「ほう、それを選ぶか…」

 じいさんが不敵に笑う。

「これで何が分かるんだい?」

 と、身体がなにやらむずむずしてきた。頭がくらっとする。

「あ…」

 背景が歪んだ。そして身体に感じていたその異変が目に入ってくる。

 自分の胸がむくむくと膨らんでくるではないか。

「え。ええ!?」

 さらさらの髪が頭にまとわりつく。そう言っている間にも脚が内股に曲がって行き、お尻が大きく、腰がくびれていく。

「な、なんだ?」

 そう言って手を見る。その手は自分の物とは信じられないほど綺麗なそれだった。そこにカッターシャツがつつつ…と伸びてきてすっぽりと包み込む。その色は白く、光沢を放っていた。

「あ…あ…」

 気が付くと腕全体がそのシルクの手袋に覆われていた。

 カッターシャツは既に原型をとどめておらず、そのくっきりした体型の身体にぴったりとフィットしていた。その肩の部分はかぼちゃブルマの様に膨らみ、全体にその表面はつるつるになり、光沢を放っているばかりか、美しい刺繍が刻まれている。そして尚も変形は続き、胸元が開いてくる。その胸元には「胸の谷間」が三分の一ほども露出する。

「あ…そ、そんな…」

 すう…と背中が空気にさらされる。

 気が付くとズボンは跡形も無く、巨大なドレスのスカートになっていた。

「こ、これは…」

 少し動いただけでもきぬ擦れのしゅるっという音が耳をくすぐる。上からヴェールが降りてくる。気が付くと首には真珠のネックレスが巻きつき、耳にはイヤリングがぶら下がっている。

 あなたは純白のウェディングドレスに身を包んだ美しい花嫁になってしまったのだ。

 何時の間にかそこは結婚式場になっていた。あなたはヴァージンロードをゆっくりと歩き始めた。

 

GAME OVER