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TS関係のオススメ本11-06


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真城 悠


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魔法少年マジョーリアン 2
(2008年〜・石田敦子・双葉社)2巻続巻

10-01 「魔法少年マジョーリアン」(レビューはこちら


 この所ウチのホームページとしては特に桜ish ―推定魔法少女 」(レビューはこちらを猛プッシュしています。
 つーか
あの世界観ってどうしても惹かれてしまうんですよねえ。
 ストレートなエロもいいんだけど、
甘美な破滅への希求ってのも私の性格に合っているのかもしれません。

 第1巻が発売されてからレビューを載せるまでにかなり間があった問題作、魔法少年マジョーリアンの1巻ですが、それはなぜかと言うとどうしても
「メタフィクション」っぽい冷めたスタンスに批判的にならざるを得なかったから。

 メタフィクションってのは要するに作中の登場人物が「作者の都合でさ〜」とか「読者が云々」とか「これは漫画(作り話)ですよ」ということを認識していたり、モロに言及してしまう作品のこと。
 これは、「天才バカボン」とか「まことちゃん」とか言う「破戒的ギャグ漫画」ではままある手法ですが、ごく普通の漫画でやるのは自殺行為です。
天才バカボン誕生40周年記念天才バカボンTHE BEST 講 (KCデラックス)
天才バカボン誕生40周年記念天才バカボンTHE BEST 講 (KCデラックス) 赤塚 不二夫

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starぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ

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 どこの誰が「作り手が作品世界に没入してません」というスタンスを見せるお話に熱中します?

 ましてやそれを「セカイ系」でやるなんて何が何だか分かりません。
 だって、「セカイ系」ってのは過剰なほど自ら作り上げたお話に没入するものだから。

 何だか「真城の城」では
世界の存亡に関わるお話となると全部「セカイ系」呼ばわりしているみたいですけど、第1巻まで読んだ段階ではあれだけ怪獣が暴れ回っているのに警察も軍隊も劇中に出てきませんし、「マジョーリアン」が報道されたりはしていますが、マスコミすら殆ど登場しないのですから、…まあ「セカイ系」と読んでも構わないでしょう。
(「セカイ系」そのものの解説については桜ish ―推定魔法少女 」(レビューはこちらの項を参照)

 絶対にその内レビューしたいんですが、漫画「寄生獣」では跋扈する寄生獣に対して政府も軍隊も動きます。
 アメリカのドラマ「24」では、主人公のジャック・バウワーは大抵の場合は正しいのみならず最も的確な捜査をしているんですが、余りの暴走振りにシーズンごとに組織そのものを敵に回してしまったり、場合によっては政府のお尋ね者になってしまったりします。
 
世界は少数の人間の個人的な都合で動くようなものではないのです。
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stars1シーズンしか観れてません…
starsあの24を省スペースで保管できるのが◎
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stars極端にお得、一気に見れる、何度も見れる。英語学習ツールとしても最適・最強

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 世界の存亡ってのは、多くの人間…それこそ生きている人間全てに関係せざるを得ない大問題です。
 
うじうじ悩んでいるたった一人で全てを抱え込める訳では無いんですよ。

 
「世界の存亡を担っている立場」という屈折したエリート意識こそが「セカイ系」の醍醐味です。
 これって
「オタク」の選民意識と殆どパラレルな関係です。

 多くの人間には価値が無いものとされているものが、ある局面においては大きな価値を持つ様になる。
 世間一般にではどれだけアニメ・漫画に詳しくても社会的成功には全く繋がりません。
 ならばそれが価値を持つ世界から出てこなければいい。

 え?そんなセカイ…もとい世界なんて存在しないって?いや、あるかも知れませんよ。無いかもしれないけど。

 世の中ってのはままならないものであり、世の中に貢献出来たり、世の中で価値あるとされている技能を身に付けるには努力が必要なんですよ。
 偶然自分が夢中になってやっている(要は努力しなくていい)漫画・アニメの知識を持っていることや、ゲームの技能ってのはそのままでは「他人に認められる価値」とはなりえません。

 そこで「逆転の発想」です。
 そのものの価値は変わらずとも、周囲のものの価値が落ちたりすると相対的に価値が上昇したりするでしょ?

 そういえば熱狂的な「スター・トレック」ファンたちがその知識を利用して本当に宇宙からの侵略に対抗して世界に貢献できる映画「ギャラクシー・クエスト」なんてのもありましたね。
ギャラクシー★クエスト
ギャラクシー★クエスト ティム・アレン シガニー・ウィーバー アラン・リックマン

おすすめ平均
stars話がぐんぐん面白くなるんですよ
starsパロディとはこう作るんだと云う見本のような映画!
starsB級SF映画なのに面白い!
stars廉価版発売ありがとう

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 世界平和じゃないですが、オタクが世の中に貢献できる作品としては「七人のおたく」という映画もありました。

七人のおたく
七人のおたく ウッチャンナンチャン 内村光良 南原清隆

おすすめ平均
starsヲタクの原点?
stars武田君いい
stars七人のおたく
stars邦画の中では、脚本がピカイチ!

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 このタイトルは言うまでも無く黒澤映画にして「日本映画の最高傑作」と呼ばれ、IMDb(インターネット・ムービー・データベース)でもベスト10に唯一ランキングしている日本映画である「七人の侍」のパロディですね。
七人の侍(2枚組)<普及版>
七人の侍(2枚組)<普及版> 三船敏郎;志村喬;稲葉義男;宮口精二;千秋実 黒澤明

おすすめ平均
starsここまで面白いとは・・・
stars大切な日本語字幕
starsとにかく観ておけ、絶対損はしないから。で済ませたいところですが
stars字幕をONに
stars『七人の侍』の隠れたテーマは農業

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 ベスト250リスト(英語のみ)
http://www.imdb.com/chart/top
 私が見たときは7位だったんですが、いつの間にか10位まで落ちています(2008.01.14.Mon.時点)。

 海外では「SEVEN SAMURAI」というタイトルであることが多いんですが、IMDbでは「Shitinin no Samurai」表記になっているみたいです。
 ちなみに「七人のおたく」は1992年の公開ですから、「電車男」(書籍は2004年10月22日発売)に始まる「オタクバブル」の遥かに前の話です。

 ともあれ、今回「マジョーリアン」はかなりシリアス度合いを深める模様。
 前巻のラスト間際にもこれから先の暗い展開を予想できる要素は幾つかあったのですが、特にこの
帯のコピーがなかなかにストレートです。

 …
「変態!」の方が遥かに大きいのがアレですが…。

 ちなみに帯でこれほどデカデカ「変態」を謳うのって成城紅茶館の事情」(レビューはこちらもそうだったりします。どう男女!?」(レビューはこちらも帯で堂々とストーリーを割っているんですが、あちらは少女漫画であるためか控え目でした。

 む〜ん、これってやっぱりTSものの社会的認知度の差なんでしょうか。出版社側が「こんな変態的な内容の漫画なんて…」と内心忸怩たる思いを持っていることが滲み出ています。
 だって我々が帯のキャッチコピーを書くとしたら、少なくとも「変体!変態!変身!」なんてやらないでしょ?つーか担当者出て来い。これはあんまりでしょうよ。

 ただ、この「
どうせ滅亡しちゃう地球だけど」とさらりとえらいことが書いてあるのは如何(いか)にもセカイ系っぽいタナトスぶり。


 前置きがムチャクチャ長くなりました。


 前回のラストであの「謎の宇宙人」に「どっちにしろ地球は滅亡する」と衝撃的な宣言をされます。
 ちなみにこれがそのコマ。

 何と今回はマサルがその発言に意気消沈してしまい、何もかもやる気を失った状態でスタートします。ボクはもう嫌ですよ。ミサトさんがエヴァに乗ればいいじゃないですか。

 これが世界中の人口の半分が死滅し、いざ最終決戦の直前…というのならばともかく、ただ謎の小動物がそう口走っただけなのですからどうにも。
 ともあれ、「何をやっても無駄」という認識が突きつけられた形になり、全てにやる気を失ってしまうのですね。

 いや〜びっくり。これって
「人間とは何故生きるのか?」というテーマに思い悩む思春期の青年のテーマじゃないですか。
 今回は「どうせイムド(怪獣の総称)を倒しても無駄」とばかりに
態(わざ)と出動せずに大被害を出してしまいます

 それすらも新聞を読み上げるだけで、具体的な被害描写も何も無いのがいかにもセカイ系。本当に世界は滅びているんでしょうか?主人公の妄想では?

 「機動戦士ガンダム」の最終回で「実は夢オチでした!」とやったら
サンライズは焼き討ちに遭うでしょう。でも、「新世紀エヴァンゲリオン」が夢オチでも…怒りはするけど、「さもありなん」って感じではあります。つーか実際夢オチみたいなもんでしょあんなの(近親憎悪)。

 「機動戦士ガンダム」を始めとした「ロボットアニメ」にも主人公が拗(す)ねて戦うことを嫌がったりする「成長段階」描写はあります。
 しかし、今回はそれとも違う気がします。


 だって、マサルをなだめている様に見えるイオリすらも「世界は滅びるらしい」ことを頭から信じてしまっているんですよ。

 これは分からないですね。
 だって、そんなの連中がそう言っているだけで本当かどうかなんて分からないじゃないですか。
 なのに、「もう駄目だ」とすっかり諦めちゃってる。

 これって、中学生くらいが
「どうせみんないつかは死んじゃうんなら勉強しても無駄じゃないか」とか言い出して中間試験の勉強もせずに不貞寝(ふてね)しちゃう…みたいな状態に見えません?

 何と言うか、私もこういう子供の時の方がこの世に自分が引っ掛かっていることへの危うさがあったなあ…と思います。
 年齢を重ねるごとに徐々に人間がふてぶてしくなっていきますから、こんなにピュアに「人生とは!?」みたいなことを思い悩まないもん。

 要するにここでは「魔法少女に変身して怪獣を倒す事」について思い悩んでいる様に見えますが、実際には「自分は何の為に生きているんだろう」とか
「どうせ人間、最後には死んじゃうのに一生懸命何かやってもそんなこと意味無いんじゃないかな」といった心情が投影されている…と見るのが正しいと思います。

 …実はこの
「終末的雰囲気」というのはかなり魅力的でした。

 かの「第1次アニメブーム」の立役者である「宇宙戦艦ヤマト」は毎週地球滅亡までをカウントするかなり絶望的かつ悲壮なものでした。
 第2次の「機動戦士ガンダム」は人類の半分がジオン軍によって死滅されされており、第3次の「新世紀エヴァンゲリオン」では何だか分からないけどこの世の危機が訪れています。
 こうしたことから考えても、人間ってのは不思議なものでやっぱりこういう展開って惹かれるものがあるみたいです。
 何枚か並べてみますので、この「世紀末的な雰囲気」に酔って下さいませ。


 あなたも世界の危機を救ったりするロボットアニメなんかに夢中だった小学・中学生の頃に日曜日の午後、しとしと雨が降る日に空を見上げてこんなことをぼんやり考えたこととかありませんでした?私はありました。


もう「何もかもどうでもよくなってしまう」倦怠感に苛(さいな)まれている子供の図。
どうせ政治は腐敗しているしな!とか訳の分からんことを言って自分が明日のテスト勉強をしないことのいい訳にしたりとか。

 これってえらく
「書生くさい」悩みですよね。
 いい年こいた「大人」ってのはそんな「考えたってしょうがない」ことは考えないんですよ。分別のある50男が「自分は何の為に生きてるんだろう?」とか悩みませんよね。
 悩んでもいいけど、それでそれで仕事まですっぽかして部屋に引きこもったりはしないでしょう。子供っぽい。

 そう、
「子供っぽい」んです。「セカイ系」ってのは
 「精神的に未成熟な人が共感する」要素に満ち溢れてるんですよ。

 
だから私がこんなに熱狂する訳で(爆)。
 「桜ish」2巻の「学校生活」にまつわる下りなんて本当に身につまされましたもん。
 あの中学生っぽい破滅の甘美なイメージとかたまらないです。

 この「マジョーリアン」には細かいながらも重要な表現が随所にあります。
 「どうせみんな死んじゃう」と捨て鉢になっているイオリですが、女子にこの様に諭(さと)されます。

 この「自分が死のうと世界が滅びようと、好きである思いの方が大事でより強い」という「恋愛至上主義」が溢れてますね。「恋愛至上主義」に関してはどう男女!?」(レビューはこちらに書いたので詳しくはそちらで。


 この時のイオリのモノローグがポイント。



 この「姿かたちは女の子になっているけど、精神的にはどこまでも男の子」という展開は女装系のTS作品には割合見られます。
 「魔法少年マジョーリアン」の作者は女性である石田敦子さんなのですが、この「表面的に女性になって女の世界に紛れ込み、犯してはならない領域まで侵してしまっている」罪悪感の描写を見事になさっています。

 「マジョーリアン」は女装潜入ミッションものでもないし、「女生徒として学園で生活する」ものでもない。
 おと×まほ」(レビューはこちらナイトウィザード ヴァリアブルウィッチ」(レビューはこちらみたいな
「職業魔法少女」的な位置付けに近いといえば近いけど、押し付けられてやっている立場。

 「女性の立場を利用して何も知らない一般の女性のプライバシーを覗き見る」ことをやっている訳はないのだから、それほど罪悪感に苛(さいな)まれることも無いのでは…と私は思います。

 それでも、
彼らはやっぱり罪悪感は感じているわけですよ。

 これは個人的な見解ですけど、「男が女になる」ことに関して、「罪悪感」という表現にまでしなくてもいいけど、本当に単なるおちゃらけだけの作品は信用出来ない気がします。
 少なくとも「このままでいいのか」とは感じて欲しい。軽く匂わせるだけでもいいから。

 「男が女の世界に入り込む罪悪感」はリバーシブル」(レビューはこちらにも描かれていますし、「好き放題やってきた虚しさを最後に反省」する展開を辿る作品は幾つもあります。ウチでレビューした作品ですとオレの愛するアタシ」(レビューはこちらがありますし、映画「Switch」などもそれ。

 まだやってないんですが「艶姿純情BOY」などはその典型ではないかと。 ま、ここでは軽く触れられるだけなので解説もこれ位で流します。


 さて、女子の「気持ちが大事」という言葉に励まされたイオリは気を取り直して変身してイムドと戦う道を選びます。

 先ほどのネガティブ一辺倒からうって変わってイムド退治にやる気を見せるイオリ。
 自分の命よりも大切なものがある…とか、或いは人の為に自分が身を捧げても貢献出来る喜びとか、ともあれ結果的に自分含めた人類全員が死んでしまうとしても、それにポジティブに向かい合える心境へと飛躍して2巻の1エピソード目は終わります。

 まだ完結していない作品の歴史的評価をするのは早すぎるとは思うのですが、「魔法少年マジョーリアン」という作品はこのエピソードを描くためにあったと思います。

 イオリにひきずられて遂にマサルも自らの気持ちを踏ん切ります。

 ぶっちゃけこのエピソードは
かなり感動しました。

 それこそ劇場版が作られるならば中盤以降、クライマックスに向かう際の最も盛り上がる場面でしょうし、仮にテレビアニメシリーズであるならば最終回のラスたち(業界用語で「ラストの立ち回り」のこと)寸前、
音楽もムチャクチャ盛り上がって最高潮の場面だと思います。

 私の個人的な意見ですけども、
ここで終わりでも良かったんじゃないかと。

 だって、
ここまで描いてしまったらもうこの他に描くべきものは何も残っていないと思うんですよ。

 かの「新世紀エヴァンゲリオン」でも第壱話で無理矢理エヴァに乗る様に仕向けられていたシンジが自分の意思でエヴァに乗ることを選ぶ第拾九話「男の戦い」である種「目的」は達成したのか、
その後のエピソードでは特に何もなく、あの最終回を迎えます
 だって、少なくともアニメ業界界隈は「エヴァの続きはどうなるのか?」で上へ下への大騒ぎをしているのに、「ネルフはどの様に出来たのか」などというお話までやって時間稼ぎしてるんだから。
 本当に
あそこで燃え尽きてしまったのでしょうね。


 確かにこの時点では敵の正体も良く分からないし、マジョーリアン側の黒幕も全く分かりません。
 しかし、
これほど思わせぶりに話を振っておきながら、この2巻の最後までそれは明かされず、解決の糸口すら見えてきません

 読者の立場から言わせて貰えば
「あれは何だったの?」というところです。

 これはもうエヴァの「幻の解決」では無いですが…
恐らく石田さんも「真相」「黒幕」については特に考えていないのではないか

 だって、敵の総称すら7話に至るまで明かされず、マスコット達の名前やっと分かる有様。何の為に戦っているのかも分からない。でもどうやら世界を守るためらしい。…え?

 「マジョーリアン」は謎また謎で引っ張っていく構造はしていないのですが、「敵の正体」も「味方の真の狙い」も分からないという構図部分が「エヴァ」に似ていると言えば似ています。

 ではここで問題提起ですが、味方まで「良く分からない」というゾクゾクする様なミステリアスな雰囲気で魅せていたお話が、綺麗に解決することが出来るでしょうか?

 「新世紀エヴァンゲリオン」で使徒が何だったのか分かる人います?ネルフの狙いがどう関係するのか。
 「伝説巨神イデオン」で「イデの力」が何だったのかすっきり納得出来ますか?

伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇
伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇 塩屋翼 田中秀幸 白石冬美

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starsラストは壮絶です。
stars悲劇
stars発動編は神がかりです。
stars深く考えさせられた良い作品です

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 だから、ありえない理想を言うならばこのエピソードで終わっても良かったと思うんです。

 どれだけ引っ張ったってどうせ納得の行くエンディングになるとは思えないので、
「敵との戦いはこれからも続くのだ」で終わっちゃう手はあったと思います。
 何だか打ち切り漫画みたいですけど、真面目な話です。

 これは宮崎駿監督の言葉ですが、それこそ劇映画の主人公達は映画が終わった後にも人生は続く訳で、映画の2時間というのは彼らの人生の本の一部を写し取ったに過ぎないのです。

 彼ら彼女らの人生はそれからも続きます。

 ならばそこでぶっつり終わってもいいのではないか?
 それこそ主人公たちが劇中或いはラストで死んでしまって「その後の人生」が全く存在しないのならばともかくも、そのまま人生が続くのであれば
「途中で物語ることを終わる」という意味では大差無いのではないか

 勿論これは極論です。
天空の城ラピュタ
天空の城ラピュタ 田中真弓 横沢啓子 初井言榮

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stars空と城
starsファンタジーの王道にしてロマンの王
starsナウシカの訂正
starsすごいねー。
starsおそらく宮崎作品の中で一番

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 流石に「これからラピュタ行くぞ!」とか「ラピュタ見えてきた!」で「天空の城ラピュタ」が終わったら観客は怒っちゃうだろうけど、最後にドーラたちと別れた後にもシータとパズーの人生は続きます。
 先日どうやら真相が発覚したらしい「ラピュタ幻のエンディング」なるものがあります。

 これは「都市伝説」の一種で、要するにテレビ放送のみに「シータとパズーのその後」が描かれたパートが存在していた…というんですね。
 「幻のエンディング」そのものは都市伝説でしかありませんが、あの2人のそれからの人生が続いていくことは疑いようがありません。
 きっと二人はまたそれぞれに別れ、パズーは炭鉱に戻って下働きを再開、シータは…何をしてたのか知らんけど地元に戻るでしょう。
 そしてお金を貯めたパズーがシータの地元のゴンドアの谷を訪れて…とね。 しかし、間違ってもあの映画で描かれたような「血沸き肉踊る」劇的な出来事など起こらないでしょうね。でも、人生ってのはそういうもんです。

 そして、映画のエンディングにそこまで流す意味があったとも無かったとも言える。適当なところで区切らないとキリがありません。
 だって二人が結婚して子供が生まれ、パズーが浮気疑惑を掛けられてシータが鍋釜放り投げて痴話げんかしているところとか、育った子供がグレて家庭内暴力に悩むところとか、
不倫の果てに離婚して養育費の分配で揉(も)めるシータとパズー見たいか?

 「一番盛り上がったんだからそのまま終わっちゃえ」というのは別に無理難題を言っている訳ではありません。

 人気テレビドラマシリーズの「謎の円盤UFO」は
正にこういう終わり方をするんです。
謎の円盤UFO COLLECTORS’BOX PART1
謎の円盤UFO COLLECTORS’BOX PART1 エド・ビショップ

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stars矢島正明のもっともらしさ
stars今でも色褪せない面白さ。ストレイカーは理想の男性像。
starsやはりDVDは良い
starsまさか!の驚き。
stars深夜にお酒を飲みながらこっそりと

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 この物語も
敵の正体がサッパリ分からない上に、何となく正体を匂わせる描写が小出しにされていく気になる物語だったのですが、最終回は「これからも宇宙人との戦いは続くのだ」みたいな形で通常と同じ様に終わってそれっきりです。

 想像するしかないのですが、
当時のイギリスの視聴者はさぞぽかーんとなったことでしょう。あ、いや案外「こうするしかないよね」と達観してたかも。

 あと、これは私が物心つく前の放送で映像が残されていないために見ようが無いのですが、かつて放送されていたNHKの「少年ドラマシリーズ」内に於いては、宇宙人による地球侵略もののラストで、全く物事が解決されずこのままでは本当に地球が侵略されてしまう!となった瞬間
「この物語はここで終わる」とぶっつり話を切ってしまうものがあったそうです。
夕焼けTV番長
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 これはキャラクターそのものにスポットを当てる長期連載ではやりにくいんですが、「気の利いた中篇」とか「ブラックな短編」ならばかなり強烈なラストだと思います。

 ただ、現実にはこと現代においてはこれは難しいでしょう。

 もしも本当に「魔法少年○○」という萌え萌えな能天気性転換&女装コメディ漫画でこれをやられたらトラウマになるでしょう。
 っつっても70〜80年代の子供たちはそれこそ「伝説巨神イデオン」とか「無敵超人ザンボット3」とかの『トラウマ最終回』を散々見せられて来たんですがね。
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starsトラウマアニメ
stars一言「やってらんねぇ」
starsわが生涯のトラウマ・アニメ
stars泣きたい人たちへ!家族愛の集大成!苦悩の始まり!
starsタイトルに偽りあり

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 ともあれ、このエピソードで(現時点では)本作は最高潮を迎えます。
 
これに燃えずして何に燃えるのか

 そう、実はこれは
「セカイ系」の強さでもあります。

 ほぼ全てが「主人公の思い」だけで成り立っているセカイであるため、勝手に絶望して世界を滅ぼすことも出来ますが、
反対に勝手に盛り上がって世界を救うことも出来るのです。

 
無限にネガティブになってしまうのと全く同じ原因によって、無限にポジティブになって立ち上がったのですよ。

 「桜ish」のコラムで書いたのですが、「自分が何故それをやるのか」を押し付けられるのではなく自分の意志で納得し、確認して力強く一歩前に踏み出すことが何よりも大事。

 ここを描くことが出来たのだから、この先は「その思いが成し遂げられました」となるか、「残念ながら現実は厳しく、それでも尚主人公達は敗れてしまいました」となるかの
どちらかしか無いじゃないですか。

 ま、大人の立場から言わせて貰いますと、こんなに簡単にマイナスからプラスに感情が揺れ動くというのは、強みはあるけどもそれ故に
危なっかしい感じもしてしまいます。

 言葉は悪いんですが、まるで躁鬱症です(別にこの作品を名指しで「病気だ」などと非難している訳でも作者や読者を誹謗中傷している訳でもありません)。

 でも、思春期の子供の気持ちなんてそんなものじゃないですか。些細なことで明るくなったり、他人から見ればどうでもいいことで絶望したり。

 それほどまでに視野狭窄し、没入して観賞するからこそ面白いんですよ。
子供の頃に読んだ本が大人になって読んでもつまんなかったなんて話はあるでしょ。それは人生経験が浅く、その作品が人生に占める割合が大きいからですよ。

 つまり、「精神的に未熟だから楽しめる」ってこと。

 自慢じゃありませんが私なんて未だにセカイ系ってのめりこみますから(爆)。

 エヴァの話ばかりしますが、
あれだけ鬱だった主人公がテレビ版のラストではいきなり無限にポジティブになって希望に満ち溢れた様に見えるラストを迎えます

 が、あの
現実かも非現実かも分からない謎の空間死者含めた大勢の登場人物に「おめでとー」と祝福されるラストって幸せに見えます?

 怒りもありますけど、ある意味
最もそら恐ろしいエンディングで、私などは心の底からゾッとしました

 先ほど「躁鬱症」書きましたけど、一種の「多幸症」(ユーフォリア)状態になってるんじゃないかなぁ(Wikipediaより)。

「多幸感(たこうかん)とは、精神が一時的に昂揚し、非常に感謝の念が強くなったり、強い健康感を感じるようになる状態。睡眠薬だけでなくステロイド製剤でも起きやすい。」

ユーフォリア
ユーフォリア 牧野由依 窪田ミナ 河野伸

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stars朝ですよぉ?
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 ちなみに
私もかなりのレベルでこの「多幸症」だと思います。日常生活において辛い事ばかりあるので、ちょっと仕事が上手く行ったり人間関係が好転したりすると飛び上がるほど嬉しくなっちゃう。
 忘れもしない最初に就職した会社で、いつも意地悪してくる先輩に世間話の相手をしてもらったことがあって
「会話が成立した!」と有頂天になったことがあります。
 次の日からはまたいびりが始まるわけですが。
 つまり幻想です。現実が余りにも辛い(主観的にはそう感じている)為に幻想の世界に逃げ込む寸前なんだけど、何とか「いいこと」を日常生活に見つけ出して過剰に反応しちゃう。


 冷静に考えればこの場合は
「幸福を感じる」理由も原因も要因も全ては思い込みによる幻か勘違いです。
 そしてそれは
「不幸を感じる」場合も全て同じこと

 ならば今の自分の社会と自分自身…つまり
あらゆる認識全ては全部幻なのではないのか?う〜ん、思春期にありがちな妄想ですね。いいから宿題しろ。

 私の見解ではこの第2巻の第1エピソード「バッドドリームガールズ」はアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の第拾九話「男の戦い」と同じ位置づけになると思います。
 遂に自らの意思で「問題」を克服し、自ら選び取った未来に向かって立ち上がったと。

 ただ、この後、「エヴァ」は明らかに精彩を欠き、何をしていいのか分からないままに終焉してしまいました。新たに映画を作ってますが…ってエヴァの新しい映画に関してはブログで語りつくしたのでそちらでどうぞ。

 申し訳ないんですが、現在の段階では「魔法少年マジョーリアン」も同じ段階を辿っています。
 このエピソード以降も2巻には6話が収録されて、尚も続いているのですが、「バッドドリームガールズ」で行き着くところまでたどり着いてしまっているので
明らかに精彩を欠きます

 これから書きますけど、
目的を見失って迷走気味

 あれほど思わせぶりにちらつかされていた「隠された真相」もすっかりどっかに行ってしまっています。


 ここでちょっと話題を振ります。
 登場するのはどう男女!?」(レビューはこちらのコラムにも登場した映画マニアのOくん。

 彼は日常的にアニメを観る習慣はありませんが、別にアニメを嫌っているわけでもありません。こと映像作品に関しては雑食ですからチャンスがあれば何でも見ますし、偏見もありません。そして逆に過剰な思い込みもない。
「アニメだから下らない」とも「アニメだから素晴らしい」とも思っていない実にフラットな批評スタンスなのです。

 そこでテレビ放送を録画したビデオテープ(懐かしいっ!)を全て渡して「観てみろ」と焚きつけてやりました。

 数日後に感想を聞いてみたのですが、アニメファンとかサブカル系評論家のどっかで聞いた様な「借り物の言葉」ばかりの紋切り型な評論もどきではない斬新な意見を聞くことが出来ました。

 私のエヴァ観は時期によってぐらぐら揺れ動いているんですが、当時はあのテレビ放送最終回から余り時間が経っていない頃ですからかなり怒っていたと思います。

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star旧エヴァ百科事典。1話?13話。

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 何と
Oくんはエヴァを激賞したのでした。
 自分で観せておいて何ですが、
何とかマイナス評価を引き出せないかと色々水を向けて見ます。

 「主人公が全く精神的成長をしていない点についてはどうか?19話で苦難を乗り越えて精神的成長をした!と思ったら次の回から戻っているという評価なのだが」と聞いてみました。

 当時はシナリオの専門学校に通っている頃ですから、
半可通の知識や「あるべき論」で頭はパンパンです。

 しかしOくんは「
別に成長する必要なんてない人間たった一つのきっかけで何もかも変わったりはしない」と鷹揚なまま。

 「成長する物語もあるが、色々やっても結局変わらないという人もいるし、
『そういう人間を描く』物語があってもいい」と。

 エヴァの第拾九話は最高傑作とも称され、「エヴァは19話掛けてやっと『ガンダム』の1話に追いついた」ともされているターニングポイントとなるエピソード…のはずでした。

 …ところが、結局シンジは何も変わりませんでした。

 あそこで本当にかわっていたのならば、少なくとも旧劇場版のあのうじうじぶりがあるはずがありません。
新世紀エヴァンゲリオン 劇場版
新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 緒方恵美 三石琴乃 林原めぐみ

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stars90年代に観れた何か。
starsシト新生が見られるのはこのディスクだけでは?
starsハッキリ言ってこんな物は誰も作れない
starsカタルシス
stars音楽も素晴らしい

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*「春エヴァ」こと「シト新生」は決定版となる「夏エヴァ」こと「Air/まごころを君に」で上書きされる形となっているのですが、これは「シト新生」が観られる数少ないディスク

 Oくんにテレビ版全話ビデオを観せた時点では劇場版はどちらも公開されていませんでした。しかし、アニメファンはその情報で持ちきりでしたから、アニメ雑誌の読者投稿コーナーとかラジオ番組、そして同人誌などで情報交流し、「今監督が何をやっているか」「劇場版は今どの程度まで出来ているのか」といった情報が話題の中心でした。

 Oくんはこれを受けてこの様に返答してくれました。思い出せる限りそのまま再現します。

「え?これの劇場版を作ってるの?ラストをちゃんとする形で?
そりゃしんどいだろうねえ。
 だってとにもかくにも一度は完結させた作品なんだから、他人がどう言おうと作者の中では一度終わってる作品だよ。自分だったら絶対にそんな仕事受けないね。
 え?でも無理に作ってるの?ファンの怒りと会社の期待で?…む〜ん…どうかなあ。結局テレビとそう変わらないオチしか無理だと思うよ」

 今では到底信じられない牧歌的な見解なのですが、当時のアニメファンはまだ
「劇場版においてこそ、ちゃんと全ての謎も解き明かした上で万人が納得のいくエンディングまで作ってくれるはずだ」と思い込んでいました。
 それどころか、「ちゃんと作るのは義務だろ」と思っていたんですね。

 しかも、「オチがあんな風になっちゃったのはスケジュールがキツかったからで、
手間と暇をしっかりと掛けられる環境が整いさえすれば最高のエンターテインメントなラストまで仕上げてくれるはずなんだ」とすら信じていた。
 もう、現在から考えれば
「うぶ」過ぎてお話になりません

 要するにOくんは「ファンの要望(というよりは過剰な期待)」に応える形で本人は嫌がっているのに無理矢理作らされているどころか、あのエンディングが
「なるべくしてああなった」…というのを見事に見抜いていた訳です。

 とにかく、「自分がこの監督だったら絶対に映画の仕事なんて受けない」を繰り返していたことを昨日の様に思い出します。


 実際に出来上がった映画を観ると、大不評だったテレビ版のラスト2話を
より念入りに不快感を催す形で作り直された嫌がらせみたいな内容だったのは皆さんご存知の通り。劇場のスクリーンを観ている観客すら実写映像で見せ付けたんですから何をかいわんや。
 
Oくんの見方が見事に的中した形です。
劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に
劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に 緒方恵美 三石琴乃 山口由里子

おすすめ平均
stars劇場版を見てようやく意味がわかりました
starsエヴァに教えてもらったこと
stars考えさせてくれる作品
stars複雑
starsこの劇場版は人を選びます

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 「続きを期待させる」形で終わっている「春エヴァ」までは幻想を観ていたファンたちも、「夏エヴァ」を見せ付けられるに至って
やっと「作者(庵野監督)の情念があのテレビ版の最終回をなさしめたのであって、ああなる以外の道は無かったのだ」と納得せざるを得なくなったのでした。


 何かを越えたはずの「魔法少年」たちの
「終わりなき日常」はその後もずるずる続きます。
 それこそ
あの劇的な「精神的成長」に見えたものなど何も無かったかの様に。

 その
「作品としての迷走ぶり」は非常に興味深いので駆け足で観てみましょう。

 「人間の心理の暗部を描く」事に掛けてはやっぱり女性作家ならでは。1話前のエピソードで見事に「燃える話」を描いてみせたのが、また「人間の暗部を描く」系統に逆戻りです。

 「人間の暗部」とか「人の悪意」ってのはいざ描こうとしても描きなれていない人にはすんなり出ないと思いますよ。
 例えばこの場面。

 要するに
「自分は不幸なのだから、他人が幸福になることは許さない」という歪んだ考え方。
 私などは人間が子供っぽいので、
「この世の中にこういう考え方をする人間がいるんだ」と考えるだけで鬱になりそうです。

 間違いなく断言出来ますが、能天気TSおと×まほ」(レビューはこちらにはこういうキャラは今後どれだけ巻数が出ても絶対に出てこないでしょう。別にそれがいけないってんじゃなくて、「そういう傾向」と言う話。
 もしかしたら桜ish―推定魔法少女 」(レビューはこちらにも出てこないかも。

 
余りにも精神的にキツ過ぎるんですよ。かの「新世紀エヴァンゲリオン」にだってこの手の人間は出てこなかった。

 ちなみに、同種のお話を得意としている作家さんといえばまあ何と言っても角田光代さんでしょうねぇ。
三面記事小説
三面記事小説 角田 光代

おすすめ平均
stars現代社会のひずみが見える・・・
stars歪んだベクトル
stars人間の物悲しさを感じる作品だった。
stars私の中の不謹慎な部分
stars角田さんにはミステリーの醍醐味が描けない

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 ぶっちゃけ角田さんの小説にはそういう登場人物ばっかり。
 本当に読んでいて精神的に打ちのめされます。

 それこそ
私にとってはどんなホラー小説読むよりも角田さんの小説の方が怖い。どうして世の中にはそういう人間がいるのだろうか!?と考えるとジェイソンやフレディなんかよりずっと怖いんですよ。
フレディVSジェイソン
フレディVSジェイソン ロバート・イングランド ケン・カージンガー モニカ・キーナ

おすすめ平均
stars「エルム街」「13金」ファン専用
stars評価と感想は違います
starsどんだけ?
starsよく出来たB級映画
starsこれは真剣に作られた映画だと信じたい。

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ジェイソンやフレディには実際に遭うことは…多分無いだろうけど、こういう人間に出会ってしまう危険性は現実的に間違いなくある訳ですから。

 というか何度も出会ってますし、職場で一緒だったこともあります。
 
本当に地獄です。


 話を「マジョーリアン」に戻しますと、
今回遂に「物語のテーマに直結した」敵が現れます

 1巻においては、
敵の存在は本当に「付け足し」でしかなく、しょーもない社会風刺(というかパロディ)みたいなことまでやっていたのですが、今回はこういう「敵」です。

 …これは…かなりインパクトのある「敵」ですね。

 なんと巨大な「泣いているイオリ」なのです。
 解説してしまうと、この「敵(イムド)」は実は
見る人によってその姿が全く違って見えるんです。
 「その時に最も気にしているもの」に見えるんですね。

 嗚呼、やっとこういう
「テーマに直結した敵」が出てきました。

 もうグダグダ解説する必要は無いでしょう。
 
この敵ならば「新世紀エヴァンゲリオン」に出てきてもおかしくありません。

 というか「実は出ていました」とか言っても納得してもらえそう。

 衛星軌道上から精神攻撃をかましてくる使徒(第弐拾弐話の第15使徒アラエル)とかそっくり。

 ちなみにあの謎の小動物は「ネガ」と「ポジ」という正式名称が判明。
Creamy Mami Memories of Magical World―高田明美画集
Creamy Mami Memories of Magical World―高田明美画集 エンタテインメント書籍編集部

おすすめ平均
stars確かに・・・完全(未)収録版?
stars完全収録?
starsMagical Nostalgia
starsGREAT artbook features CREAMY MAMI, worth 20-year long wait

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 すいません。嘘をつきました。
 「ジェン」と「ダー」ですね。

 あーはいはい。分かっております。これは「ジェンダー」からですね。作品のテーマそのものです。


人間の男女に化けて魔法少年たちの学校に転入してくる「ジェン」と「ダー」。
その後、寄生獣みたいに合理的思考しかせず、自分達には関係ないと死んでいくしかない(らしい)人間達に興味を持たなかった彼らに大きな心境の変化をもたらす重大なエピソードとなります。

 幾つもあるエピソードを個別に解説してもいいんですが、それはこれまで私がやってきたセカイ系作品の解説と殆ど一緒。「人の思い」が物語にそのまま反映する展開の目白押しです。

 正直、「バッドドリームガールズ」以降のエピソードは「超時空要塞マクロス」の27話以降みたいなもんだと思うんですが、色々興味深い展開も。


人に理解されない、人に本当の意味で好かれないことを思い悩むイオリ。
 前半からは彼がこういう本性を作中に出してくるとは思っていませんでした。
彼がシンジ役だったんですね。



全てを睥睨(へいげい)しているかのように不敵に笑うジェンとダー。
 この口元だけ目立たせるところとかエヴァの碇ゲンドウにそっくりでしょ?



「開かない鍵になる」と言う謎のメッセージを発するジェンとダー。
 現時点で何の意味があるのか全く分かりませんが、同じくらい作者がどの程度まで考えているのかも分かりません。
 そういえば死海文書にはこんなことが書いてあったな冬月。もうすぐサードインパクトが起こるぞ。
 つーかもう「謎の撒き方」まで似て来ました。目指せ円盤ゲリオン!



私は今ではそんな事はなくなっている…と信じたいんですが、一部の人と話していると過剰なまでの自己否定というか自己卑下な言動に聞いている方がうんざりすることがあります。
 口にしている方は自分の不幸に酔って気持ちいいのかも知れませんが、聞かされる側はたまりません




諸行無常を嘆(なげ)くのも…悪く言えば子供っぽい価値観。
でも、そうだよねえ。
今通っている学校だっていつかは卒業しなくちゃいけないし。
 何故、今のまま永遠に同じ状態が続かないんだろう。



「自分を変えたい」という思いから使徒…じゃなくてイムドを取り込んでしまうイオリ。
暗黒面に堕ちた…というところでしょうか。



イムドの力を借りてイメチェンに成功するイオリですが…



 「進歩はしているが
本当の自分ではない」ことで叱責されるイオリ。

 これは難しいですねえ。
 
一体どうすりゃいいのか。自分ひとりでは変われないから外部のきっかけを使って変わったのにそれじゃ駄目だと言う。あくまでも「本当の自分」じゃないと駄目なんだと。

 この
「本当の自分」探しがこの物語のもう一つのテーマであることは言うまでも無いでしょう。
 しかし、
これってキリが無いですよね。
 
どこまで行っても「これは本当の自分じゃないのかも知れない」とずっと思い悩む日々。


 さて、
巻頭で2秒後には世界が滅びそうな勢いだったのに思わせぶりな事ばかりやっていて遂に2巻ラストのエピソードに

 ここで「可逆」ものでは必ず登場する「お約束」展開が発生するのです。

あれだけ「女になる」ことのみならず、「女」そのものをも嫌悪していたマサルの方が「実質的に」性転換してしまう役回りになるというのは面白いですねえ。
「こんな子供じゃあ男も女もあんまり変わらんやん」とか言うな。


淫乱女…まで言わんけど、自らの女としての魅力を駆使して周囲を誑(たぶら)かす奔放女になってしまうマサル。

 確かに趣向としては面白いんです。
 面白いんですが、
この展開って一体何なんでしょうか?

 殆どの展開に何らかの意味や伏線を読み取ることは出来るんですが、
これは全く意味が分からない
 男のままのイオリに「キスをして」と言い寄るあたり「こりゃ一体何だ!?」何が狙いなんだろう?と。迷走も甚(はなは)だしいのではあるまいか。

 勿論、「おのれの様な屁理屈厨の為に漫画描いとるんじゃ無いわい!」と言われればおっしゃる通りなんですけど、あの冒頭で燃えた私としては困惑。
 確かにTSファン的には美味しい場面なのは否定しないのですが、作品の完成度として迷走してしまうのがいかにも残念なのです。

 いや、きっと小賢(こざか)しい読者の期待も予想も遥かに上回る凄まじい展開と、予想も付かない結末が待っているはずです。ええ。

 相変わらず漂いまくる終末感と作者も混乱しているであろう悩みとか煩悶とかをそのまんまたたきつけている感じがいいですよねえ。

 何でも
CDドラマ化されるそうなので、そちらにも期待しましょう。
 「男の子が魔法少女になる」という部分は刺激的なんだけど、そこのみならずテーマをつついてもらえると嬉しいなと。

 では、今回も炸裂しまくっている「セクシーすぎる変身シーン」を幾つか紹介してお別れです。

2008.01.15.Tue.

( ;´Д`)ソ、ソンナイタイイタイイワンデモ・・・

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