18歳未満お断りのアダルト(成人)TS
作品の紹介ページ05
「So Young」(1994年・末広雅里・ワニマガジン社) |
作品を紹介するとともにamazonリンクを張るという行為をしていると、いろんなことが分かってきて面白いです。 特に「絶版・品切れ」状況。私に言わせれば全年齢対応で誰に見せても恥ずかしく…はあるけど少なくとも年齢制限は掛からない…「フレックス・キッド」なんて極度に品薄だったり、その他にもあれも無いこれも無いのオンパレード。 かと思うと「こんなの(失礼)まだ新刊で買えるの?」と身を乗り出してしまうのもあります。 申し訳ないんですが、今回紹介する「So Young」もそんな一冊。 ここで紹介するからには見所があるのは間違いないんですが、未だに新刊が買えるというのはちょっと驚きでした。 エロあり短編集という体裁で、その中の「僕が彼女で彼女が先生!?」が該当。 |
ちなみにこの「入れ替わって目が悪くなったのに違和感を覚える」という ディティールは私も狙っていたところ。う〜んやるな |
典型的な「階段落ちによる入れ替わり」なんですけど、巻き込まれたのが「女×2」と「男×1」という「三人による三角入れ替わり」がちょっと違うところ。 ちなみに被害者は「女子高生」「男子高生」「女教師」の三人。 男が二人混ざっているとアレですが、ちゃんと女二人なのが「分かっている」ところ(えー。 構造としては「女子高生(中身:男子高生)」「女教師(中身:女子高生)」「男子高生(中身:女教師)」という風になっています。 話し合いの結果、お互いを演じながらやっていくしかないと結論付けます。 |
勿論、女子高生の肉体を手に入れた男子高生くんは、元々彼女と付き合っていたこともあって「お約束」の展開に…。 |
「俺ずーっつ女のままでもいいなー」とかその場のノリで大胆なことを言ってます。真剣に考えてないだろ |
この辺は「エロあり」の強さなんですが、実はこの自慰シチュエーションはそれほど細々描かれている訳ではありません。 しかし、これを「18禁なし」フォーマットで描けるかと言えばそれは出来ない訳です。要するに「直接の描写があったかなかったか」というのは決定的な要因ではなくて、「そういう概念を認めるか」によって18禁作品のあるなしを選定されてしまうから。 つまり、「基準」は二つのハードルがあることになります。 i) 「セックス」「自慰」等の存在を匂わせるか匂わせないか(ここを越えると18禁) ii) 直接の描写は無い iii) 直接の描写あり この「SO YOUNG」は実はカテゴリで言うと「ii)」です。 ある意味ウチのサイトに来てくれているお客さんの好みを絶妙に衝くのがこのカテゴリではないかと。 この「18禁あり」の別ページなんですが、当然「真城の城」の1コンテンツであるからには「エロがあるからよし!」とは言えない訳です。そしてこの「SO YOUNG」は案外ドラマ的にも上手く出来てるんですよ。流石は隠れたロングセラー。 |
教師向きの性格ってありますからね。 昨日まで女子高生だったのに教壇に立って生き生きしています |
この先生の中身は女子高生なのですが、なんと彼女は帰国子女なので英語は堪能。そこでその英語力を活かした授業を(勝手に)展開。 これが生徒に好評を博してしまいます。引用コマの左下の方で落ち込んでいるのが中身先生の男子高生。 しかも入れ替わったことで先生の男女関係に隠された趣味まで暴露されてしまうという展開。 …これって入れ替わりをちゃんと活かして物語を展開しているじゃないですか。参ったなこりゃ。 実は「エロあり」系のTSものってストーリー的にはオーソドックスなものが多いんです。 良く考えたらそれも当然で、エロ以外で余計な事を考えたくないし考えても仕方が無いからお膳立てはそれほどひねったのは使えないんじゃないかと。 それでいて「当たり前」の描写をしっかりやってくれるのも嬉しいところ。 |
自然な反応です。女子の制服を着て学校に来るシチュエーションを描いてない のが個人的には減点対象ですが、十分許容範囲 |
これって入れ替わりものならば当たり前なんですが、あんまり毎日の様に入れ替わりとか読んでると忘れがち。 そうなんですよ、自分と面と向かってあれこれやるわけですからさながらドッペルゲンガーと会話している風情。入れ替わりの経験は無いですが、さぞ不気味だと思います(爆)。それこそ自分自身が絶世の美男子とか美女とかでも「自分の顔」ですからね。 結局お互いにキスをすると入れ替わることが判明して元の鞘に収まります。お互いをより深く知る事が出来たことで三人にはそれなりの年齢をこえた友情が築かれ、「入れ替わりによる“雨降って地固まる”現象」というオーソドックスながら安心できる展開に。 繰り返しますがエロありってストーリーはシンプルなことが多いですからね。 しかし!この最後の展開でこの作品はめでたく真城の心に長く長く残ることになったのです。 実は「キスによって入れ替わる体質」というのは「永続」するものだったんですね。 つまり、階段落ちによって単に「(一時的に)入れ替わりました」というのではなく「キスによって入れ替わる体質になっちゃった」ということなんです。 そしてそれに関しては根本的な解決も無いままに幕です。 …冷静に考えればこれって結構困った事ですよ? だって先生はともかくこの二人は肉体関係ありの恋人ですからね。キスする度に入れ替わりじゃあ大変です。 でもそのまんまです(爆)。 そこで衝撃的(?)なラストがあるわけですよ。 |
ここでのやり取り「自分に犯される気分を味わうがよい!」と「変なトラウマになったらどーする!?」が完全にツボでした。 こ、これは美味しいっ!!美味し過ぎるっ!! では、真城ビジョン。 「げげっ!何だよその格好」 「見て分かるでしょ?バニーガールの衣装よ。通信販売で買ったの」 「な、何の為に?」 「こーゆーの好きでしょ…隙ありっ!とりゃっ!」 ぶっちゅ〜とキスする。 「うわっ!こ、これわぁ!」 「うっふ〜ん。どお?バニーガールになった気分は。あたしの身体だけどとってもセクシーよ」 「は、ハイヒールが歩きにくい…って何するんだよ!戻せよ!」 「せっかくなんだから楽しみなよ。うりゃうりゃ!網タイツざらざらにバニーのしっぽぷにぷにっ!」 「あっ…や、やめ…ああっ!」(以下略) 更に真城ビジョン。 結婚式当日。花嫁・花婿衣装の二人。 「色々あったけど遂にここまで来たな」 「そうねー。大体キスすると入れ替わっちゃう体質じゃあ一緒になるしかないもんね」 「色気の無いこと言うなよ。そりゃ好きだから結婚するに決まってるだろ」 「そーだったね」 「それにしても…」 「あによ不安そうな顔して」 「今日って教会婚じゃん?」 「うん。やっぱり純白のウェディングドレスがいいもん」 「最後に神前でキスしなきゃならんけど…オレって式の最後を花嫁状態で迎えなきゃならないんだよなあ…」 「いいじゃん。もう女としてたいがいの経験はしたでしょ?」 「お前がやったんだよ!」 「ふーん、そんなこと言うんなら…」 不意を衝かれてキスされる。 「…うわあっ!な、何だこれぇ!?」 ドレスを鷲掴みにしてうろたえる花嫁。 「これなら最後に入れ替わって元に戻れるからいいでしょ?」 「嫌だよ!花嫁として父親に手を引かれてバージンロード歩くなんてやだよ!しおらしい花嫁演じて「はい」とか言えるか!」 「…とっても綺麗だよ」 「(かあっと赤くなる)ってゆーかお前はいいのかよ?結婚式なんて女の一生に一度の晴れ舞台だろ?」 「まあ、そうだけどウェディングドレスなら披露宴でも着るからねえ」 「また面倒くさいから何時間も掛かるメイクを俺に体験させて終わったら入れ替わるとかやる気じゃねーだろうな」 「そんなに大声あげないでよ」 といって細い腰をきゅっと抱きしめる。 「あ…ってやめんか!」(以下略) …とまあこんな妄想が幾らでも湧いてくる訳ですよ(爆)。 正直描写そのものもそれほど過激ではないし、出来たら表ページで紹介したかった一作。 ただ、これ以外の作品の性的倫理がかなり狂っているので、ちょっと無理かな?と言う感じ。本当にスゴイんです。真城的には悪い意味で。 ごく普通の学校で当たり前に乱交パーティが始まるし、やっていることは集団レイプなのに余りにもノリが軽い、軽すぎるので気分が悪くなってくるんです。人によってはツボなのかも知れんけど…。 ただ、該当作に関して言えばページ数は少ないですが、けだし秀作。 とにかく未だに新刊が手に入るってことは売れているってことで、そこにはきっと何かがあるはず。上記の紹介でピンと来た方なら購入して間違いないでしょう(^∀^)ノ。2006.12.17.Sun. |