「ほう、それを選ぶか…」
じいさんが不敵に笑う。
「これで何が分かるんだい?」
と、身体がなにやらむずむずしてきた。頭がくらっとする。
「あ…」
背景が歪んだ。そして身体に感じていたその異変が目に入って来る。
自分の胸がむくむくと膨らんでくるではないか。
「え、ええ!?」
さらさらの髪が頭にまとわりつく。そう言っている間にも脚が内股に曲がって行き、お尻が大きくなり、腰がくびれて行く。
「あ、ああ…」
その、自分のものとも思えない美しい手の先の爪に鮮やかなマニキュアが入っていく。
グイ、と踵が持ち上げられる。見下ろすと、その革靴は黒々とした光を放つエナメルになっていた。そのつま先はとがり、ハイヒールへと変わっていく。黒い長ズボンはぴっちりと脚に張りつき、そのなまめかしい脚線美を露にする。ほどなくそれは悩ましいアミタイツになる。
「こ、これは…?」
ズボンとシャツはバニースーツへと変わり、頭にはウサギの耳を模した髪飾りが出現し、首に蝶ネクタイが現れる。
あなたは妖艶なバニーガールになってしまった。
気が付くと看板が目に入ってきた。
「PLAYBOY CLUB」
何時の間にかあなたの手にはお酒を載せたお盆があった。
お客が手招きしている。
GAME OVER