「華代ちゃんシリーズ」32

「人事」

作・真城 悠

「華代ちゃん」シリーズの詳細については

http://geocities.co.jp/Playtown/7073/kayo_chan00.htmlを参照して下さい


 こんにちは。初めまして。私は真城華代と申します。

 最近は本当に心の寂しい人ばかり。そんなみなさんの為に私は活動しています。まだまだ未熟ですけれども、たまたま私が通りかかりましたとき、お悩みなどございましたら是非ともお申し付け下さい。私に出来る範囲で依頼人の方のお悩みを露散させてご覧に入れましょう。どうぞお気軽にお申し付け下さいませ。

 報酬ですか?いえ、お金は頂いておりません。お客様が満足頂ければ、それが何よりの報酬でございます。

 さて、今回のお客様は…。

「うーん」
 その紳士は迷っていた。
 整った身なりの男性で、毅然として凛々しい。高級そうなスーツに似つかわしくないライオンの様な髪型が印象的である。
 恐らく年齢は60歳を過ぎていただろうが、年齢の割には大変活発で溌剌としている。
 その彼が何やら悩んでいる様だった。

「はて、どうしたものか・・・」
「おじちゃん!」
「おっと・・・」
 突然背後から声を掛けられたにも関わらずその初老の人物は全く動じない。
「何してるの?難しい顔して」
「おやおや、誰だい君は?」
「えーとね」
 といってポシェットをがさごそ探り始める。
 その女の子はどう見ても小学校低学年程度にしか見えなかった。なかなかおしゃれで可愛らしい。
「どうやってここまで来たの?」
「うーん、何となくね」
「なかなか大胆だね。感動した!」