あなたは劇場についた。

 こちらではバレエの公演があるらしい。

 チケットは持っていないが、まあいいだろう。

 入ろうとすると警備員に呼びとめられた。

「君、入場券は?」

 うるさいなあ、と思ったあなたはその警備員に触った。

「ん?それはどういう意味…」

 と、その警備員の胸がむくむくと大きくなってくる。

「…ん?」

 あっという間にお尻が大きくなり、腰がくびれる。髪が長く伸び、柔らかい、女性的な体つきになってしまう。

「なんだ?…?」

 そしてその服から色が抜け落ち、真っ白になっていく。その脚にはトウシューズがはまり、ストッキングに覆われる。体型にぴったりとフィットしていくチュチュ。

「こ、これは…な、何が起こったん…だ?」

 美しいバレリーナになってしまう警備員。

「あ、か…身体が…か、勝手に…」

 自然に踊り出してしまうバレリーナ。

 驚いているその脇をすりぬけて中に入るあなた。

 会場内には上品なお客が大量に入っている。あなたは一組のカップルに目を付けた。

 すっと近寄ると男の方に触る。

 あっという間にバレリーナになってしまう男。

「ああ!こ、これは!」

「きゃあ!」

 目の前でバレリーナになってしまう彼氏に驚く彼女。

 これに気をよくして会場内の男をバレリーナにしまくる。

「ああ!」

「きゃあ!」

「な、なんだ?こ、これは…?」

「そ、そんな…」

 この数のバレリーナが揃うと壮観だ。会場内には大量のチュチュが乱舞し、華やか以上だ。しかしあなたは調子に乗りすぎた。思わず自分に触ってしまったのだ。

 やはり美しいバレリーナになってしまうあなた。

「し、しまった」

 

 

GAME OVER