「ほう、それを選ぶか…」


 じいさんは不敵に笑った。

「これで何がわかるんだい?」

 と、身体が何やらむずむずしてきた。頭がくらっとする。

「あ…」

 背景が歪んだ。そして身体に感じていた異変が目に入ってくる。

 自分の胸がむくむくと膨らんでくるではないか。

「え、ええ!?」

 さらさらの髪が頭にまとわりつく。そう言っている間にも脚が内股に曲がって行き、お尻が大きくなり、腰がくびれて行く。

「な、なんだ!?」

 気が付くと白かったはずのシャツは漆黒のそれに変わっていた。

 身体を見下ろす。発育のいい少女の身体にフィットしたその上着に続いてズボンが繋がって行く。それはフレアの効いたスカートになり、その上にフリルの沢山ついたエプロンが装着される。



「これは…一体?」



イラスト:藤沢カミヤさん

 その声も既に少女のものだった。髪飾りがぽよん、と乗る。


 あなたはメイドになってしまったのだ。

 そこはどこかのお屋敷の中だった。

 あなたはいそいそとご主人様の世話をするために走り出した。




GAME OVER