くシャレの分からんセンセイもいたもんです(怒。

 ともあれ、何点かの「現代語訳」が出版された後、氷室冴子先生によるコバルト文庫版が発売されます。
 

 この氷室版を元に山内尚美さんによる漫画版が描かれます。
 それが今回紹介する「ざ・ちぇんじ!」です。

 それにしても1987年に第一巻が発売ですか。いや〜古いですねえ。
 当然ながら私が所持しているのは文庫版ではなくて、白泉社の普通のコミック版です。
 この作品もTS作品レビューを開始して以来絶対に紹介したいと思っていた大傑作。そして文庫版のみながらも新刊で手に入るという幸運!
 旧コミック版はマーケットプレイスのみなので広告は文庫で貼ってあります。

 しかし1987年ってまだベルリンの壁もソビエト連邦も健在の頃ですよ。実に21年前!天安門事件、アサヒスーパードライ発売、かの「朝まで生テレビ」が放送開始になったのもこの年だったりします。ちなみに総理大臣は中曽根康弘氏から竹下登氏へ。もうそんな昔か。

 とにかくこの漫画版が良く出来ていて、部分的には原作を越えてるんですよ。
 まずはご紹介。

 主人公の一人が「男装の姫」である綺羅(きら)の若。

 
とにかくお転婆で、生粋の男の子と決闘の約束を取り付けたりとやりたい放題。決闘ったって矢の命中競争とかですけども。
 勿論、世間的には「男」で通ってます。

 でもって、その「弟」である「綺羅の姫」がいます。

 …最初に言っときますが
「覚悟」して下さいね。

 こと幼少の頃の容姿に限って言うならば女類男族」(レビューはこちらの五十嵐成紀くん、能瀬くんは大迷惑Jr.編」(レビューはこちらシリーズの能瀬発彦パパに並ぶ
最強クラスの「男性萌えキャラ」(特に連載開始時の幼少時)ですので。

 いいですか?いきますよ。












































 
Σ(゜Д゜)…。

 そりゃ姉さんも「ぽっ」となるわ!

 とにかく、この「綺羅の姫さま」たる
弟が犯罪的に可愛いんですよ。つーか犯罪です。逮捕です。

 もう少しだけ弟姫の初登場シークエンスを。



一番右のコマでもじもじしているのが弟。断じて妹ではありません。

 ( *´∀`)…。
 えー、
誰ですか?「綺羅の姫さまはオレの嫁」とか言ってるのは!

 一応紹介しておきますと、迷信深い産みの母がこんな事を口走ったために、

んな無茶な

 こんなことになっていたのですが、ある日のこと真相に突き当たります。

 この他に
物凄く大事なサブキャラをご紹介。
 乳母(めのと)の子である小百合(さゆり)です。

小百合可愛いよ小百合

 時代考証がしっかりした平安時代劇なので専門用語がバンバン出てきます。乳母(めのと)の定義は次の通り(Wikipediaより)。

「かつて、現在のような良質の代用乳が得られない時代には母乳の出の悪さは乳児の成育に直接悪影響を及ぼし、その命にも関わった。そのため、皇族、貴族、武家、あるいは豊かな家の場合、母親に代わって乳を与える乳母を召し使った。

また、身分の高い人間は子育てのような雑事を自分ですべきではないという考えや、他のしっかりとした女性に任せたほうが教育上も良いとの考えから、乳離れした後、母親に代わって子育てを行う人も乳母という。英語では、乳を与えるのをWet Nurse、子育てをするのをDry Nurse(Nanny)と区別する。」

 そういえばこの所「世界まる見え!テレビ特捜部」(月曜20-21)で「ナニー」の番組が紹介されていますが子育て役のことだったんですね。

 ちなみに明治天皇陛下は乳母に育てられた世代でいらっしゃるそうです。
 少し想像すれば分かりますが、直接世話をしてもらっているのは実の母よりも乳母(めのと)ですから、下手すれば乳母(めのと)の方にずっとなついてしまいます。
 乳母(めのと)の子は必然的に同時期に幼児であった子供ということになりますから、もうきょうだい同然です。

 それにしても小百合可愛いなあ( *´∀`)…。

 いやもう、
小百合だけで編集して画集作りたいくらいに可愛い。何だそりゃ。

 ちなみに小百合は姫さまの身の回りの世話をする女童(めのわらわ)。
平安時代のメイドさんですね。
 この幼少時代に比べると後半では成長しちゃって面影も無くなるんですが、この特殊な事情を抱えるきょうだいを全編に渡って支え続ける名脇役。

 全部のページを紹介したいのを血の涙を絞りながらはしょって紹介しますと。綺羅の若(姉)は元服していないことをネタにいつもからかわれることを常に心理的に負担に思っています。


 そして綺羅の若(姉)は父が元服させてくれないことに腹を立てて北嵯峨の山小屋に篭ってしまいます。

身分は段違いですが、きょうだい同然に育ってますので平気で同レベルのケンカをします。
うう、こういう友情っていいなあ。一生ものの宝です。

 そこで小百合と口ケンカした挙句、小屋を飛び出して水浴びをしているところ、見知らぬ男に目撃されてしまいます。



 何しろ綺羅の若(姉)が実際は女であることを知る者は弟の他には家族と小百合くらいしかいませんから、この時点で姉さんは「正体不明の謎の女」です。

 どうにかさっさと立ち去った貰おうと適当な「入水自殺の言い訳」をとうとうと述べるとこの二枚目は勘違いして本気で同情してくれ、貴重な数珠(じゅず)までくれてしまいます。


 
当然伏線なので覚えておいてください。

 そんなことをしている間にも
京では大変なことに。

 なんと「評判の子」である綺羅の若(姉)の姿を見たい…ってのことを当今(とうぎん)さまに直接言われてしまうのです。

御簾(みす)の向こうにいるのが当今(とうぎん)さま。

 当今(とうぎん)さまというのは要するに当時の天皇陛下ですね。

 直接「天皇陛下」とかは言わないですねえ。
 古文の文章の多くには主語がなく、敬語表現で主語を類推するという苦労を強いられたもんですが、これは「みだりに名前を呼ばない」ことを徹底させた結果分かりにくくなったためです。
 ちなみに「モーゼの十戒」の三番目でも「神の名を徒(いたず)らに取り上げてはならないこと」とあります。言霊信仰に留まらずこの辺の感覚は世界共通みたいですね。

 ちなみに歴代のどの天皇陛下なのかは当然明記されていない訳ですが、間違いなく今上陛下のご先祖様です。この年代を経ても直接繋がってるってのは凄いですねえ。ちなみに「昔話」ですが、「かぐや姫」の出てくる「竹取物語」でも最後にかぐや姫に求婚に乗り出してくるのは時の帝だったりするのでした。

 話を戻しますが、当時の
今上陛下自らの指名なのでえらい話に発展しております。

 ちなみに綺羅の若(姉)と綺羅の姫(弟)は産みの母が違うんですが、どちらもお互いに対抗意識を燃やす間柄。
 
綺羅の若が元服をしてもらえるんならば姫も裳着(もぎ)もやってよ!と大揉めに。

 ちなみに元服(げんぷく)はご存知の方も多いでしょうが、
裳着(もぎ)はご存知無い方が多いでしょう。この際なので両方おさらいしましょう(Wikipediaより)。

「元服(げんぶく、げんぷく)とは、平安時代以降、公家・武家の間で行われた男子の成人式という通過儀礼である。加冠(初冠)ともいわれる。江戸時代以降は行われなくなった。

一般に15歳に達した男子が成人したことを表すために行われ、氏神の社前で大人の服に改め、総角(角髪(みずら))と呼ばれる子供の髪型を改めて大人の髪(冠下の髻(かんむりしたのもとどり))を結い、烏帽子親により冠をつける(公家、及び、平氏系の武家では、厚化粧、引眉にお歯黒も付ける、源氏系は付けない場合が多かった)。それまでの幼名を廃して烏帽子名(元服名・諱)を新たに付ける。室町時代以降は民間にも普及した。民間においては褌親(へこおや)の元で、初めてふんどしを付け、性に関する知識を授かる褌祝(ふんどしいわい)と呼ばれる儀式がある。」


「裳着(もぎ)は、平安時代から安土桃山時代(皇族、貴族は明治時代)にかけて女子の成人を示すものとして行われた通過儀礼(元服に相当)。成人した女子にはじめて裳を着せるもの。年齢は一定しないが概ね12−16歳(但し、戦国時代に於いては政略結婚に備えて8〜10才位に繰り上がった)。

一人前の女性になったことを示すもので、結婚させるべき親の意思表示である。裳を着せる役の者を腰結(こしゆい)と称し、徳望のあるものから選ばれる。また、日取りは吉日が選ばれ、裳の腰紐を結び、髪上げをする。また、「かねつけ親」の立ち会いのもと、初めてお歯黒を付け、眉を剃り、厚化粧をして殿上眉を描く(引眉)。これ以降、小袖は白、袴は緋(但し江戸時代以降は結婚まで引き続き濃紫)となる。」


 どさくさに紛れて姉の元服とセットで弟の裳着(もぎ)まで決定。文章が日本語としておかしいですがその通りなので仕方がありません。

 ちなみに姉の方は男っぽい性格で元服したくてたまらないのですが、
弟の方は身体が弱くてじっとしているものの、女として生活することそのものは嫌がっています

 素晴らしい…。ちゃんと嫌がっている…( *´∀`)。

もうコメント不要ですね。全てが完璧

 なので、
今まではシャレで済んでいた自宅での女装ひきこもり生活だったものを裳着(もぎ)に引っ張り出されることになる弟にとっては大迷惑

 皆さん想像してみてくださいよ。
 
男の子が強引に「女の成人式」をやらされるわけです。

 それまでは自宅で引きこもって地味な私服で済んでいたものが、
大人の女が着るドレスを着せられ、身だしなみからメイクまでバッチリ仕込まれて、一人前の女になったことを記念する儀式を執り行われることを…。  なんとうらやまし気の毒なことでしょう。

 でもまあ、
読者としては面白くてたまらないんですが(鬼。

 でもって元服の日。

 その美貌に注目を集めまくる綺羅の若(姉)。

着飾って聴衆の前に姿を表し、その凛々しい美しさに「ほう」とか言われるのって「マーダーライセンス牙」(レビューはこちら)と同じっちゃあ同じですね。あちらは女装した男でしたが(核爆)

 そして廊下でなんと主上(おかみ)とバッタリ出会ってしまいます。ぎゃー!

 そう、あの北嵯峨の湖のほとりで出会った二枚目ですよ!

 これってあれですよね?「ロードス島戦記」で
パーンの知り合いがカシュー王始めとして王侯貴族ばっかりみたいな感じですよね。
 元々貴族である綺羅の若(姉)にとって「雲の上の人」といえばそりゃもう今上陛下しかいません。

 綺羅の若(姉)にとって至上命題は「女だとバレない」ことなのに、女として素っ裸の状態を目撃された人と出会ってしまい、しかもしれが主上(おかみ)…。
 普通に考えれば絶体絶命です。
 だって、
普通に考えればここで完全に「女バレ」ですから。

 ところが…ストーリーテリングが巧みですねえ。何と
主上(おかみ)は「この間目撃したのは、この綺羅の若の妹の姫に違いない」と合点してしまったのです!

違います

 元々「身分が高くなりすぎて(そりゃな)、理想の女性と出会えない」と嘆いている主上(おかみ)。常に理想の女性を夢想してるんですよ。そこに…。

 げ、げええっ!ということは一気に
あの弟に貞操の危機が!?

Σ(゜Д゜)!か、完全に萌えまくってるよ!

 ちなみに
この段階で全4巻の旧コミックで第1巻の半分くらいですよ!

 原作のライトノベル(という表現は当時は無いですが)が上手いってこともありますが、この
コメディ調が上手いんだまた。

完全に自己完結しています。
いや、相手の受け答えまで脳内で創作しているに近いので「自己発電」レベルか

 それまでは「謎の女」扱いだった女性の正体が分かった(勘違いですが)もので、ので
主上(おかみ)の妄想は一気に行き着くところまで突っ走ります

 もうこれはぎゃー!ですよ。
あの弟がお嫁さんに!?しかもお相手は身分卑しからぬ方ですよ!

 読みながら
当時の少女読者はきゃーきゃー言って楽しんでたでしょう。大きなお友達の読者もきゃーきゃー言ってますが(核爆)。

 いや〜、暗記するほど読んだ漫画版ですが今回改めて読み返してみて本当に面白いと再認識。これで
原作が700年以上前に書かれたものだってんだから凄いったらありゃしない。

 作者は不詳なんですが、こんな可愛らしい絵柄で漫画化してもらえるとは思ってもいなかったことでしょう。
 それにしても
平安時代にTS小説作家がいたとはねえ。

 当時に書かれた小説はかなりの数に登ると推測されていますが、現在まで残っているのは「源氏物語」含めてそれほど多くありません。何しろ数百年をへていますからね。その数多くの物語の中でも「とりかへばや物語」が現在まで読み継がれていたのは…当時から現在までのTSファンの努力によるものでしょう。なーんちゃって。

 とにかくあっちの人が勘違い、こっちの人が勘違いと
勘違い合戦
 全ての事情を知っている読者は
(・∀・)ニヤニヤしっ放しという読者冥利に尽きる至高の体験ですよ。

 もう
あらゆる場面が名場面なのですが、ここは敢えて最小限の説明で名場面を並べますので目一杯萌えて下さいませ。

相変わらず美しい綺羅の姫(弟)



形式上姉の綺羅の若(姉)が結婚している三の姫さん。コンナオヨメサンガホスィ…Σ(゜Д゜)…。



綺羅の若(姉)が形式的に結婚している三の姫(さんのひめ)さんが「いろは」の意味を知ったところ。
要するに「ABC」ですね。それにしてもこの崩れ方は…。
ちなみに殆どの登場人物が幸福な結末を迎える中、彼女だけはかなり過酷な運命にさらされます。
最終的にどうなるかは読んでのお楽しみ。



 綺羅の姫(弟)が尚待(ないしのかみ)として使える女東宮(にょとうぐう)さま。モロにツンデレです。有難うございます。アニメ化するんならベタに釘宮理恵さんで(えー。

本当に20年以上前に描かれた漫画なのでしょうか?正に時代の最先端

 ちなみに東宮(とうぐう)さまとは今で言う「皇太子さま」のこと
 当時は女性で皇太子として待機させられている方もいらっしゃったのですね。
 この物語は主人公の姉弟を始めとして多くの登場人物に「固有名詞」が無く、役職・官職名のみで呼ばれます。
 彼女もその一人。

 皮肉なことに身分の低い小百合だけが本名が判明している形です。
 確かに主上(おかみ)と言えば一人しかいないので役職名で呼んでも話は通じるんですが、メイドの一人をそう呼んでも誰のことやら分からんですからね。
 また、当時は簡単に言うと「本名を他人に知られるとその情報を使って呪われる」危険性があったので軽はずみに記録に残すことができなかった…という事情もあるみたいです。

 このため、特に女性は結構有名人でも本名が不明な人が多いです。紫式部、清少納言(式部・納言はざっくり言うと役職名)、菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)(「更級日記」作者)、藤原道綱母(ふじわらのみちつなのはは)(「蜻蛉日記」作者)等々。それにしても「〜の娘」とか「〜の母」とかってあんまりな表現に見えます。
 ただ、これを持って当時の「男性の従属物」としての女性の地位の低さを嘆いてみせるフェミニストの方もいらっしゃるわけですが、この場合は男性が楯となって女性を言霊の攻撃から守っている(本名を隠す)形なのでこの批判は的外れとなります。
 また、同様の理由から現在は広く知られている名前でも、生前にはそう呼ばれていなかったことが確実視されている人も多いです。後醍醐天皇以外の歴代天皇陛下、聖徳太子などなど。


綺羅の姫(弟)が女東宮のいる麗景殿(れいけいでん)の前の廊下を初めて通ったとき。
 ここは京都なので当たり前ですけど、京言葉ならではの嫌らしさがたんまり…。
そういえばお父さんも京言葉なのに主役の姉弟や小百合って標準語ですね。
ま、漫画なので分かりやすい演出ってことで。



西洋のドレスよりもある意味女性的な(?)十二単で抱き合っている女東宮さまと綺羅の姫(弟)。
 しかしまあ、なんと美しい構図でしょうか。もううっとりですね。



お姫様みたいなお着物で「男の子」な受け答えをしている綺羅の姫(弟)。
 もうグダグダ言わんでもこの「分かっている」絵柄が全てです。そうでしょ?


 いや〜今までは「ここまでここまで」言いながらもどうにかこうにかダイジェストでスキャンしまくっていたんですが
改めて読んでみて本当に面白かったです(^^。

 
そして萌えまくり

 もう20年以上前の漫画なのですが、
現在に持って来ても何の問題も無く通用するほど絵柄が可愛らしいです。それこそ今風に言えば「萌え」ですね。

 そして
ロリもショタもツンデレも、そしてボーイズラブ(やおい)もある!

 多くの男性の好意を一身に受ける綺羅の若(姉)の立場というのは、実は
男同士に見せかけて実際には男女の関係なんですが、この構図は明らかに「男同士のプラトニック・ラブ」状態。つまり「やおい」です。

 その感情に周囲の男は
「男(綺羅の若)が好きな自分って…」「怪(あや)しの恋」と思い悩むなど、「醍醐味」も完璧。

 何しろ、綺羅の若(姉)が余りにも魅力的なので
「ええい!男でも構わん!」と相手が男だと分かっているのに押し倒そうとする…などという衝撃展開もあり。

 ちなみにこの場面は
原作の古文では一番の山場の場面

 
いや、これは受けるでしょ。

 私の目にはこの部分の
原作本をひったくりあいながら回し読みする平安時代の女性達が見えます(えー。

 ローゼンクロイツ―仮面の貴婦人」(レビューはこちらでも書いたんですが、こういう場面を読む快感に嵌(はま)ってしまうともう抜けられなくなります。
今まで馬鹿にしていた腐女子の皆さんごめんなさい

 それほど
やおい作品に詳しい訳では無いのですが、何作か読む限りでは主役の男の子って明らかに女性作者・読者の立場の投影に見えます。

 要するに
「男装した女性」みたいなもの。つまり、この作品での姉がそのまんま当てはまる…というわけ。

 え?ならば女性は潜在的にそういうことを望んでいるのかって?いや、そこは疑似体験ですから。想像するのはタダでしょ?

 あちこちで男女を取り違えたままで一方的に誰かが誰かを好きになったり拗(す)ねたり僻(ひが)んだりツンデレしたりしているんですが、実は本当の性別では丸く収まる関係ばかり。
 これを八方丸く収める方法は…そりゃ一つしか無いですよね?

 恐らく
皆さんが想像している通りの解決を迎えます。
 そりゃ沢山問題はありますが、それをどうにかこうにか辻褄を合わせてみせるんですね。

 最初に読んだ時には余りの論理的美しさに膝をガンガン殴って感心したんですが、後に原典を読んでびっくり。何と、
原書では一箇所だけ「超自然的な力」を使うんですよ。

 ところが!
このアレンジ版の漫画ではそれをも綺麗に解決してみせているんですね。

 原作のどの編が超自然的な現象を使っているのかを書いてしまうとネタバレになってしまうので書けないんですが、この
論理の美しさは特筆もの
 余りの素晴らしさと無理の無い展開に「これが全部平安時代の原作だったなんて凄いなあ」と感心してましたから。

 
全ての人が幸せになる最高のエンディングが待っています。

 「シンデレラ・ストーリー」って奴ですよ。殆どネタ割ってますがみんな想像付くでしょ(^^。
 およそ古今東西の女性読者が待ち望む最高のエンディングといえばこれしかありません。
 それどころかずっと女装を強いられてきた綺羅の姫(弟)や、この物語の中である意味一番辛い状況に追い込まれる三の姫にすらベストパートナーがあてがわれる形に!

 む〜ん、
こんなに幸福な読後感って月の子(レビューはこちらに匹敵するかも知れません。

 実は…恥ずかしい話、連載が終わった時には
不覚にも泣いてしまいました
 もう登場人物のみんなに会えないのかと思うと胸が張り裂けそうで(;´Д⊂・・・。
 とにかく、読んでもらえば分かります。超オススメ。

2008.01.13.Sun.

 あ、あと小百合は私の嫁なのであしからず(おい。
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