『その飼育』(92年・ウィンタークロウ)


 壊れている。

 このゲームは壊れている。
 まあ、パソコンのエロゲーにありがちな 「飼育もの」であるが、その情況設定が特異なのだ。
 舞台となるのはとある人里離れた洋館の地下室。そこに監禁した女性を淫乱に調教していく・・・ のは各面の中盤になってから。
 それまでは“目標”を街に繰り出してゲットし、洋館の、それも地下室に押し込めるまでの過程があるのだ。筆者が確認出来たところでは“目標”には十五人のバリエーションがあるようだ。
 まあ、五人クリアするとクリアイベント(後述)に移行してしまうのだが。


 とにかくこの「前半」だけでも凄じい容量を使っている事は明白で、製作者の異様な執念が伺える(笑)。
 言葉巧みに“目標”をたぶらかして洋館まで連れて来る。しかし、女性のターゲットはことごとくゲットに失敗する。男性のみが成功するのだ。これは何をどうやってもそうなるようになっているらしい。だから繰り返しプレイしているともう男ばかり狙うようになってくる(笑)。
 そしてここからが真骨頂。どうにかして “性転換薬”を飲ませてそいつを女にし(これは簡単)、それを“調教”するのだ。ね、普通じゃないでしょ?
 しかし、これがはまってくるともう夢中になって、ありとあらゆる責め苦を思いついては試すようになっている自分がいるのだ。これは危険である。しかしまあ、人間の加虐趣味というのはこういうもんなんだろうなあ、としみじみ実感してしまった。

 私はスカトロ趣味は無いのでそっちの方面の責め苦はあんまりやっていないが、コスプレ攻撃は面白いので色々試している。何せゲームだから非常に都合がよく出来ていて、女にされたターゲットは心は男のままだが、こちらの命令には言うが儘の催眠状態なのだ。そして、自尊心、羞恥心が残っているだけに時折非常に恥ずかしそうな表情をする。そこを言葉でいたぶるのがまた何とも・・・ 。
 私の好みのコースとしては、なるべく“男らしい”タイプを選ぶ。ゲット出来るターゲットとしては隠れホモや女性化願望のあるオタク美少年なんかもいるが、こういうゲームは嫌がってんのを無理矢理ヤルからいいのだ(笑)。
 スポーツジムに行けばスポーツマンタイプ、夜の交差点でおしゃれでさわやかながら実はプレイボーイのあんちゃんをゲット出来るぞい。

 まずは女にするんだけど、その時に睡眠薬を混ぜて寝かす。そしてセーラー服を着せて起きがけに驚かす、というのがお気にいりのコース。
 とにかくコスプレには力を入れているらしく、用意されたコスチュームの数も大したものだ。
 セーラー服、ブレザーは色やスカート丈も含めてある程度エディット出来るので事実上無限。他にもバニーガール、バレエのチュチュ、レースクィーンのハイレグとハイヒール、看護婦さんの白衣、婦人警官の制服、スチュワーデスの制服、体操服とブルマ、テニスのスコート、晴れ着、カクテルドレスやパーティドレス、果てはウェディングドレスまである。他にもボンデージ系のいやらしい衣装やアニメ系のコスプレ衣装はバリエーション豊富である。

 それまで「俺は」とか「何しやがる」といった男らしい言葉使いだった美少女がやがて女言葉を使い、よがり声をあげる様になっていくのだ。特にかつてはガールフレンドのいた男にすっかり女らしい服を着せ、目の前で犯すのがいい(そんなイベントもあるのだ)。最後はウェディングドレスを着せて結婚式まで挙げてやる。

 そして、これがポイントなのだが、五人までクリア(調教)すると、今度は復讐とばかりに自分が美少女にされてしまい、自分が調教されるイベントが起こるのだ!

 このイベントになるとそれまで普通に示されていたコマンドが全て「受け身型」になるのが芸が細かい。「指を入れる」が「指を入れられる」になり「ウェディングドレスを着せる」は「ウェディングドレスを着せられる」になるといった具合。
 いやはや何とも芸が細かい。グラフィックもかなり可愛らしいので続編が望まれるが、未だに出ていない。

 注意 この文章は「存在しないゲームの評論」というフィクションです。
 よってこのゲームは
「あったらいいなー」といくら思われていても実在は残念ながらってことも無いんでしょうけど当然しません。このゲームの製作会社も架空であり、実在のゲーム、製作会社とは何の関連もありません。



雑多な小説トップに戻る