おかしなふたり 連載1561〜1580

第1561回(2008年05月22日(木))
 つまり、ごく普通の言葉がまずあって、そこに余計なものをゴテゴテと塗りたくることによって作られているのが「女言葉」なのである。
 余り知られていない事実だが、この「女言葉」なるものは明治時代に急遽こしらえたものであり、それ以前には存在していなかった。
 当時の「女学校」によって女子生徒に無理矢理叩き込んだのがその発祥であり、江戸時代までは日本に於いては男女は全く同じ言葉使いをしていたのである。


第1562回(2008年05月23日(金))
 こう聞くといかにも異様な感じがするが、英語などには今でも男女の区別は無い。語尾変化によって女性的にしたり男性的にしたりはしないのだ。
 というよりも他のあらゆる言語において事情は似たようなものなのである。


第1563回(2008年05月24日(土))
「でもおかしいよね。さっき「おれ」っていえたもんね」
 何か言葉を発しにくい雰囲気になってこくこく頷いている歩(あゆみ)。
 可愛い。


第1564回(2008年05月25日(日))
「いいから何かしゃべってってばぁ!」
 何だか胸が異様にドキドキする。
 これまで散々女の身体になって女装…という表現でいいよね…したりされたりしてきた。
 現に今だっておっぱいは重いし、意識すれば股間の喪失感がよみがえる。
 当たり前みたいにスカートを履いてベッドに腰掛けている。


第1565回(2008年05月26日(月))
 でも、この恐怖感は今までのそれとは比較にならない。
 人ごみの中で純白のウェディングドレス姿になろうが、会議室でスチュワーデスの制服を着せられようが、学校の女子トイレの中で女子の制服を着せられようが、それでも自分の身体は自分の意思の通りきちんと動いてきたのである。














































  




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